我々にも亦、それと同じやうな悲しさがある。 【芥川龍之介「悪魔」】 うええぇぇ……(椅子から滑落) 超短編だが、「美しい悪魔」と伴天連の話からの、最後の一行が重心。 #もだもだ文学散歩 芥川1巡目再掲。
2014-12-14 12:27:58彼は唯薄暗い中にその日暮らしの生活をしてゐた。言はば刃のこぼれてしまつた、細い剣を杖にしながら。 【芥川龍之介「或阿呆の一生」】 何でこう、最後の一文が強烈なのかね。細い剣…あの「あたま」なのか…さて。 #もだもだ文学散歩
2014-12-14 12:33:13「出ていかれる路は一つしかない。」 「というのは?」 「それはお前さんのここへ来た路だ。」 【芥川龍之介「河童」】 怖ッ!ここから先、精神病棟に話が戻ることで読者も入れ子の中から(何の思考判断をせずとも)戻ってくる(ことができる)わけだが…うわあ…。 #もだもだ文学散歩
2014-12-17 00:53:06何処かしら弱ってて思考や判断を擲って飛び込んだ場所で、かりそめの平穏な生活を送ったとして…なんか大丈夫な気がしてきて戻ってこようとした時には、気づかぬフリをしてきた問題点をちゃんと考え、判断を下すことが必要なわけで。更に、それが「正常」かどうかもわからん、と。 #もだもだ文学散歩
2014-12-17 00:54:57考えたくないけど、自分で考えなきゃいけない。でもその自分が狂ってないとは限らないし、狂ってるのならそれが判明するのが怖い。でも、知りたい、知らなければならない。その為に、自分で考えなければならない。このループの負荷ので「発狂」したら、コレは何ていうのかね… #もだもだ文学散歩
2014-12-17 00:56:20人生であーしくじったなーとプチ思うのは、泉鏡花読んだ後に夢野久作読めばよかったなーってこと。鏡花をドグラ・マグラとかの直後にまとめて読んじゃったため、割とサッパリというか…「綺麗」な感じに入ってきちゃった。逆だったら自分どう思ってたんかな、とたまにプチ悔やむ。
2014-12-19 14:47:51唯いつか怪談の出た晩、人つ子一人通らない雨降りの大久保を帰つて来るのに辟易したことを覚えてゐる。 【芥川龍之介「「仮面」の人々」】 芥川さんカワイイなオイ!…とまあ、そういうライトな見方で文学を読み、感想ツイートしてます。 このタグが目印→ #もだもだ文学散歩
2014-12-30 11:09:30一たび子の為になつたが最後、古来如何なる悪事をも犯した、恐ろしい「母」の一人である。 【芥川龍之介「あばばばば」】 あばばばば…コレは…ネタバレになるかな?← #もだもだ文学散歩 と、コレで芥川1巡目再掲完了。
2014-12-30 20:47:47しかも……見よ……その光景の中心に近く、白絹に包まれた寝棺と、白大理石の解剖台の間から、スックリと突立ち上った真黒な怪人物の姿……頭も、顔も、胴体も悉く、灰黒色の護謨布で包んで…… 【夢野久作「ドグラ・マグラ」】 何度読んでもキタキタキターーッ!!ってなる。 #もだもだ文学散歩
2015-01-06 21:22:43……その間に於ける刀(メス)の揮い方の思い切って残忍痛烈なこと……その針と、糸の使い方の驚くべき巧妙迅速を極めていること……そうしてその手付きや態度にあらわれて来る、たまらないほど辛辣な満足のわななき…… 【夢野久作「ドグラ・マグラ」】 ……(賛嘆の吐息) #もだもだ文学散歩
2015-01-06 21:24:20それともこの博士の裏面的性格から来た、飽く事を知らぬ変態的趣味と、法医学的研究趣味とが相俟って、伝え聞く数千年前の「木乃伊の化粧」式な怪奇趣味にまで、ズット以前から高潮しておりましたのが、斯様な機会に曝露… 【夢野久作「ドグラ・マグラ」】 でもたまらんのよ… #もだもだ文学散歩
2015-01-06 21:30:32紅葉先生も、はじめは「豆府と言文一致は大嫌だ。」と揚言なすつたものである。…(略)…身體が弱くおなりに成つてからは、「湯豆府の事だ。……古人は偉い。いゝものを拵へて置いてくれたよ。」と、然うであつた。 【泉鏡花「湯どうふ」】 湯どうふ〜♪と読んでたらぁァァ! #もだもだ文学散歩
2015-01-08 21:07:26@Lino_Nest 引用略部にある紅葉先生の剣呑な凄み(豫てこのみの長船の鞘を拂つて、階子段の上を踏鳴らし…)と、後の超視力蓑蟲の話(ゆうべは夜中から、よく鳴いて居たよ――ちゝ、ちゝ――と……秋は寂しいな――よし。其方へやつときな。……殺すなよ)、このギャップ!すごく!良い!!
2015-01-08 21:13:58@Lino_Nest 主体というか視点が鏡花だから仕方ないんだけど、この全8頁、その中の2頁にしか出てこない紅葉先生がカッコよすぎるだろ!どんだけベタ惚れだ鏡花!
2015-01-08 21:16:53史実では、鏡花は師であり恩人である紅葉を崇拝していたんですよネー とか書くより、 ああもう鏡花と紅葉のエピソードもだもだ!!病の床にある師に請われて蓑蟲探す!?「蓑蟲戀しく途に迷つた」ってうわアアア!? とかジタジタしてる方が、読む方も書く方も楽しいと思うのですよ。
2015-01-08 21:22:58@Lino_Nest …ちなみに鏡花は極度の潔癖症で、「豆腐」という字面すらイヤで「豆府」と書いたんだそうな。潔癖エピソードもなかなかこれは…極端でスゴイ。
2015-01-08 21:32:38@Lino_Nest あ、あと。鏡花はウサギ好きで、ウサギ柄マフラーをはじめとしたウサギグッズコレクターだった。泉鏡花文学賞の正賞記念品には、すんごいラブリーなウサギがあしらわれてる。カワイイ。これは逆干支を大切にせよとの母親の教えだったらしい……鏡花好きーの方、倣ってみては?
2015-01-08 21:35:32あ。文豪モノだと久世光彦の「蕭々館日録」がスゴイよいぞ。史実通りの名前では出てこないので、誰がモデルか最初は「?」ってなるけど、わかっちゃえばもうホラ魅惑の文筆家たちの日常がソコに!九鬼さん!九鬼さん!!なんだあの影のあるカッコ良文字数(机に突っ伏してダンダン拳を叩きつけながら)
2015-01-09 00:00:09夜叉ヶ池の白雪姫。雪なす羅、水色の地に紅の焔を染めたる襲衣、黒漆に銀泥、鱗の帯、下締なし、裳をすらりと、黒髪長く、丈に余る。銀の靴をはき、帯腰に玉のごとく光輝く鉄杖をはさみ持てり。 【泉鏡花「夜叉ヶ池」】 私的分類ではファンタジーだぞ…この格調高さ…ズルい! #もだもだ文学散歩
2015-01-09 21:22:48