彼のトリセツ

はち公。 @funkastic_8er

51 「うん！大倉さんは？」 『今からゼミ。 もー、最悪ー』 うへぇって舌を出す仕草 年上なのに かわいいなぁ･･･ ♪♪ と、和んでる間に 彼のスマホが鳴って 『あーもしもし どないしたーん？』 ･･･甘い声 声の感じで 相手が女だと分かる #彼のトリセツ

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52 『ん？今夜？ご飯作ってくれんの？』 なるほど 相手はご飯作ってくれる女か 『まじで♡どーしよ･･･』 そう言いつつ チラッとこっちを見る彼 私の反応･･･待ってる？ なら、受けてたとうじゃない 「今夜コロッケ！ナポリタン！ スープも付ける！」 #彼のトリセツ

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53 すると嬉しそうに笑って 『ごめーん♡ 嬉しいけど予定あんねん！ また今度なぁ♡』 って電話を切った ────おぉ なんかやってやった感 ごめんなさい 電話の人 でもね･･･私も必死なんだ この人と繋がるために 少しでもこの目に映れるように #彼のトリセツ

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54 『よっしゃ。 んまい夕飯待ってるから ゼミ頑張ってくるー！』 「はい。頑張って下さいwww」 『終わったら直行するな？』 「直行も何も･･･お隣でしょ？」 『確かにwww』 あ･･･なんか急にドキドキしてきた。 私結構、大胆なのかな？ #彼のトリセツ

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55 『じゃーまたあとで。 愛情こめこめ美味しいの作ってな♡』 言い残して去っていく後ろ姿に 「･･･胃袋掴んで 惚れさせてやる！！」 静かに挑戦状叩きつけたり ────この感情が恋なら 突っぱしるのみ！ #彼のトリセツ pic.twitter.com/gYjCZKrsh7

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56 大学帰り、材料を買い込んで 「よし！やるぞ！！」 お料理開始！ 狭いキッチンと コタツをフルに使って作業作業 「ゼミ･･･何時までかな？ 来るの･･･18時過ぎとかかな？」 余裕かましてのんびりやってたら ────ピンポーーン #彼のトリセツ

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57 「え？」 まさか。いやまさか。 そりゃ買出しに 思いの外時間かかったけど ────ガチャ 『やっほー♡』 「はや！！！」 『そう？ゼミ終わって ダッシュしたらこんなもん♡』 ･･･ダッシュしたんすか？ へーぇ･･･ #彼のトリセツ

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58 『お、じゃがいものにおーい♡』 「今から潰すとこ･･･」 『じゃあ俺やる！ おもろそうやん♡』 そう言うと腕まくりしてコタツに座り ボウルのじゃがいもを潰し出す ────5分後 『腕いたーい！だるーい！ 疲れたーーーー』 「はぁ！？」 #彼のトリセツ

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59 ボウルをコタツに置くと ゴロンと寝転がって 『疲れたーーーー』 「･･･もぉ！何もしなくていいから しばらく黙ってなさい！」 『へーーーい♡』 ラッキーとばかりに笑って 「もぉ！」 こんな自由人！ 好きなの辞めようかな！！ なんて思いつつ #彼のトリセツ

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60 手だけは必死にお料理お料理･･･ パスタ茹でてる間に コロッケ丸めて ナポリタン作ってる間に 油あっためて 揚げてる間にスープ･･･ 「我ながら効率的♡」 って彼にドヤ顔見せようと思ったら 「･･･はい？」 スースーと 穏やかな寝息 #彼のトリセツ

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61 ────寝た！？ 確かに黙れと言ったけど まさか寝るとは･･･ 「あのー･･･出来ましたよ？」 声をかけても無反応 静かに近づいて 顔を覗くと 口半開きで 無防備な彼 「やっば･･･」 かわいいんですけど！？ 触りたい！！！ #彼のトリセツ

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62 ゆっくり手を伸ばして 頬に触れる それからゆっくり 唇をなぞって･･･ ────パク 「へ！？」 『ん･･･』 完全に指が 彼の口の中という事態 「ふわぁ///」 『あ･･･食べ物かと思った。 条件反射やなwww』 目を擦って起き上がる彼 #彼のトリセツ

