不安やデマとの向き合い方~専門家の情報発信
どんなイベントであれ、大学の公開イベントでデマを垂れ流すのを許すべきではないし、デマには反論するべきだと思います。本来、それは主催者の仕事ですが。その意味で、僕が語った内容には特に反省すべき点はありませんが、語り方については反省するところはあるということです
2016-02-16 02:11:38「自分はこんなふうに健康を害して、被曝影響かと不安に感じている」という話ならデマと呼びませんが、たとえば大学の研究で聞き取り調査をして、「こんな被害を訴える人たちがいます」とだけまとめた報告書を公開するのは危険な話。「被曝影響ではない」というフォローをしないと、大学発のデマになる
2016-02-16 10:51:21先日行われた「被曝を語る」というイベントで起きたことについての「僕の主観でのまとめ」です togetter.com/li/939146
2016-02-17 11:14:32なかなか次が出せなくて申し訳ないのですが、僕たちのシノドス不定期連載では、単に個々の問題について「これこれはデマ」というだけではなく、デマに対する考え方など、広く成り立つ話をしているつもりです。ぜひ読んでみてください
2016-02-18 13:59:01「東京では被曝のために切迫早産や帝王切開が増えた」と語るのは、そもそも言論なのか?酷すぎるデマとしか思えないけどね。大学で行われる一般に公開されたイベントでこういう酷いデマが語られたら、話の途中でも疑問の声をあげるべきじゃないかな。僕はそう思うけどね
2016-02-18 14:06:20デマが語られた時にどうフォローするかは主催者が考えるべきだけれども、あからさまなデマに対して途中で主催者がコメントを挟まなかったことを僕は問題だと思っている。フォローする気があったのかどうかは、ぜひじっくりと伺ってみたい
2016-02-18 14:14:29デマは差別や人権侵害につながるし、時には人を殺すものです。差別や人権問題に敏感なのにデマに寛容な人たちは、デマがまさに差別や人権侵害にもつながることに想像が及んでいないのですよ。想像力の問題です
2016-02-18 14:20:20僕はやはり「広めようとすること」がデマの重要なポイントだと思う。単に間違ったことを言うだけではデマじゃない。ただ、その境目は難しいよ。最初はただ不安を訴えているだけでも、それを事実として広めようとするようになるかもしれない。「寄り添う人」がその背中を押しちゃうこともあると思うんだ
2016-02-18 18:44:07デマには、作る人、広める人、受け入れる人がいると思う。もちろん、作る人は同時に広める人でもあるし、広める人は受け入れる人でもあるわけだけれども。「広める人」が問題なんだよね
2016-02-18 18:56:03「デマの何がいけないか」で微妙にわいわいするという平常運転のTLを眺めておりましたが、デマがなぜまずいかって、やはり受け手の判断を誤らせることで選択権を侵害するというのが大きいと思うんですよ。もちろん、風評被害などそこから連鎖する別の問題もあるので、それだけじゃないですが。
2016-02-19 16:54:39ニセ科学・ニセ医療の類いも同じ構図で、ニセ医療的なものを支持する人が時々「これを選ぶ患者/消費者の選択権を尊重しろ」的なことを言ってきますけど、インチキを有用かのように宣伝する(要するに「騙す」)時点で、それはもう受け手の選択権を著しく侵害してるんですよね。
2016-02-19 16:54:57話がズレましたが、そんなわけで私としてはとにかく情報は正確にしつつ、その上での個々人の選択権は極力尊重すべきだと思ってるわけです。ニセ科学やニセ医療を正当化したい人に言われるまでもなく。
2016-02-19 16:59:46たとえば、いろいろ説明を受けた上で、「それでも放射能は怖い」で海外に出て行った人とかは、問題がその人の周囲で収まってるなら別に批判する気はないのです。巻き添えの家族や友人は気の毒ですが、そこは個人に帰属する問題ですから他人がクチバシを挟むべき所じゃない。
