『これからのエリック・ホッファーのために』のために

『これからのエリック・ホッファーのために――在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016、https://t.co/HSYFj2e4RK)で扱った研究者16人を復習しました。お買い上げいただき、ありがとうございます(買ってない人はこれから買ってネ!)。
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「ススメ」では久しぶりの更新。「在野研究のススメvol.20.1:『これからのエリック・ホッファーのために』目次紹介」。気になる新刊の目次と40の「在野研究の心得」を一挙公開! en-soph.org/archives/46706…

2016-02-01 18:52:01
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

第一章 働きながら学問する 第二章 寄生しながら学問する 第三章 女性と研究 第四章 自前メディアを立ち上げる 第五章 政治と学問と 第六章 教育を拡げる 第七章 何処であっても、何があっても

2016-02-01 18:53:36
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

主として取り扱った研究者は、三浦つとむ、谷川健一、相沢忠洋、野村隈畔、原田大六、高群逸枝、吉野裕子、大槻憲二、森銑三、平岩米吉、赤松啓介、小阪修平、三沢勝衛、小室直樹、南方熊楠、橋本梧郎の全16名。これ以外にも助っ人として意外なアノ人コノ人が多数登場!

2016-02-01 18:56:05
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

そして、これが本書オリジナルに抽出した「在野研究の心得」全40だ! pic.twitter.com/P3goA2rE7b

2016-02-01 18:58:38
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

『これからのエリック・ホッファーのために』のために01/01。さて、今月末に発売予定の拙著だが、今一度、取り上げた在野研究者達の復習を。第一章は「働きながら学問する」、最初に取り上げたのはガリ版屋の哲学(言語学)者こと、三浦つとむ!en-soph.org/archives/37660…

2016-02-08 10:46:09
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

01/02.『これエリ』は研究者たちをどんな順番に並べたらいいのかを苦心したが、一番悩んだのがやはりトップバッター。悩んだ結果、業績的にも生活的にも反骨精神的にも、一番バランスのとれた三浦に決定。ここが決まると、あとの目次は結構スンナリ決まったかな。

2016-02-08 10:46:54
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

01/03.時枝言語学とか弁証法とか、個人的にも勉強になった一人。「あれかこれか」ではなく「あれもこれも」の思想は、在野研究生活にとっても最も大事なものだと思いました。オア(or)からアンド(and)へ。そして、爆笑ポイントは「立ち読みの達人」!

2016-02-08 10:48:48
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

01/04.そういうわけで、日替わりで研究者を紹介していくヨ。明日は第一章の二番手、谷川健一!(しかし、16人もいるけど、飽きずにちゃんとやり通せるんだろうか…??)

2016-02-08 10:49:26
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

『これからのエリック・ホッファーのために』のために‐02/01.さて、第一章「働きながら学問する」の二人目は、『独学のすすめ』という名著を書いた風来の民俗学者、谷川健一!en-soph.org/archives/36254…

2016-02-09 12:23:32
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

02/02.谷川の人生は、傍から見ると、結構イージーモード(に映る)。東大出てるし、平凡社入社してるし、直木賞候補小説家になってるし、受賞しまくりだし、果ては近畿大の教授になってるし……と、最初は本に入れようか迷ったほど。

2016-02-09 12:24:08
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

02/03.ただ、『独学のすすめ』で示された在野精神を無視してはこの本は片手落ちだろうと思い直し、労働系研究者のナンバーツーへ。大学の正規教授になったのは彼だけなので、多様性の点でもやっぱり入れて良かったかな。河出書房新社の『道の手帖』の特集号なんか参考になりました。

2016-02-09 12:25:28
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

『これからのエリック・ホッファーのために』のために‐03/01.第一章の最後を飾るのは、岩宿遺跡の大発見をなしとげた納豆売りの在野考古学者、相沢忠洋。en-soph.org/archives/38984…

2016-02-10 11:45:57
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

03/02.相沢の読みどころはやはり杉原壮介と芹沢長介という明治大学アカデミシャンの間で繰り広げられえた学者政治闘争だろうか(どうでもいいけど、私も明大出身だよ)。学者ってつくづくメンドクセーな、と思えること請け合い。