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63 『んー♡ええ匂い♡できたん？』 「は！はい！！」 平然と動き出す彼に対して 硬直したままの私 だって･･･私今･･･ 指舐められたよね！？(滝汗) 『食べよー食べよー♡ 早よしてー！』 「あぃっ！」 もうパニックですけど！！！ #彼のトリセツ

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64 なんとか冷静を装って 盛り付けする そんな後ろ姿を見て 『･･･動揺しすぎwww ほんま･･･かわいいなぁ』 大倉さんが お腹抱えて笑ってるとは 気づかないほど私は 必死だった #彼のトリセツ pic.twitter.com/GCfFzGGH7w

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65 不思議なもので どれだけ時間をかけて用意しても 料理が無くなるのは一瞬･･･ 『ぷはぁ♡食ったー♡』 缶ビールも2本空けた彼は とことん御機嫌 「･･･すっごい食べたね。 お腹痛くなりそ･･･」 『大丈夫大丈夫♡ 旨いものは俺を裏切らへん♡』 #彼のトリセツ

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66 おいおい･･･なんだよ お酒入るとなんか かわいさ増してませんか？ 『食べたら眠なるなぁ～ はぁ～今日ここで寝てこかなぁ～』 「ええええ！？」 『だってコタツ久々♡ 俺んちないもーん♡』 「いやいやいや」 私を興奮死させるきかぁぁ！？ #彼のトリセツ

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67 もう･･･クラクラしそう！ って思いつつ たまに気になる 『お腹いっぱいって幸せやなぁ♡』 なんでだろ 「･･･嘘だぁ」 可愛くない台詞ばかり浮かぶ 『んー？どの辺に嘘あった？』 頬杖ついて 覗き込むように 聞いてくる 『言うてみ？』 #彼のトリセツ

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68 そう言われると 言い返したくなるのが 素直過ぎる私のダメなとこで 「･･･幸せなの？大倉さんは」 貴方を知れば知るほど 貴方の満たされなさが気になる 『幸せやで？ 旨いもの食べれるし、 女の子には優しくしてもらえてる♡』 そうだけど たまに思う #彼のトリセツ

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69 「でも大倉さん･･･ 楽しくない時も笑ってるよね」 たまに見かける大学の構内で 仲間と笑ってる大倉さんは たまになんかつまらなそう 「そうなると大倉さんの笑顔は なんか信用出来ない。 辛い、苦しいも･･･誤魔化してそう」 私はほんとの貴方を知りたい #彼のトリセツ

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70 すると･･･くくって 堪えて笑う声がした 『茜ちゃん･･･なんか ロマンチックやなぁwww 俺、そんな小難しい男ちゃうで？』 「え･･･でも」 『おもろないのに笑うほど お人好しちゃうもん、俺』 「でも！」 反論しようとしたら 体が竦んだ #彼のトリセツ

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71 だって 顔を上げた彼の目が すごく･･･冷たく感じたから 『お前･･･俺の何を知ってるん？』 「･･･知らないけど これから知りたいっ」 『･･･知ってどーすんの？』 「･･･辛いなら、助けたい」 恐る恐る言った言葉を 彼はまた笑い飛ばして #彼のトリセツ

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72 『お前に？俺が救えるん？ なら･･･救ってや。今すぐ･･･』 「え」 気づくと彼の顔が近づいてきて あっという間に唇が奪われる そして･･･ 躊躇う間もなく舌が滑り込んで 「んっ･･･ふ」 逃げようとしても 押さえ込まれて #彼のトリセツ

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73 「やだっ･･･」 なんとか離れて 両手で口を覆う その様子を見て 1度だけ鼻で笑って 彼が立ち上がった 『何が救いたいやねん･･･ 俺を救えるやつなんか誰もおらへん』 呟き向ける背中が どんなに酷くされても やっぱり寂しそうに見える #彼のトリセツ

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74 「待って･･･」 かける言葉も術もないのに 思わず引き止める だけど彼は背を向けたまま 『看病のお礼、ごちそーさま。 十分美味しかったです。』 ･･･何それ 録音された音声みたい 『お礼ついでに いいこと教えたるわ、茜ちゃん』 #彼のトリセツ

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75 『人の心情、土足で踏み込む お節介な女は嫌われるで？ 好きな人には･･･せんときや？』 言い放って チラッと視線だけこっちに落として 彼は 出ていった 「何それ･･･」 土足で？ 私が？ 「だったら･･･仲良くしないでよ」 いっそ突き放して #彼のトリセツ