悪堕ちヒロイン 「首領様はカリスマ性のある素晴らしいお方よ。私のことを愛してくれるし、財力もあって2人で住める住居を用意してくれたの。人生プランも明確だし、子供を産んだら育休を取ると仰ってくれたわ。だから私、首領様と結婚することにしたの」 正義のヒーロー 「何も言い返せない」
2016-04-09 20:30:29何かに気付いた正義のヒーロー 「(ん?でも子供ができたら首領が育休を取るということはその間は指揮官不在で指揮系統が乱れるはず……これは組織を叩くチャンスだな) はやく君の子供の顔がみたいな」 首領への愛で盲目な悪堕ちヒロイン 「なにおじいちゃんみたいなこと言ってるのよ///」
2016-04-09 20:35:34結婚式を終えて…… 「やはりお前が首領だったのか」 「懐かしいな、こうやって君と話し合うのは久しぶりだな」 「……彼女を幸せにしてやってくれ」 「言われなくとも当然だ」 「明日からはお互い敵同士だな」 「ああ、彼女がこちら側にいるからといって変に手心を加える必要はないぞ」
2016-04-09 20:57:09悪堕ちヒロイン「あなたもこちらに来て! こっちは勤怠管理が徹底しているし、直前の増員・配置転換もスムーズ。怪我をしてもメディカルルームを使えるし、嘘偽りのない風通しの良い職場で上司がちゃんと現場に来てくれる!」 正義のヒーロー「わかるーーー!!!(ここで血を吐いて倒れる」
2016-04-09 21:18:30首領「まさか君がここまで来れるとは思わなかった」 悪堕ちヒロイン「首領様、ここは私が……」 首領「いや、私自らが出る。組織の後のことは任せたぞ」 悪堕ちヒロイン「……ではお別れのキスを」 首領「君の愛を貰った僕は無敵だ」 正義のヒーロー「あぁっ!眩しい!目がぁ……っ!」
2016-04-09 21:40:11正義のヒーロー「……この勝負、俺の勝ちだ」 首領「ははは……君はやっぱり強いなぁ。約束通り、先ほど組織を解体させる伝令を送った。それと、実は彼女には、私が命を落とせば私と君の記憶が消えるよう暗示を掛けている。君の熱い心で彼女を再び口説き落としてくれ」 正義のヒーロー「優しい世界」
2016-04-09 21:49:33正義のヒーロー「最後に教えてくれ、なぜこのようなことを?」 首領「子供の頃からの夢でね。炬燵で寝る子は悪い子だって怒られて……だから炬燵で寝ても怒られない、悪い子が悪い子じゃなくなる世界を作りたかったんだ」 正義のヒーロー「おいこら待て最後に綺麗にまとめて勝ち逃げは許さねぇぞ!」
2016-04-09 21:58:10正義のヒーロー「さぁ、行こう。首領を失ったここは直に崩壊する」 ヒロイン「あなたは誰?」 正義のヒーロー「君を正義の味方に導く者さ」 ヒロイン「ブツブツ……ブラックな正義の味方は嫌だ ブラックな正義の味方は嫌だ」 正義のヒーロー「あっ(察し」 ―ゆるふわ悪堕ち物語・完―
2016-04-09 22:15:12