『十五少年漂流記』翻訳読み比べ
- yamanami69
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講談社 青い鳥文庫 那須辰造訳: 平易な文章で読みやすいが、突然ブリアンが「ちびさんたち、はいったり」と古めかしい喋りを始めるので驚く。挿絵は子どもらしくて可愛い。
2016-02-18 00:49:55「マレー群島の海賊」など、細かなワードを拾って雰囲気を醸すのが上手い。ゴードンは「しょうちしないぞ!」と言う。ドニファンは「えらそうなことを言ってらあ」と言う。
2016-02-18 00:51:35講談社の『21世紀版 少年少女世界文学館 第19巻 十五少年漂流記』は、この青い鳥文庫と目次が同じである。中身も同じな可能性があるが、確認はしていない。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062835695
この嵐のシーンではゴードンがちびっこ達を叱責するセリフがあるんだけど、そこがめちゃくちゃ荒っぽかったりすると、「ああ、ゴードンがこんな口の利き方を…」と萌えられるので大事なのだ
2016-02-18 00:53:23岩波書店 岩波少年文庫 私市保彦訳: やはり文章が綺麗だ。フォントがカクカクしているのと相まって謎の高級感がある。完訳なだけあって船の専門用語が沢山出ており、注があるとは言え頭がグルグルするのが難点。
2016-02-18 00:56:46ゴードンは「ひどい目にあわすぞ!」と言う。ドニファンは「ご立派な答えだな!」「そんな操縦のやり方じゃ、どうなることか……」と言う。
2016-02-18 00:58:48ポプラ社 世界の名作文庫 大久保昭男訳: 文章が凄く簡素。頑張って短くまとめていますという感じがある。ここの描写を削るくらいなら、他に短縮していい部分があるのでは…と悶々とすること数度。挿絵は可愛い。
2016-02-18 01:03:17新潮社 新潮文庫 波多野完治訳: 文章が固い。今回読んだ中で多分1番固い。波多野氏は本業が学者さんらしいので、そのせいかもしれない。単純に、古いからというのもあるだろう。波多野さん1905年のお生まれなのだ。オリジナルの文章が付け足されていることが多い。
2016-02-18 01:09:39講談社 少年少女講談社文庫 那須辰造訳: 地の文は語り口調に近い。相変わらずシーンの取捨が上手いなあと思う。昭和49年発行のものだが、子ども向けなので難しいことはない。ただ、「黒い見習い水夫」は今なら言えないだろうなあ。
2016-02-18 01:20:59講談社公式サイトに書籍情報なし、絶版か重版未定と思われ
偕成社 偕成社文庫 大友徳明訳: 何度か原文と照らして読んだことがあるが、これが1番原文に近い。翻訳だなあという感じがする。私はとても好きだ。私は。単位は日本式にメートル法に直されている。挿絵が黒っぽくてよく見えないのが残念。
2016-02-18 01:25:38ゴードンは「ぼくがひどい目にあわすぞ!」と言う(すげーな)。ドニファンは「口ではなんとでもいえるけど、君のそんな操縦のしかたじゃあ……」と言う。
2016-02-18 01:27:11新潮社 新潮モダン・クラシックス 椎名誠・渡辺葉共訳: 単語選びなどが小洒落ていて、岩波文庫と並んで綺麗な文だと思う。セリフもうまく現代調になっており、その点では他に優っているかも。専門用語は正確に訳せるよう気をつけたとは訳者の渡辺氏の言。挿絵は版画で、変わった雰囲気。
2016-02-18 01:31:50ゴードンは「さあ船室に入るんだ!」と言う(つまり特に厳しいことは言ってない)。ドニファンは「なんて答えだ!」「それが君の操縦法だっていうのか」と言う。
2016-02-18 01:32:50