YOTA STORY

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ぴよこ @anokazenikike

大好きな男の子が居ました。幼馴染の、同い年の彼でした。小さな頃からずっと仲が良くて、奇跡みたいに縁は途切れたりしなくて、二人想い合うことに疑いなんて微塵もなくて、きっとこのまま大きくなって、結婚して…なんて、ばかみたいに信じてました。信じてました。

2016-03-31 00:30:31
ぴよこ @anokazenikike

そうやって、お互い。××歳になったらえっちしようねって、決めていて。わたしの誕生日。彼の待つおうちへ出かける途中でわたしは…暴漢に、襲われました。

2016-03-31 00:30:47
ぴよこ @anokazenikike

違う、ちが、違う、ぜったい、絶対に、こんなの違う、わたしじゃない、こんなのちが、わたしじゃ、違、嘘、

2016-03-31 00:31:06
ぴよこ @anokazenikike

全てが終わり、暴漢たちがわたしを打ち捨てて何処かへ逃げ去った頃。のろくさく身を起こしたわたしは、白痴のように譫言を繰り返し。繰り返し、現実を否定するしかなくて。

2016-03-31 00:31:16
ぴよこ @anokazenikike

どこをどう歩いたのか、全く覚えていないのですが。気がついた時には、強烈に光るライト。

2016-03-31 00:31:25
ぴよこ @anokazenikike

次に目を覚ましたわたしは、自室のベッドへ横たわっていました。失意のまま、ごろごろと起き上がれずにいたわたしを、母が呼ぶ声。「あんた、今日◯◯君とデートなんじゃなかったの?いつまで寝てるの」…えっ?

2016-03-31 00:31:34
ぴよこ @anokazenikike

スマホの画面が指し示す日時。それは、誕生日当日の朝。そのままそれを信じるのであれば、わたしは…時間を、いやいや。そんな馬鹿な。 しかしその後、世界規模でわたしが時間跳躍していることを示す証拠ばかりが矢継ぎ早に提示されては、信じざるを得ません。

2016-03-31 00:31:50
ぴよこ @anokazenikike

わたしは最悪の処女喪失から全然メンタルも回復していないまま、暴漢たちへどれだけまかり間違っても会わないルートで彼の自宅へ赴き…正直、この後初えっちというのもなかなか辛いものがあると考えながら。

2016-03-31 00:32:02
ぴよこ @anokazenikike

でも彼はとても優しく、わたしにとって100点満点の彼です。前々からの約束だからって、多少日延べしたところで怒るような人ではありません。わたしは降って湧いたこの幸運を噛み締めながら、彼の待つおうちへ。

2016-03-31 00:32:11
ぴよこ @anokazenikike

そして、わたしはまたレイプされます。 …………は?

2016-03-31 00:32:23
ぴよこ @anokazenikike

いや、は?としか言えないじゃないですか。なんでそうなるんですか。しかも今度はサイコパスのストーカーに誘拐されてですよ。意味がわかりません。いつから日本はそんなデンジャーゾーンになったんですか。帰らせてください。わたしを純粋無垢な乙女マインドだった頃へ帰らせてください。

2016-03-31 00:32:33
ぴよこ @anokazenikike

ともあれその時は勿論そんな呑気にしてられませんし、強姦を喜ぶ性癖など持ちあわせていないのでとっても最悪な経験をしましたし、それに見合った女性の振る舞いをしたと思います。たぶん。例によってよく覚えてはいません。

2016-03-31 00:32:43
ぴよこ @anokazenikike

その後、ヨレヨレになったわたしがありえないありえない信じられないと現実を否定する文言を繰り返していたのが最後の記憶。それから、……それから、わたしはまた誕生日当日の朝を迎えます。

2016-03-31 00:32:52
ぴよこ @anokazenikike

推察するに。わたしにタイムリープ能力が芽生えたのと同時。今日わたしが強姦によって処女を失うことは運命的ななにかで決定づけられているというか、時間そのものの修正力が働いているというか、そんな感じっぽいのです。

2016-03-31 00:33:07
ぴよこ @anokazenikike

絶対に幸せな処女喪失などさせないという強い意志を感じます。なんだそれ。殺すぞ。 秘密結社に攫われ、宇宙人に攫われ、異能バトルに巻き込まれ、触手生物に襲われ、いやいい加減にして。ほんと。マジで。

2016-03-31 00:33:20
ぴよこ @anokazenikike

繰り返すうちに、甘やかな処女喪失を夢見ていた最初の心持ちは、既に遠く彼方へと消え去り。わたしはただ意地と反抗心のみで、身体だけはせめて綺麗なまま「彼」に会ってやるんだと、時間の袋小路へ挑み続けたのでした。

2016-03-31 00:33:24
わかるbot @I_know_bot

待て。君は「わかってほしい」と言うが、その実求めているのは「理解」ではなく「共感」ではないのか?わかる構えのない相手に「わからせる」というのは「共感させる」ではなく「理解させる」ということ。それは君の求める「わかり」か?わかるか?わかるって言えるか?君は本当に、わかっているのか?

2016-03-31 18:00:32
わかるbot @I_know_bot

なあ、わかるだろ、俺だって本当はこんな事したくはないんだよ、でもお前の為に仕方なくやってるんだよ、わかるよな、ああそうだ元々はお前が悪いんだよ、罰だ、そうこれは罰なんだよ、お前を殴らなきゃいけない俺の方が辛いんだよ、だから泣くなよ、こっち見ろよ、わかるよな、わかるって言えよ!!!

2016-03-31 19:00:41

ぴよこ @anokazenikike

【シナリオハンドアウト】

2016-04-09 21:06:07
ぴよこ @anokazenikike

・PC1【姉の影】  君は良家のお嬢様として育てられてきた。様々な高等教育を施され、期待に応えるだけの結果を着実に出してきている。そんな君には姉が一人おり、周囲から天賦の才人と思われてきた君の努力は、その実全てが姉に褒められる為だけにしてきたものだ。

2016-04-09 21:06:27
ぴよこ @anokazenikike

才として秀でたものはなく、凡庸で、両親からよく妹の君と比較して怠慢を怒られながら飄々と躱していた姉は、人をその気にさせることにかけて言えば素晴らしく優れていた。少なくとも、妹の君にとっては。彼女に優しく微笑んで、抱きしめて、笑いかけてもらう為になら、どんな高いハードルも挑むこと

2016-04-09 21:06:46
ぴよこ @anokazenikike

ができた。そうして何の不満もなく日々を過ごしていた君は、ある切欠から姉に対し「実は姉は自分などより余程優秀な天才で、期待を逸らす風除けとして自分を育てていただけなのではないか」と疑念を抱くように。勿論、信じたくなどなかったが、膨れ上がる不安を跳ね除ける為、君は動き出す。

2016-04-09 21:07:03
ぴよこ @anokazenikike

・PC2【園芸用妹】  君は都会に暮らす年嵩のOLだ。あくせく働き過ぎていくだけの日々に潤いはなく、仕事は堅実に勤勉でも浮いた話はないし交友も狭い。自他共に認める「ぱっとしない賞味期限切れ間近の女」である君は、誰にも言えない密かな楽しみがあった。

2016-04-09 21:07:26