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第一線救護の訓練体制

2014年、フランスの軍病院(Hôpital d'Instruction des Armées)の医師達によって、フランス軍における第一線救護の教義とその訓練体制についての論文が発表されました。

リンク www.ncbi.nlm.nih.gov Predeployment training for forward medicalisation in a combat zone: the specific policy of the French Military Health Service. - Injury. 2014 Sep;45(9):1307-11. doi: 10.1016/j.injury.2014.05.037. Epub 2014 Jun 6. Evaluation Studies
眠れる森のパンダ @Panda_51
ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24952973 仏軍では第一線救護(Sauvetage au Combat、SC)を3段階に分けていて、SC1は本人およびバイスタンダー、SC2は衛生兵またはコンバットライフセーバー、 そしてSC3が医師と看護師のペアだそうで…まあ標準的な構成
眠れる森のパンダ @Panda_51
SC1は受傷者本人またはバイスタンダーが、戦闘用ガーゼと止血帯、およびモルヒネの自動投与装置(!?)によって行うと…防衛省の検討会でいう"Care Under Fire"そのままの運用ですね
眠れる森のパンダ @Panda_51
SC2は衛生兵またはコンバットライフセーバーにより、骨髄輸液路確保や胸腔脱気、輪状甲状靭帯切開など、緊急で循環・呼吸状態を脅かす病態のマネジメントを行うと…これも防衛省の検討会でいう"Tactical Field Care"そのままの運用ですね
眠れる森のパンダ @Panda_51
そしてSC3で医官と看護師のペア(physician–nurse pair)が出てきて総合的な病態管理をやるのですが、これは脅威を脱した状況下(hostile remote environment)でやるってことになっておるのですね
眠れる森のパンダ @Panda_51
まあ推し量るならば、「自衛隊の医官は不足しているから、実際には仏軍SC3に相当する階梯までは出ていけないだろう」ということなのかなと…ただ陸自が実際にどういう配分にするかは部外者にはわからないのと、実際の仏軍で充足してるのか検証してないのはちょっと不満なところですね
眠れる森のパンダ @Panda_51
そういや仏軍のSCコンセプトって「標準的」って流しちゃいましたけど、こうやって、端から端までTC3ガイドラインに準拠したかたちで、一般隊員から医官に至るまでの流れを形作るのって、言ってみれば「第一線救護における適確な救命」の一つの到達点ですよね
7.5%食塩水について
眠れる森のパンダ @Panda_51
ちなみに論文には仏軍の個人携行救急品の構成も出てますが、これは軍研の清谷さんの記事とおおむね同内容ですので、そちらをご参照いただければと…と思って軍研の記事見返してたら、清谷先生、「7.5%生理食塩水」という表現をお使いで…医療校閲が入ってないってことですかね
眠れる森のパンダ @Panda_51
7.5%食塩水について、今思いついたんですが、高張液のほうが血管内への水分移動を促進するでしょうし、血管内ボリュームを確保するという観点では等張液より効率的なのかな、と。特に医療資源が限られたプレホスピタルでは有用そうな気がしてきました
眠れる森のパンダ @Panda_51
ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20613481 7.5%食塩水は、生理食塩水の4倍の血漿増量効果を示すと ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21178763 ただ、生存率をアウトカムとすると、有意な差を認めなかったという話もあるようです
モルヒネの自動注射器
|日0☆TK @kyuumaruTK
@Panda_51 インジェクション・・・? 自動注射器程度の意味よね?
眠れる森のパンダ @Panda_51
@kyuumaruTK そうですね、論文についてた写真からすると皮下注ないし筋注する感じかと思います。簡単に使えて場所も取らない舌下錠じゃなくて、そういう複雑なやり方を取ってるのが面白いところです
|日0☆TK @kyuumaruTK
@Panda_51 苦痛の早期軽減を企図してるのかな。
眠れる森のパンダ @Panda_51
@kyuumaruTK 考えられるメリットといえばそれくらいですねえ…麻薬管理対策とも考えにくいですし
仏軍での実運用状況について

第2外人パラシュート連隊で衛生兵をされていた野田力さんからお話を伺いました。

衛生兵:野田力 公式 @NODA_Liki
フランス軍の戦闘衛生で特徴的だと思うことは、 ・兵士一人ひとりに点滴キットが支給されること ・戦闘要員とともに、最前線まで軍医が来ること である。 下の写真は、私の前を歩く看護官の後ろ姿。戦死者が発生した同じ日、同じ村で。 pic.twitter.com/uQzSfzSwrW
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眠れる森のパンダ @Panda_51
@NODA_Liki FF外から失礼します。一昨年、Injury誌に掲載されていた仏軍の第一線救護の教育体制についての論文では、医官・看護官は脅威を受けない後方で活動することにされておりました。実運用上は更に前進して、最前線まで来てくれてるということなんですね…
衛生兵:野田力 公式 @NODA_Liki
@Panda_51 コメントありがとうございます。 軍医も看護官も小銃で武装し、戦闘部隊に混ざり、最前線まで行ってました。 実際に敵弾の下をくぐったり、地中のIEDの上を気づかずに歩いたりしました。 危険を冒してます…。 別の部隊では軍医や看護官が戦死する例もありました。
眠れる森のパンダ @Panda_51
@NODA_Liki お返事頂き有難うございます。最前線で止血帯などを施すSC1、少し下がった所で衛生兵やコンバットライフセーバーが胸腔脱気等を行うSC2、脅威地域外で医官・看護官が本格的治療を行うSC3の3段階があると書いてありましたが、実際はSC3まで最前線でやるんですね…
衛生兵:野田力 公式 @NODA_Liki
@Panda_51 自分が関わった限りでは、最前線の現場で実施されたのはSC2の技術まででした。気管切開は軍医がやりました。 薬剤投与は、弾が確実に飛んでこない地点まで後退してから、軍医と看護官がやってました。 もちろん、必要だったらばSC3を軍医達は現場でやったでしょう。
眠れる森のパンダ @Panda_51
@NODA_Liki 有難うございます。米軍ですと衛生兵でも輪状甲状靭帯切開をやるようですから、てっきり仏軍でもそうなのかと思っておりました。やはりそういう気道確保など緊急性を要する処置のために、当初の計画よりも前進されていたということなんでしょうか
衛生兵:野田力 公式 @NODA_Liki
@Panda_51 「当初の計画」の内容を知りませんので、前進していたのか僕には分かりません。ゴメンなさい。 あと、 気管切開は仏軍衛生兵もやります。僕も訓練を受け、「戦場においてのみ」という条件で実施権限を与えられてました。
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コメント

眠れる森のパンダ @Panda_51 2016年1月30日
せっかくなので、昨日とかのやり取りをまとめてみました。
福虎@大洗に帰りたい @fukutora 2016年1月30日
自動注射器って、本体を体に押し付けると注射してくれたりするのかな?
おーとま @Automatic_T 2016年1月30日
自動注射器。サリン被曝後の応急処置で使うアレっぽいの?
セバスチャン小林(裏) @Dongpo_Jushi_x 2016年1月30日
そもそも清谷氏がまともなこと言ったことが今までありましたっけ?
タツコマはネコ科猛獣に襲われてしまった @TATukoma1987 2016年1月30日
外国人傭兵部隊での経験も生きてるんだろうな。
眠れる森のパンダ @Panda_51 2016年1月30日
Automatic_T 写真が小さくて細部は分からなかったんですが、だいたいそんな感じじゃないかと思います
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