真・マグロ ~地球最後の日~ #3

歴戦のオッサン元帥って王道ポジションはやっぱり欠かせないと思うの
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劉度 @arther456

【真・マグロ ~地球最後の日~】#3

2016-03-16 21:01:14
劉度 @arther456

(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss をお使いいただけると大変ありがたいです。忙しい方はtogetterまとめ版をどうぞ。それでは暫くの間、お付き合い下さい)

2016-03-16 21:02:10
劉度 @arther456

(本日の投下は予約投稿を使用しております。途中で誤字やツイートの抜けがあったとしても直せませんので、ご了承下さい。また、投稿システムの変更に伴い、通し番号がなくなります。人力で振ってもいいんですけど、けっこう大変なんで……)

2016-03-16 21:03:04
劉度 @arther456

ピィーッ!甲板上に、鋭い笛の音が響く。「せいれーつ!」提督の掛け声で、6人の飛行場姫が横一列に並んだ。「はい、これからボール投げの大会を始めます!」「いえーい」「ウィーピピー」「一位の子にはドイツ産のお芋一箱です!」「イエェーイ!」「ヴェアアアア!!」飛行場姫たちが騒ぎまくる。

2016-03-16 21:06:14
劉度 @arther456

「はい先生」「提督です!何ですか、チョロ姫ちゃん」「二位以下は何かもらえますか」「もちろんあります!」「おー」「太っ腹ー」「上から順にバームクーヘン、鮭おにぎり、バナナ、ちくわ、チロルです」「誰だ今の」そうこうしているうちに、向こうの空から攻撃機の大編隊が飛んできた。

2016-03-16 21:09:06
劉度 @arther456

「ルールは簡単、あの飛行機をどれだけ多く落とせるか!飛行機が無くなるまで続きます!」提督の話を聞き、飛行場姫たちは自分の戦闘機を取り出した。「それでは、よーい……はじめーっ!」掛け声とともに、飛行場姫たちは一斉に戦闘機を投擲!大量の戦闘機群が洋上に展開する!

2016-03-16 21:12:04
劉度 @arther456

「……よし!」「提督、これは何の茶番ですか?」満足そうに空を見上げる提督に対し、不知火の反応は冷ややかだ。「いや、ノリと勢いがあれば協力してくれるかなと思って」「さっぱり分かりません」「うん、私も分からない」飛行場姫の放った戦闘機が、群がる爆撃機を次々と撃ち落としていく。

2016-03-16 21:15:04
劉度 @arther456

「ホラニア元帥!そっちの状況は!?」CICに戻りながら、提督は無線機に呼びかけた。《対空レーザーの電力を主砲に回した!いけるぞ!》「時間は!?」《初撃まで20分!》「……分かりました!予備隊も投入して、戦線を維持します!」提督は不知火の方を振り返る。

2016-03-16 21:18:04
劉度 @arther456

「問題ありません。いつでも準備はできています」彼女の表情は頼もしい。「不知火。伊勢、大鳳、五十鈴、古鷹、舞風を連れて出撃!」「承りました。すいらいせんたん、出撃します!」「……噛んだ?」「何か落ち度でも?」「アッハイ、落ち度ないです」「出撃します」不知火は甲板へと上がった。

2016-03-16 21:21:06
劉度 @arther456

提督の命令で、他の艦娘たちも艤装をつけて甲板に上がってくる。いずれも歴戦の古強者たちだ。「我々はこれから、北東の敵部隊を攻撃します」リフトで海面に下降しながら、不知火はメンバーに作戦を伝える。「最も戦力があり、防衛戦を突破しかねない海洋生物部隊です」

2016-03-16 21:24:01
劉度 @arther456

「じゃあ、私は航空戦に集中するわね」「なら対潜は任せてちょうだい」大鳳と五十鈴がすぐに役割を買って出た。艦娘たちは海面に降り立ち、ためらうことなく北東へ進む。遠くの海面に、低空飛行するペンギンの一軍が見えた。「敵影確認。大鳳さん、お願いします」「任せて!」

2016-03-16 21:27:02
劉度 @arther456

大鳳のボウガンから式神が射出され、航空力士となって空を翔ける。先頭の横綱航空力士が、ペンギン航空隊と衝突、がっぷり四つの体勢から上手投げを仕掛け、海面に叩きつける!「アバーッ!」「艦娘だ!」「応戦しろ!」提げた7.7mm機銃を手にし、ペンギンたちが力士に航空戦を挑む!