2016-02-19 17:00:10ただ、引っ越した人がいい加減なことをベラベラ喋ったり、自分を正当化する為に危険を強調する情報をバラ撒き出したり、その人を神輿に載せて危険を煽ろうとする連中が出てくるようなら、それはもうその人だけの問題でなく他の人の判断を狂わす「感染源」になってしまうので批判やむなしとなる。
2016-02-19 17:00:23ということで最初に戻りますが、やはり「なぜデマがいけないか」というと、「誤情報で他人の選択権を侵害するから」であり、さらには「デマはデマだからいかんのだ」というこの上なく明快な結論に至るのですよね。特に重大事項については誤情報拡散してる時点で問答無用で殴っていいのではないかと。
2016-02-19 17:00:33「不安を語ること」と「デマを広めること」とは違うものなんだよ。その間は連続につながっているだろうけれども、でも、違うものなんだ。そこだよね
2016-02-19 17:06:46そうそう。不安な人が語る行為はどうしてもうっすらとデマ拡散的な性質を帯びますけど、そこまで封じちゃうと逃げ場が無くなってしまう。不安のはけ口としてカウンセラーやそれに準じた人がいるといいんですが。
2016-02-19 17:13:09でもやっぱり放射能汚染問題でもっとも深刻なのは、「不安」だと思うな。不安は体調に影響するし、不安を抱えて暮らすのはストレスだし、そのために避難を選ぶこともあるし、鬱にもなるだろうし。「不安」が問題なのはわかっているけれども、それをどうしたらいいのかは誰にもわからないよね
2016-02-18 16:42:52「不安」の専門家みたいなのが、もっとたくさん出てきてくれないといけないんじゃないかな。科学者は「単刀直入」「非情」「人非人」だから、不安と向き合うのには向いてない
2016-02-18 16:44:12不安なときに、どんな本に情報を求めるかで、大きく違うだろうな。まずは「知ろうとすること。」を読んでもらうのがいいと思うんだよね。それから僕らの本かなあ
2016-02-18 16:49:05専門家の情報発信について,ヤンデルさん @Dr_yandel が2019年11月1日に書かれたことを追加
いかにして伝えるか,ずっとスタンスは変わってません.
この連ツイは必読 私は正しい医療情報の丁寧な解説も、不正確な情報の否定も、どちらも必要と思う。多彩な情報発信が必要 ただ、批判する際に個人攻撃や罵り合うのが良くない。冷静に誤情報のみ否定して、正確な情報を置く。説得する必要はない。他の人が正確な情報に触れれば十分ではと思っています twitter.com/Dr_yandel/stat…
2019-11-01 07:09:30誰かが言ったことをみんなくり返しているのだろうか、と思うのだが、ここ2年くらいで急に「ツイッターはほかのSNSと違って、間違えた情報が出ると専門家が袋だたきにするから情報の信頼性が高くなる」みたいなことを言う人が増えた。特に専門家自身がこういうことをよく発言する。気持ちはわかる
2019-10-31 07:54:00誰かが言ったことをみんなくり返しているのだろうか、と思うのだが、ここ2年くらいで急に「ツイッターはほかのSNSと違って、間違えた情報が出ると専門家が袋だたきにするから情報の信頼性が高くなる」みたいなことを言う人が増えた。特に専門家自身がこういうことをよく発言する。気持ちはわかる
2019-10-31 07:54:00しかし、自分が専門としていない分野(歴史とか、軍事関係とか)をツイッターで眺めていて、いわゆる不正確な情報がバチボコ叩かれている姿は、素人であるぼくからすると「専門家同士が殴り合っている」ように見える。たぶん叩かれている方が間違いなのだろうが、いじめの構図とも似ているし不安になる
2019-10-31 07:56:46「多くの人にとってやさしい情報を、多くの人が安心して手に入れられるようにすること」を目指すならば、悪いと思った情報を叩くよりも、よいと思った情報を言葉を尽くして拡散するほうが強いのではないかと思う。手間はかかるし、拡散者は(誰かを叩くのに比べると)評価されにくいが……
2019-10-31 08:00:16