丸山眞男『超国家主義の論理と心理』読書メモ集

丸山眞男『超国家主義の論理と心理』(他八篇収、古矢旬編、岩波文庫、2015)の読書メモをまとめました。
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

国家主権が倫理性と実力性の究極的源泉であり両者の即自的統一である処では、倫理の内面化が行われぬために、それは絶えず権力化への衝動を持っている。倫理は個性の奥深き底から呼びかけずして却って直ちに外的な運動として押し迫る。by丸山眞男「超国家主義の論理と心理」

2016-04-17 09:37:22
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

国家主権が倫理性と実力性の究極的源泉であり両者の即自的統一である処では、倫理の内面化が行われぬために、それは絶えず権力化への衝動を持っている。倫理は個性の奥深き底から呼ぶかけずして却って直ちに外的な運動として押し迫る。by丸山眞男「超国家主義の論理と心理」

2016-04-18 13:12:39
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「日本ファシズムの最後の段階において議会において最も反政府的立場に立ち、最も批判的な言動に出たのは、皮肉にも、日本ファッショ化の先駆的役割をつとめた民間右翼グループだったわけであります」(丸山眞男「日本ファシズムの思想と運動」)。へぇー、興味深い。

2016-04-18 13:18:37
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「下剋上」は抑圧委譲の楯の半面であり、抑圧委譲の病理現象である。下剋上とは畢竟匿名の無責任な力の非合理的爆発であり、それは下からの力が公然と組織化されない社会においてのみ起る。それはいわば倒錯的なデモクラシーである。by丸山眞男「軍国支配者の精神形態」

2016-04-19 11:50:42
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

一体、デモクラシーとは、素人が専門家を批判することの必要と意義を認めることの上に成立っているものです。by丸山眞男「ファシズムの現代的状況」

2016-04-19 11:52:49
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「フランス革命においてはじめて、革命過程における逆行的な動向や旧体制の復活をめざす党派が、同時代によってréactionとかréactionnairesとかいう呼称を冠せられ、一八三〇年から四八年頃までの間に広くヨーロッパで用いられるようになった」(丸山眞男「反動の概念」)。へぇ

2016-04-20 10:38:31
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

丸山眞男によれば、フランス革命は、伝統から切り離された普遍人類的な理念に主導された人類初の「イデオロギー的」革命であったから、そこから生まれた反動の概念とは当初は人権宣言の諸原則に対する反動を意味していたそうだ。興味深い。

2016-04-20 10:41:23
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「歴史的進歩が同時にaction(行動)の過程として、また本質的に飛躍=非連続を内包するものとしてとらえられたとき、はじめてそれはreactionと一義的に対応するようになる」(丸山眞男「反動の概念」)。革命の一発ドカンと進歩の漸進性は必ずしも一致しない。メモ。

2016-04-21 11:46:21
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

後世から歴史を分析する際には、長期と短期、全体と部分といった諸関連における進歩と反動との交錯を、時間をかけてときほぐして行くことができても、現に自分が生きている現実のなかで、こうしたそれぞれ異なった尺度をつかうことは容易なわざではない。by丸山眞男「反動の概念」

2016-04-21 11:48:58
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

進歩という歴史的な幅をもった規準と、反動という政治的な集約性をになった範疇とが相交錯することによって、進歩は政治的になり、反動は歴史的となる運命をになったのである。by丸山眞男「反動の概念」

2016-04-21 11:52:06
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「抵抗の精神に支えられなければ――「進歩」が「抵抗」を内包しない限りは――、「進歩」は停滞し制度は物神化する」(丸山眞男「反動の概念」)。反動と抵抗は違う。メモ。

2016-04-21 11:57:41
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

丸山眞男が「夜店」と「本店」という言葉遣いをしているらしいが、これは要するにジャーナリズムとアカデミズムと理解していいのだろうか。メモ。

2016-04-22 12:24:56
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

丸山眞男『超国家主義の論理と心理』読了。他八篇所収。「反動の概念」が一番勉強になった。反動・反革命・保守のうち最も早くに誕生したのは反革命(contre-revolution)らしい。へぇー。あと、「無責任の体系」ってもう「軍国支配者の精形態」(1949)で使ってんだな。

2016-04-22 12:39:24
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「道徳的感傷主義は起った事態に対して、抽象的に、あるいは自己責任の意識なしに道徳的非難を放つだけであるから容易に偽善を生むだけでなく、政治的行動の内面に浸透して行く力をもたない」(丸山眞男)。自己責任嫌いの赤木智弘が「ひっぱたきたい」対象として丸山を選んだのは、結構適格だよな。

2016-04-22 12:43:39
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

それにしても、丸山批判は蓄積として結構たまってそうで、なんというか、目は通すだろうけど、かったるいな…。この論文一つ読めば、批判の歴史丸わかりみたいな文章ってどっかにないだろうか…。

2016-04-22 12:47:27