英文法で国文法を理解する際の限界についても

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It happens sometimes @ElementaryGard

1)英文法を学んでから国文法が飲み込めるようになったと前に書きました。国文法は、江戸時代に本居宣長の流派が編み出した体現とか用言とか辞とかの考え方と、明治に入ってきた英文法の考え方が混ざって形になったものなので、英文法がわかれば国文法もわかるわけです、ある程度までは。

2016-05-06 21:11:10
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2)ただある時点で混乱が始まる。例えば「元気に育つ」をどう国文法で解析するか?英文法の考え方でいけば「元気に」は副詞で「育つ」は動詞と分類できるわけだけど、国文法では「元気」は名詞で「に」は助詞で「育つ」は動詞と分類します。

2016-05-06 21:13:31
It happens sometimes @ElementaryGard

3)「元気に」は連用修飾語。「育つ」という動詞(宣長派がいうところの連用形)を修飾するから連用修飾語という理屈です。

2016-05-06 21:18:19
It happens sometimes @ElementaryGard

4)三上文法(外国人に日本語を教えるときに超使える日本語文法)ではどう教えるのだったか。「元気な」というナ形容詞(国文法でいう形容動詞)が活用して「元気に」になる、でしたか。

2016-05-06 21:21:43
It happens sometimes @ElementaryGard

5)厳密には「元気」がナ形容詞で、これに「に」がついて動詞修飾すなわち副詞になり、「な」がつく場合は名詞修飾すなわち形容詞として機能する、と考えるようです。今慌てて検索して調べて書いています。

2016-05-06 21:27:27
It happens sometimes @ElementaryGard

6)形容詞があっさり副詞にも変身してしまうのは考えてみれば面白いですね。英語でもそういうのはないでもないけれど beautiful(美しい)を beautifully(美しく)とはふつう使わないし。

2016-05-06 21:31:15
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7)ここで例の「キモノは美しいですね」と「美しいキモノですね」のニュアンスの違いの話と合流する。 pic.twitter.com/ijb2wz5CGx

2016-05-06 21:33:03
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8)ちなみに「美しい」はイ形容詞で、「素晴らしい」もイ形容詞。「きれい」は「きれいな」と使うからイではなくナ形容詞です。

2016-05-06 21:35:10
It happens sometimes @ElementaryGard

9) ・英文法でいう副詞と形容詞にあたる言い回しの距離の近さ ・英文法でいう叙述形容詞と限定形容詞のニュアンスの違い ・述語こそが主役で、主役ゆえに文の末尾に来る法則 ・関係代名詞の不在と、述語がさっと修飾語に役割転換する身軽さが表裏一体の関係であること 私なりの日本語論。

2016-05-06 21:46:48
It happens sometimes @ElementaryGard

10)知恵熱が出てきそうなので今はここまで。

2016-05-06 21:48:21
It happens sometimes @ElementaryGard

11)あ、助詞は実は品詞というよりは、文構成を聞き手・読み手に伝えるためのメタ的な交通信号ではないか、という仮説が今ふっとひらめいたので書き残しておきます。

2016-05-06 21:55:09

ここから先は翌日に論じたものです。

It happens sometimes @ElementaryGard

1)中学の国文法をおさらい中。geocities.jp/nm3032nakatsu/… これによると例えば「きれいに拭く」の「きれいに」は「きれいな」に活用可能だからナ形容詞の連用形であって副詞ではないと考えるそうですが、英語だと副詞だよねこの場合。不思議です。

2016-05-07 12:52:52
It happens sometimes @ElementaryGard

2)「日本語では形容詞が活用するんだよ」と教えると、外国人の生徒は必ず驚くそうです。世界でも珍しいようですね、「美しい」が「美しく」になったり「きれいな」が「きれいに」なったりする様は。

2016-05-07 12:56:09
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3)「これ」とか「大きな」とか「わが」とかは活用しないから形容詞ではなく連体詞とされます。「大きな」は一見ナ形容詞(国文法では形容動詞というのでしたか)だけど活用しないから連体詞だとか。「大きく」はどうかって?これは副詞。

2016-05-07 12:59:18
It happens sometimes @ElementaryGard

4)活用というのは、中国語にはないけれどいろんな言語で見られます。日本語だと「食べる」が「食べて」等に活用するし、英語だと eat が eats や ate 等に活用する。ただ言語によって活用のメカニズムが違う。

2016-05-07 13:04:32
It happens sometimes @ElementaryGard

5)そのあたりの違いが関係して、先にあげたように「きれいに洗う」の「きれいに」は、英文法ならもろに副詞なのに国文法では形容動詞の連用形と解釈され、連用修飾語と命名される。(あってますかこの解釈?)

2016-05-07 13:07:51
It happens sometimes @ElementaryGard

6)中三のときの死ぬほどつまらなかった国語の授業で、死ぬほどつまらない国文法のドリルをえんえんと解かされたという話を前にしました。今思うと、玉井先生はまず「詞」と「語」の違いをきちんと私たちにするべきでした。

2016-05-07 13:10:36
It happens sometimes @ElementaryGard

7)中国語のように、文が単語に最初から区切れているのが孤立語。日本語や朝鮮語はそういう区切りがないので膠着語といいます。英語はその間に位置する屈折語ですが実質的には孤立語です。

2016-05-07 13:16:21
It happens sometimes @ElementaryGard

8)明治になって英文法を強く意識した国文法が模索され、日本初の本格国語辞典『言海』編纂にあたって、膠着語である日本語をなんとか孤立語的に分析して「単語」を抽出するための技が必要になった。それが同辞典の冒頭章としてまとめられ、これが評判になった。国文法のルーツといっていいでしょう。

2016-05-07 13:18:33
It happens sometimes @ElementaryGard

9)このあたりのことは後日もっと予習してまた語るとして、先にちょっと触れた「詞」と「語」の違いについて考えてみたい。

2016-05-07 13:20:22
It happens sometimes @ElementaryGard

10)中一のとき「文節」について習った。何か文があって、「ネ」で区切っていったものが文節だよと教わった。「学校に行った」なら「学校にネ、行ったネ」と区切れるから「学校に」「行った」がそれぞれ文節だよ、と。

2016-05-07 13:22:19
It happens sometimes @ElementaryGard

11)ずいぶん感覚的なんだなあと当時思いました。で、そんなあやふやな分類法を礎に、詞だの語だのを語られても、もう全然わけがわからない。事実全然授業内容を覚えていないし思い出せない。

2016-05-07 13:23:42
It happens sometimes @ElementaryGard

12)こんなわけがわからない文法を母語については押し付けておいて、一方で英文法も学ばされるのだからたまらない。

2016-05-07 13:25:47
It happens sometimes @ElementaryGard

13)これも過去に何度も指摘したことですが、国文法は口語(現代日本語)と文語(とりあえず古文のこととご理解あれ)をなんとか一貫した言語体系で説明しようとするため、強引なロジックを繰り出しがちです。

2016-05-07 13:27:40