#お好み焼き屋浜風 まとめ７　時津風編＆ダイソン姉妹編【艦これSS】

紅吏珠名 @chrishna_c2

「コレガ　江田島ノ戦利品ダ」 「あ、それは秋雲が描いた本」 「ヤハリ　オ前ノ　姉妹艦カ　面影ガ　似テルト思ッタラ　ソコデ物ハ頼ミダガ」 「はい？　サインですか？　ええ、今度書いておくように頼んでおきましょう」 「助カル　集積地ノヤツガ　欲シガッテタ」 #お好み焼き屋浜風

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同人と言いましたか。みなさん並はずれた感性と胆力をお持ちみたいですね。 「あちらに参加されているみなさん、とても平和していますね」 「ソウ　平和ガ一番ダ」 ……。まさか深海棲艦から、そのセリフを聞ける日がやってくるとは思いませんでした。 #お好み焼き屋浜風

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「艦娘ヨ　知ッテルカ？　イイコトヲ　教エテヤル」 「はい、なんでしょう？」 ヲ級さんの問いかけに頷いた私を見てとったダイソンさん達二人が、ハモるように言葉を続けます。 「深海棲艦ニハ　軍法会議モ　兵学校モナイ」 「懲罰モ　試験モ　ナンニモナイ」 #お好み焼き屋浜風

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「ソウダ艦娘　深海ノ仲間ニ　ナラナイカ？　私ガ　口利キシテヤル」 いえ、それは全力で遠慮しておきます。 #お好み焼き屋浜風

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「ソウイエバ　ソノアト　港街デ食ベタ　カレーガ　絶品ダッタワネ」 「ソウネ　ドコカ　ホットスル味ダッタ」 「人間ドモハ　アンナ　ゴ馳走ヲ　毎日　食ベテイルノネ」 「ウラヤマシイワ」 いえ、あのカレーを毎日のように食べてる人はそんなにいませんが。 #お好み焼き屋浜風

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隊でカレーを食べるのは、脚気を予防する意味と、任務の性質上、隊員さん達が洋上にいることが多く、体内時計が狂わないよう曜日感覚を保つため、と言われていますね。 #お好み焼き屋浜風

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ご飯が美味しくできているのは、過酷な訓練や任務の中にあって将兵の士気を最大限に保つため。 時津風の言葉を借りれば、美味しいことは正義だから。 そんな、いたって人間的で自然な理由なんです。 #お好み焼き屋浜風

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「人間ドモモ　ナカナカ　ヤルモノネ」 「ソウネ　姉サン」 「あら、お二人は姉妹同士だったんですね」 「エエ　ソウヨ」 「仲良シ　コヨシヨ」 姉妹は仲良しなのが一番です。先日は大ゲンカに発展して谷風に怒られてしまいましたけれど。そうですよね浦風姉さん？ #お好み焼き屋浜風

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「ほけー……」 あ、浦風姉さんがすっかり放心しています。 まぁ無理もありません。 ただ、お客さんが深海棲艦だからと言って、あからさまに対応の仕方を変えるのは接客業に携わる者としてどうかと思うんです。 #お好み焼き屋浜風

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「艦娘　彼女タチガ　コウナッタ理由ヲ　知リタイカ？」 いえ。特に知りたくは。 「――ソウカ　ソンナニ知リタケレバ　教エテヤロウ」 訊いてないことを滔々と語りはじめるヲ級さんでした。 #お好み焼き屋浜風

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「戦艦棲姫ハ　トモニ　スリガオ海峡生マレ」 ？？　言っている意味が分かりませんでした。 「人間ガ　生マレテクル親ヲ　選ベナイ　ツマリ　ソウイウコトダ」 具体的にどういうことか問い質そうとすると、 「話ハ　ココマデダ」 それっきり話を打ち切られてしまいました。 #お好み焼き屋浜風

