ガールズ&パンツァーの面白い考察

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インクエッジ @02Curry

そんな苛烈な戦いが終わるとそん次どうなるかというと、傷つき動けなくなった西住みほ=IV号戦車を、西住まほ=ティーガーIが後ろに牽引して還ってくる。最後の戦車の所作でもそりゃふたりのドラマを表現する。手を引き連れ出し、外に送り出し、いつでも戻ってこられる場所を確保し続ける姉の姿よ。

2016-01-04 13:15:51
インクエッジ @02Curry

まぁ五十鈴射手の華麗な行進間射撃ですよ。最終回ティーガーIとの決闘、まずはその「導線」がこの衝突にある。もちろんこれ自体は射撃術とは関係がない。ただブツかっただけ。ダメージもほとんどないが、まずはこれが双方最初の被害。こっからだ。 pic.twitter.com/Hmhqr281Ln

2016-01-04 13:22:43
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インクエッジ @02Curry

…この接触のあと両者激しく動き回り撃ち合うものの双方一発も有効打なし(IV号左右に建てつけてあるペラ板=シュルツェンなんか戦車砲相手には雰囲気だけの飾りだから)。決着となる広場への建屋を挟んだ直線部分だけで動きがある。 pic.twitter.com/bY4W4kXAd5

2016-01-04 19:32:30
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インクエッジ @02Curry

建屋を挟んで高速で併走する両車、ふたつある建屋隙間のひとつめに差しかかると同時に、まずIV号が主砲弾をティーガーにヒットさせる。命中したのは…車体左前。

2016-01-04 19:35:01
インクエッジ @02Curry

ふたつめの隙間ではお返しとばかりに今度はティーガーが主砲発射。しかしIV号はこの隙間に差しかかる直前から先読みしてブレーキングを開始しており、ハナ先をかすめて外される。なおも建屋を挟んで併走し続け、そして広場へ。 pic.twitter.com/fbG7QaxbUd

2016-01-04 19:44:39
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インクエッジ @02Curry

この最終ストレートの挙動はそれまでと違って「凄み」があるというか「当たれば儲け」程度の牽制をずっとし合ってたのが「そろそろここで決める」モードに双方入った感ある。ひとつめの隙間では五十鈴が撃ち、ふたつめの隙間では冷泉が躱す。ティーガーは性能差だけに助けられてて内容では完敗してる。

2016-01-04 19:54:40
インクエッジ @02Curry

ド集中したストレート戦で決着がつかなかった双方の表情。この西住殿ちょう怖い。「明日にはお肉屋さんに並ぶのね」的な…。ので、広場に出て一旦仕切り直しに入る。ここで西住組は敵車そっちのけで割と悠長にご相談してるんだが、これは pic.twitter.com/BRIVe9iaUJ

2016-01-04 20:04:21
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インクエッジ @02Curry

相手(姉まほ)も「こっちと同じく」さっきの直線で決めに掛かってしくじったから「こっちと同じく」立て直しの「間」を持つはずだ…と確信してたんじゃないのか。オレはこの広場の最後の決闘だけが全力勝負なんではなく「双方が同時にリミッターを切ったのはその前の直線から」と見てるのでそうなる。

2016-01-04 20:07:46
インクエッジ @02Curry

「性能差を加味すれば」双方決めにかかってギリで逃したというのが最終ストレート。ティーガーはIV号には「当てれば勝利」なれどギリで躱され、いっぽうIV号はティーガーには当てるだけだとダメ。牽制と違う「狙いどころ」に当てにいってギリで叶わず両者ドロー、というのが直線勝負でのリザルト。

2016-01-04 20:19:58
インクエッジ @02Curry

で決着のアクション。IV号がティーガーの左に回り込みながらまず第一射。見事車体左前に命中。ティーガーの第一射はこれまたギリで躱して砲塔脇のシュルツェンだけが吹き飛ぶ。捨身の回り込みが成功し背後に付き、ほんの僅かの停止射撃を敢行する。 pic.twitter.com/Tz4Vj5o90h

2016-01-04 20:28:37
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インクエッジ @02Curry

…というわけで五十鈴氏は殺す気の行進間射撃は二度当てていて(それへの応戦の弾は二度とも冷泉が躱してみせる)、そのどちらもティ-ガーの「車体左前」なんだよな。これって初っ端にヒップドロップ攻撃でブツけたトコなんだ。偶然ソコに当たって以降、神業で繰り返し狙って繰り返し当ててるという。

2016-01-04 20:32:21
インクエッジ @02Curry

機動兵器相手に「同じ箇所に繰り返し当て続けて抜く」なんて現実離れしたナンセンスな発想だが、いまとなってはこの世界の超人たちにとってはその無茶苦茶すら「それもある」と考えさせられる。じっさいこの決闘のなかではソコしか当ててないし、ソコに繰り返し当たってるんだから。

2016-01-04 20:39:26
インクエッジ @02Curry

当てては躱しのこの曲芸、初の一打から決着の一打まで綺麗に「冷泉ヒット→五十鈴ヒット→冷泉回避→五十鈴ヒット→冷泉回避→五十鈴ヒット」で流れてくんだよな。そりゃ秋山の装填も頑張ってるだろうが、コンビの超絶美技なくして大洗勝利はありえなかった。どちらも高校屈指のオーバートップレベル。