2016-03-16 21:30:08
劉度 @arther456

「カンパンは」「丸見えよ!」「ゴボーッ!?」海中から奇襲しようとしたカノンマグロが、五十鈴の爆雷により爆発四散!対潜攻撃のスペシャリストである彼女にとって、海中の様子は目で見るよりもはっきり分かる。敵の密集地点に的確に爆雷を投げ込み、次々とネギトロを量産していく。

2016-03-16 21:33:03
劉度 @arther456

「崩れた。今です、総員吶喊!」不知火を先駆けに、伊勢、古鷹、舞風が敵陣に斬りこんだ。刃が煌めき、装甲が砲弾を弾き返し、高角砲が敵を撃ち落とし、主砲が火を噴く。その中で不意に、不知火は頭上からの圧力が薄くなるのを感じた。敵の攻撃機が撤退していく。

2016-03-16 21:36:02
劉度 @arther456

《全艦に告ぐ!》提督の声。《龍驤と隼鷹が、敵の陸上型深海棲艦の無力化に成功した!今がチャンスだ、押し返せ!》提督に言われずとも、艦娘たちは動いていた。制空権を奪いとった日独連合艦隊は、喉元まで迫った深海棲艦とマグロたちを渾身の力で押し返した。

2016-03-16 21:39:01
劉度 @arther456

「十分だ」進撃の止まった敵部隊を見て、ホラニアは戦局から目を放した。睨み据えるのはただ一点、機動要塞オートロ島。「エネルギー充填120%!」「レーザー砲、準備完了しました!」「総員、対閃光防御!」クルーの面々は懐からサングラスを取り出す。そうでなければ目が焼け付いてしまう。

2016-03-16 21:42:06
劉度 @arther456

《元帥!あと10分、いや5分だけ待ってくれませんか!?》『蔵王』からの通信。「どうした」《本艦の艦娘が2名、オートロ島から離脱中です!》「何をしているんだ!」《ほっぽちゃんを連れて逃げてます!》「……5分しか待たんぞ!」《感謝します!》「5分後に砲撃を行う!衝撃に備えろ!」

2016-03-16 21:45:02
劉度 @arther456

「魚群接近!回避できません!」オペレーターが言い終わる間もなく、グロース・シュトラールの巨体が、ズン、と揺れた。「被害知らせ!」「船尾に被弾!右舷損傷!」「敵歩行兵器に侵入されました!」モニターには、主砲に近づくマグロ用二足歩行パワードスーツ、マグロヤブが映っていた。

2016-03-16 21:48:05
劉度 @arther456

「まずいっ!奴を主砲に近づかせるな!」ホラニアが命じなくとも、兵士たちがマグロヤブを攻撃する。しかし小銃程度でマグロヤブの進撃を止めることはできない。被害を顧みず、ホラニアが主砲の発射を命じようとした時、装甲魚類の前に白い人影が躍り出た。飛行場姫だ。

2016-03-16 21:51:02
劉度 @arther456

マグロヤブは躊躇せず、飛行場姫の頭にドリルを振り下ろす!けたたましい金属音が響く!「ゴボ……ッ!?」強化ガラス越しに飛行場姫を見たパイロットの瞳が、マグロめいて見開かれた。ドリルが止められている。飛行場姫が握るただの木製バットによって。

2016-03-16 21:54:04
劉度 @arther456

「ミート打法!」「ゴボーッ!?」飛行場姫がバットを振りぬいた。マグロヤブの巨体が冗談のように空を飛び、放物線を描いて彼方の海に落ち、爆発四散した。その間に飛行場姫はバットを置き、甲板を適当に走って一周した後、また戻ってバットを構えた。飛行場姫は呼吸を整えボードを眺める。

2016-03-16 21:57:02
劉度 @arther456

「長い戦いとなろう。スリーアウトで敗北。さりとて出塁もまた敗北。許されるのは本塁打のみだ。それによって」《ホラニアのオッサン、待たせたねえ!こちら隼鷹!安全圏まで逃げ切ったよ!》《よし、主砲発射するぞ!》「言わせて……」えぐえぐ言いながら、飛行場姫は主砲の前からどいた。

2016-03-16 22:00:16
劉度 @arther456

「進路、仰角固定!」「目標、オートロ島!」鋼鉄の島は、敵を近づけさせまいと、剣山のように並んだ大砲を乱射している。だが、グロース・シュトラールの装甲を貫くには至らない。「主砲……撃てえーっ!」ホラニアの号令で、グロース・シュトラールのレーザー主砲がエネルギーを解放した。

2016-03-16 22:03:06
劉度 @arther456

レーザーは空気をプラズマ化させながら、何者にも遮られることなく、オートロ島に命中した。重厚な装甲は一瞬にして溶かされ、島の中心に大穴が空いた。莫大な量の海水が、穴から島の中へと流れこむ。続いて爆発。島内各所の砲塔の弾薬が引火したのだ。次々と火柱が吹き上がる。

2016-03-16 22:06:15