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すっかり話しこんでしまいました。 ふと時計を見上げると、お昼のかき入れ時になっていました。 いけない、もうそんな時間だったんですね。 「ぶ、あ、うう……」 浦風姉さんが布団に寝こんで魘されている様子なので、私一人ではお店を回しきれないかも。どうしましょう。 #お好み焼き屋浜風

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「ササヤカナ返礼ダ　特別ニオ好ミ焼キヲ　披露シテヤル」 「そのお気持ちは嬉しいですが、お好み焼きを素人の方が調理するのは」 「問題ナイ　私ノ腕ノ見セ所」 そこまで仰るならと、ヲ級さんが手早く焼き上げたお好み焼きを試食してみることにします。 「これは……！」 #お好み焼き屋浜風

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彼女が焼き上げたのは、あの時の谷風焼きそのもの――それは以前、谷風が適当に材料を放り込んで、適当な調理工程で焼き上げたもの。 そんな言語道断な調理法でありながら、味の方はかの料理評論家すかじ先生をして奇跡の一枚と言わしめた、谷風オリジナルの味そのものでした。 #お好み焼き屋浜風

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「……どうやって、この味を？」 まさか谷風の肉を食べて能力を吸収したわけでもないでしょうし。いったいどうやって。 「コノ間　一度食ベテ　ソレデ覚エタ」 ……まさか、この間谷風が気まぐれに作った試作品の味を一度食べただけで、ここまで再現したというんですか。 #お好み焼き屋浜風

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「コウ見エテモ　記憶力ハ　自信アル」 そうなんですね。それは得難い才能だと思います。 「イヤ待テ？　ソモソモ　記憶トハイッタイ？」 ……大丈夫ですかねこの人。 #お好み焼き屋浜風

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「ともあれ。これほどの腕前なら、問題なくお昼時もお店を回せそうですね」 ヲ級さんの腕は本当に見事なもので、店長の私がなにも手を出さなくていいくらい、手早くテキパキと調理場を回していました。 #お好み焼き屋浜風

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こうして忙しいお昼のかき入れ時、お客さんたちも捌けていき、お店がだいぶ落ち着いた頃。 「本当に助かりました。ありがとうございます」 「マタ来ル　首ヲ洗ッテ待ッテイロ」 そうしていつも通りの、ヲ級さんの別れ際の挨拶でした。 #お好み焼き屋浜風

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「コレカラ　武蔵ミュージアムト　鋼ノクジラ館ヲ　見物シテ　ユ○タウンデ　夕飯ノ材料ノ　買イ出シシテ　帰ル」 「マタネ」「マタネ」 「あっ、はい。いってらっしゃいませ。またのお越しをお待ちいたしております」 #お好み焼き屋浜風

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「ソウダナ　アトデ北方ノヤツニ　オモチャデモ　買ッテヤロウ」 このヲ級さん、実はけっこう仲間想い……？ #お好み焼き屋浜風

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「ドウイウ　コトダ……」 お店の外まで三人を見送ろうと建物の外に出てみれば。 ヲ級さん達が玄関口で呆然と立ち尽くしていました。 なんでもダイソンさん達がいつも随伴させている巨大な砲塔が、レッカー移動させられていたのでした。 #お好み焼き屋浜風

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アレも牛馬や馬車と同じく道交法上は軽車両扱いとなるため警察の取り締まりの対象となります。駐停車禁止の区域で白昼堂々停めていたために、商店街の誰かが見るに見かねて通報したのでしょう。 もっと早く言ってくれれば、近隣の有料パーキングの割引券もご用意できたのに。 #お好み焼き屋浜風

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「コウイウ時　罰金ヲ取ラレルノカ　オミヤゲ代ガ　水ノ泡ダ」 「……不幸ダワ」 「ソウネ　不幸ダワ」 あれ？　いまどこかで聞いたような言葉が。 #お好み焼き屋浜風

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「司令はん司令はん。なんや浜風の店に深海棲艦の群れが押し寄せてきて、お客に接客しとったらしいで？」 「へぇ。それは賑やかそうでなによりだ」 #お好み焼き屋浜風