親切な赤毛の人

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シャオイー(小伊) @applex002

靴屋、帽子屋、パン屋、カップケーキのお店…様々な店が並ぶ中、水着はどこで買えばいいのだろうと一人首を傾げた。 「適当に歩いていればお洋服屋さん、見つかりますかね?」

2015-08-23 13:57:31
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 「きゃあ!」 周りのお店に気を取られていた少女は眼前の人影に気づかずその背中に思い切りぶつかってしまった。 「あう…、余所見をしていました。すみません」

2015-08-23 19:31:54
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 「…んむ?」 メインストリートにあっても目立つ赤い髪。食材の買い出しにふらついていたのだろうか、手には真っ赤な林檎を一つ持ちその赤玉に齧りついたまま、背後からの衝撃を揺らぐことなく受け止めて振り返った。 いえいえ。そんな意思表示で呑気な笑顔で首を振る。

2015-08-23 19:47:14
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 目を惹く赤髪に深紅の瞳。長身の相手に強い人とぶつかってしまったかも、と元より雪のように白い肌が蒼白に染まる。が、人の良さそうな柔和な雰囲気にすぐにほっと華やいだ。 「……ふふ、お食事の邪魔をしてしまいましたね。ごめんなさい」

2015-08-23 20:05:33
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 白肌の美少女が飛び込んできた幸運に、思わず神様に祈りたくなった。咥えたままだった林檎が手の中に落ちる。へらりと顔が緩み、男は後髪を掻いた。 「いやぁ、全然構いませんよ。林檎を食べ損なう程度の不運で素敵なお嬢さんと知り合いになれる幸運を得られるなら安過ぎる

2015-08-23 20:27:06
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 くらいです。…怪我はありませんでしたか?」 衝撃からその可能性は低いだろうと思いつつも、少女を見下ろし首を傾げた。

2015-08-23 20:27:11
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 「まぁ、」相手の女性を立てるような紳士的な態度に思わずぱちくりとルビーの瞳を瞬かせた。アルビノである少女の天使の羽のような白い髪も、それに合わせた白い洋服にも、怪我どころか汚れひとつない。「ふふ、お上手なんですね。わたしは大丈夫です。あの、あなたは?」

2015-08-23 20:42:47
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 汚れ一つないことに安堵しほっと息を吐く。 「お世辞は言わない主義ですから、すべて本当のことですよ。…僕はアンバーです。あの辺りの…」 そう言って男はそれなりの富裕層が住む辺りを指差し、 「…屋敷で鉱物を売ってる、言わば宝石屋さんですかね。貴方は…?」

2015-08-23 21:00:01
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 相手にも怪我はなかっただろうかという意味で尋ねたのだが、御丁寧に自己紹介をもらい、天然さんかな?と少女は微笑んだ。「宝石屋さんのアンバーさんですね。わたしは…シャオイーです。シャオイー・マーティン」

2015-08-23 21:22:01
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 相手に習って自分も名乗ると、はっとしたように相手を見上げ、それから少し気恥ずかしそうに眉を下げた。「…あの、普段はこんなにぼうっとしてる訳じゃないんですよ。たまたま、目当てのお店がなかなか見つけられなくて……」

2015-08-23 21:22:18
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 「シャオイーさんですか、」 未だへらへらと呑気に笑んでいる男は自らの早とちりに気づく気配すらない。この偶然の出会いに喜び舞い上がっているらしい。 「ふうん?目当てのお店って?」 この時間の延長を願えそうな言葉に目敏く食いつきを見せた。人の流れから守るために

2015-08-23 21:57:58
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 失礼に当たらない程度にそっと少女の背に手を置き道端へとエスコートした。

2015-08-23 21:58:05
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 自然な動作で背を押されればなんの疑問のなく促されるままに道の端に場所を移した。 「はい、わたしお洋服屋さんを探していたんですけど……欲しいものを置いてあるお店がなかなか見つけられなくて困っていたんです」

2015-08-23 22:29:03
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 「お店をお探しだったんですね。差し支えなければ教えて頂いても良いでしょうか?案内出来るかもしれませんし。」 移動が終わってもさり気なく背を抱いたまま離れはしなかった。場所は人で混み合う日中のメインストリート。守っているとも取れなくない位置どりで話を続ける。

2015-08-23 22:58:52
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 「わぁ、本当ですか?」一人で探していては余計に時間がかかってしまうことは容易に想像ができた。この付近に住んでいる相手が案内してくれるならなんとも心強い。少女は素直に喜んだ。「あの、特定のお店ではないのですが、水着を置いているお店を探しているんです」

2015-08-23 23:15:11
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 水着。反射的に下がりそうになる視線を必死に顔に縫い止めた。出会って数分で関係の悪化を図る必要性はどこにもない。だが、いつの間にか手から林檎が落ちていて、それを拾うためなら仕方がない。ゆっくり林檎へ落ちる視線は、その途中で確実に真白い少女を撫でた。

2015-08-23 23:56:28
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 汚れを落とした林檎を紙袋へ放り込み、少女へ向かいにっこり微笑む。 「…水着ですね。それならいくつか心当たりがありますよ。今からすぐ向かいますか?」

2015-08-23 23:56:31
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 「あっ、」相手の手から零れ落ちた林檎。拾おうと身をかがめるよりも先に相手が自分で拾って仕舞えば少女は立ちすくむ他にできることがなかった。

2015-08-24 00:17:40
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal さして気にした様子のない相手に笑顔を向けられるとこ少女もにこりと 花のような笑みを返す。 「良いんですか?今からだと嬉しいのですが…アンバーさんのご予定は大丈夫でしょうか?」

2015-08-24 00:17:55
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 「僕はほら、」 小脇に抱えられた紙袋にはフランスパンを始め、雑多な食料が詰め込まれていた。 「この通り必要な買い物は終えていますから。それに丁度散歩でもして帰ろうと思っていたところでして。」 だから全く負担ではないと示すよう微笑みを深めた。

2015-08-24 00:33:13
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 「まぁ!ではお言葉に甘えてしまっても良いですか?よろしくお願いしますね、アンバーさん!」なんともないことのように言う優しい相手に申し訳なさよりも嬉しさが勝っていた。少女はふわりと花開くように微笑んで頭を下げた。

2015-08-24 20:06:37
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 「勿論です。…では行きましょうか、シャオイーさん。」 ここまで無防備に笑顔を向けられると言うのもあまりない経験だ。照れたように後髪を掻くもすぐに手を差し出した。辺りは活気良い呼び込みの声やそんな店々を覗く人で賑わっている。逸れないようにとの心遣いかもしれない

2015-08-24 20:30:26
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 「…はい。あの、わたしのことはどうかシャオとお呼びくださいね」差し出された手に繊細な少女の手が重ねられた。

2015-08-24 21:10:58
シャオイー(小伊) @applex002

@amberxcopal 「ふふ、それにしてもアンバーさんってこの辺りに詳しいんですね。女性用の水着を売っている店と聞いて、すぐにいくつも心当たりがあるなんて!」少女は心から思っていることを口にしただけである。

2015-08-24 21:11:13
鉱物商 @amberxcopal

@applex002 「……あ。…ああ!僕の主人が女性でして、良く買いに行かされるものですから。」 女性ものを売る店をぽんぽん思いつくのは普通は違和感を覚えるものかと若干焦りを滲ませるも、少女の様子を見れば少し安堵して。言い訳のような言葉を連ねた。足は迷うことなく何処かへ向かう

2015-08-24 21:44:07
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