2016-02-10 11:47:42
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

03/03.この騒動は藤村真一の旧石器捏造事件の遠因にもなったわけで、在野研究と捏造や剽窃という研究者倫理を問うパートになってくれたと思う(あとの高群逸枝につながる)。このあたりの詳細は上原善広のノンフィクション『石の虚塔』が参考になりました。いい本。

2016-02-10 11:49:35
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

04/01.さて、今日からは第二章「寄生しながら学問する」に突入(タイトル叩くのが面倒になってきた)。最初は、徹底的な労働嫌いの情死哲学者、野村隈畔!en-soph.org/archives/33147…

2016-02-11 11:58:43
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

04/02.隈畔パートは、本書のなかでたぶん読み物として一番面白いんじゃないだろうか。客観的にみるとダメダメなんだけど、どうにも憎めないというか、すごい親しみ深さを感じてしまう(私もわりとニートぎみだしな)。それに、学歴ゼロ農民がベルクソンの本書くなんて、それ自体結構凄い。

2016-02-11 11:59:57
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

04/03.あと、野村隈畔は〈哲学/哲学研究〉の差異にこだわった人でもある。今日だと、中島義道が言ってる、大学の「○○の哲学についての研究」は本当の哲学じゃないんだ的な話。果たして、在野の可能性はアンチ・アカデミズムにあるのだろうか? 乞うご期待。

2016-02-11 12:01:39
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

05/01.さて、第二章「寄生しながら学問する」の二人目は、文化財を自主管理し、超攻撃的な姿勢を崩さなかったケンカ大六こと、考古学者の原田大六!en-soph.org/archives/33789…

2016-02-12 10:36:11
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

05/02.原田は官学アカデミシャンに対する嫌悪を隠さなかった人だが、他方でこれは野村隈畔とも共通しているが、師匠(原田の場合は中山平次郎、隈畔は岸本能武太)へのリスペクトは欠かさなかった。在野だからこそオリジナル師匠は大事。

2016-02-12 10:37:12
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

05/03.また、(これも隈畔のケースと共通しているが)妻イトノの献身がすごい。こんなダメンズによく付き合うよな、と傍からみると思うのだが、夫婦にしか分からない絆があるのかもしれない。結構なことである。そして、この性差の主題は第三章「女性と研究」に続くのだった…。

2016-02-12 10:37:54
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

『これからのエリック・ホッファーのために』のために06/01.今日からは第三章「女性と研究」。その一人目は、森の家の蟄居生活のなかで女性史学を打ち立てた高群逸枝!en-soph.org/archives/42596…

2016-02-13 14:25:18
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

06/02.高群逸枝という研究者の特筆すべき特徴は、高群逸枝後援会の助けで助成金を活用できたという点。うらやましい限りだが、どんなコネが未来につながるか分からないってのは今でも肝に銘じておいていいのでは。勿論、夫・橋本憲三とのウザラブな結婚生活も要チェキ。

2016-02-13 14:26:11
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

06/03.そして、忘れちゃいけないのが、今日における高群学説の捏造疑惑(小保方的な何か)。制度に囚われない在野の自由さは、勝手な放言と常に隣り合わせだ。この問題をどう解決していくか? これが布石となって後の章のメディアやコミュニティの話に繋がっていくという神構成である。

2016-02-13 14:27:24
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

『これからのエリック・ホッファーのために』のために07/01.第三章の二人目は、性のタブーを突破した主婦民俗学者の吉野裕子!en-soph.org/archives/33524…

2016-02-14 06:04:06
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

07/02.高群にしろ吉野にしろ、どっちも大器晩成型の研究者。とりわけ、吉野はアラサーで女子大生、アラフィフで扇研究者、そしてアラ還で博士号取得という、亀の歩みだとしても確実に前進する来歴を辿った。そう、博士号は大学に所属せずとも取得できる(論文博士)。

2016-02-14 06:04:58