2016-01-04 20:43:26
インクエッジ @02Curry

ティーガーI対IV号ということで姉妹がっぷり四つのイメージながら「ハンデ戦」めいた決闘だったが、みほ側車輌の花形両名ががこれだけ技量面で突出していてはそれで性能差がチャラ、車長同士の対決でいえばまさに「互角」の条件で戦っていたようなものだ。

2016-01-04 20:52:35
インクエッジ @02Curry

たとえば高校戦車道を西住流推しに強化デザインしたいなら、黒森峰に五十鈴・冷泉を赴任させれば機材を含めて全国最強の隊長車ができあがる。「あの貧弱な体制でよく頑張った」なら貧弱な体制なんか予定通りポイして、競技拠点として充実したところでやらせりゃいいんじゃないか、っていう。

2016-01-04 20:58:07
インクエッジ @02Curry

ガルパンについては「スポーツ競技の観念を”戦車道”に当て嵌めることで生じる杜撰さ(もちろん意図的に設けたもの)」がそのまま「スポーツ競技ものの観念を”ガルパン”に当て嵌めることで感じる杜撰さ」にシンクロすんだよな。「ルールがガバガバだから真剣に観られない」という感性ももっともだ。

2016-01-05 18:38:20
インクエッジ @02Curry

「強豪とされるライバルたちが全力で戦ってるようにみえない、舐めプに乗じて勝ってるからカタ入れできない」ももっともだ。それは序盤の大洗陣や文科省の視点、「スポーツ競技」の視点で捉えることで生じるもので、ガルパンという映像作品&作中の競技・戦車道が等しくあわせもつ二面性のうちの一面。

2016-01-05 18:42:55
インクエッジ @02Curry

戦車道は「明文化されたルールに基づいた試合をし、互いの技量をぶつけあって勝敗をつける」というスポーツの顔を持ち、同時に「明文化されたルールに基づかない不文律ベースの試合をし、互いの矜持をぶつけあって勝敗がつく」という求道の顔を持つ。「相容れない二極を併せ持つ競技」と戦う競技だよ。

2016-01-05 18:50:06
インクエッジ @02Curry

戦車道は参加者それぞれに矜持「道」というものが絶対必須(無名=これが認められない時点で門前払いされるのがふつう)な特殊な競技。試合が「各々の矜持を試し合う」場であるが故、一般的には勝利至上は道と認められ難いが故、ハタ目には非効率で舐めくさったプレイスタイルにみえるという構造だ。

2016-01-05 18:57:36
インクエッジ @02Curry

部外者には曖昧で陰湿な談合の世界にみえるこの戦車道では通念がひっくりかえる。スポーツであれば是であるはずの「矜持…妙なセルフ縛りプレイを掲げず、ただルールブックに則って勝利を目指す」ことこそが「舐めくさったプレイスタイル」であり、排除すべき無様になる。逆なんだ。

2016-01-05 19:02:15
インクエッジ @02Curry

この試合開始直前の工作も含め、懇切丁寧に試合の段取りやキモ(勝敗を左右するのにルールに書いてないような抜け道がザラにある)が描いてあるのは「本気の戦車道とは純スポーツと違うこういう世界」を紹介する一回戦ならでは、それ以降はその世界観に沿った「vs相手校の"道"」がメインになる。

2016-01-05 20:03:53
インクエッジ @02Curry

ところでガルパン聖グロリアーナだが、劇場版までとおし一貫した「格」が置かれてるのはみてとれるはず。なんせ「一度も主人公チーム・大洗に負けない」というのはおおきい。練度不足故の初戦練習試合の敗戦だけに「再戦しても勝てなかった」としたところは劇場版エキジビジョンマッチの要点のひとつ。

2016-01-06 22:57:43
インクエッジ @02Curry

この手の「結局(全国優勝まで果たす)主人公チームが一度も勝つことができなかったサブライバルチーム」というのもままある話だが、競技そのものが「スポーツかはたまた求道か」がストーリー上で争点となる本作では、そこにもうひとひねりふたひねりのドラマが練り込まれている。「勝敗」が逆転する。

2016-01-06 23:02:02
インクエッジ @02Curry

英国かぶれのグロリアーナ、その主将のダージリンは全シリーズただのいちども「白旗を上げない」ライバル(TVでは主将なれど非フラッグ車だったサンダース・ケイやプラウダ・カチューシャが劇場版でついに無残にも敗れ去るのと対称的)で、まぁようするに「無様」をみせない別格さで終始描かれる。

2016-01-06 23:06:10
インクエッジ @02Curry

「白旗を上げない」といっても画で見せないところで敗退はしてる。大会では活躍すら描かれないまま準決勝で黒森峰に敗れたのだ、ということだけが触れられる。「試合のリザルトとしての敗北はしている」というのがまぁ「スポーツvs求道」の相克が本題も本題のこの戦車道ならではの描き方だわな。

2016-01-06 23:10:23
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