【ゆったり】有休消化で温泉旅行【のんびり】

審神者交流タグ #さにわ温泉旅女子編 格子縞のついのべを纏めています。交流タグですので公開設定にしてありますが、創作審神者(全て女性)が登場しますので『私の本丸には審神者なんて居ない』と思っている方は読まないで下さい。 審神者:禰宜正階(姥さに) 以下ゲスト:一葉さん(姥さに)しおりちゃん(兼さに)豆香さん(明さに)
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格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 浴衣の人が大半で私服を着ている人は少数。目を凝らして私服の人を伺っても、近侍を連想する意匠を全身に帯びているのは私だけだった。ちょっと酔っているのかもしれないけれど、男性は朗らかに笑いながら周りと談笑を続けていて、嫌な言葉を投げかけてきたりはしない。

2016-05-14 23:29:41
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL もしかして、広間に入った時に視線を感じたのは。このワンピースが理由だったの……?私は辿り着いた考えに戸惑ってしまう。色や柄、似た物を帯びるのは彼女が言ってくれた以上に、私にとって御守りの意味があった。だから、目立っているかもしれないなんて思いよらなかった。

2016-05-14 23:33:36
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL #さにわ温泉旅女子編 国広は“刀”だけれど。私よりもずっと多くずっと長く沢山の人間を眺めてきて、だから人の世の理を把握していた。口を開けば小言ばかりで、顔はいつもどこかしら不機嫌そうで。知識ばかりが先立つ私に呆れ放り出す事なく、叱りながらも励ましてくれた。

2016-05-15 12:13:18
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL そこがわかるから、私は国広を恐いとは感じない。もっと気さくな性質をしている刀剣男士は大勢いるけれど、私は彼を一番頼りにしている。気持ちを奮い立たせるために、それか落ち着けるために、彼を連想するお揃いの意匠を帯びるのは当たり前のことになっていたのだけど。

2016-05-15 12:35:52
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 果物が乗ったお皿が配られて、私は箸が遅くなっていた事に気がついた。沢山歩いてお腹は空いていたし、お酒も最初の一口しか飲んでなかったから、何とか全て胃袋に収める事に専念する。食事を終えた人達から三々五々に退席していって、広間からは段々と人が減っていった。

2016-05-15 13:00:05
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL ようやく全部食べ終えて席を立とうとした時だった。 「別嬪さんがお連れはんとお揃いのべべ着てたら。まあどないしても目ぇ引きますやろな。せやけど他人の口なんて気にすることあれしまへん。」 それは果物を食べ終えて、焙じ茶に口をつけていた彼女の言葉だった。

2016-05-15 18:34:05
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 「近侍はん変えはったんは、おたくはんどすやろ?」 そう言うと湯飲みを置いて、緩やかにけれど流れるような所作で起ち上がる。長く正座をしていた筈なのに全く揺らがない。 「ほなうちはこれで。お先ぃに」 「あのっ」 一礼して立ち去ろうとするその背に私は声をかけた。

2016-05-15 18:36:52
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 「ありがとうございます」 「お礼言われるようなこと、なーんもしてまへんえ」 「そんなことないです。あなたのお陰で、美味しく食事をすることが出来ました」 「律儀なお方どすなあ……うち、豆香どす。登録名どすけどな」 「!……私は、一葉と呼んでもらっています」

2016-05-15 18:41:19
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 豆香さんの笑顔はやっぱりとても可愛くて、そんな風に笑える事が凄く思えて。明石国行を伴い広間を後にする背を見送った私は、無意識に溜息を漏らしてしまった。隣に立った国広が口を開いた。 「幼い顔立ちに反して、思慮深い審神者だったな」 「うん。……そう思う。」

2016-05-15 19:15:06
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 行ったり来たりにならないよう、温泉に入ってから部屋へ向かうことにして。鍵と一緒に受け取っていたタオルなんかをロッカーから取りだして、浴場へと繋がっている渡り廊下を歩く。浴衣の人が多かったと言う事は、今は空いているのかも。ゆっくり出来ると良いなと私は思った。

2016-05-15 20:50:30
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 何が、どうして、こうなった。和泉守兼定は眉間に僅かの皺を寄せつつも、手にしたマレットの握り具合を確かめた。台を挟んだ先には、同じくマレットを手に構える真顔の山姥切国広。己の主を抱っこしたの向こうの審神者が、自陣と敵陣の間に引かれた、線の真横に立っている。

2016-05-16 20:49:28
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 「兼さん頑張れー!」 「食後ですから、程々にして下さいね」 人形の主は時折、小さなピアノを弾く。結構な腕前だ。そして飛んだり跳ねたり体を動かすのも好きだ。夕食の帰りぶらぶら歩いていると。通路脇に置かれていた遊戯台に目を留めて、遊んでみたいと言い出した。

2016-05-16 21:08:09
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL パッと見だけでもサイズ的に無理があんだろ……しげしげと眺めれば台にはエアホッケーとか書いてある。先に遊んでた二人組が、風呂で世話になった主従なのは間違いない。審神者の動きも鈍臭くはねぇし、手を抜いてるのも判るが、刀剣男士相手に比べたら戦力差がありすぎた。

2016-05-16 21:26:36
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 「アンタ食後で苦しくないのか?」 「こう言うのはっお約束と言うか、一度、やってみたかったんですっ」 大人しそうに見えたが、案外考える事は似たり寄ったりなのか?足を止めてつい見てると、主が声援をし始めた。 「禰宜さん頑張れー!」 「あ!はーい、頑張ります~」

2016-05-16 21:41:06
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 幾ら手を抜いてても敵うはずはねぇな。ま、解ってたのか負けても楽しそうなのは何よりだ。そのまま適当に挨拶して立ち去ろうとしたが、やっばりつーかなんつーか主は物足りなそうな視線を台に投げ掛けている。 「あの、しおりちゃんも?」 「ん~やってはみたいけど……」

2016-05-16 21:48:45
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL ぐるり。腕に抱えてた主が体を捻り俺を見上げてきた。 「じー」 「あ?」 先の展開が読めた気がしたが口にしたら拙い。だが俺が目を逸らすより早く、クイクイと髪を引っ張られる。 「兼さん、腹ごなししない?」 ボタンで出来た円らな黒い目に、捕まったらお手上げだ。

2016-05-16 22:08:19
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 気が付けば手にはマレットとか言う武器、じゃねぇバチみてぇな円盤を握り。男士相手の勝負事となれば遊びでも手抜きするのは趣味じゃねぇ。打ち合いを始めちまったら結局は本気になっちまって── バキン 「!?」 「あらら~」 「……」 「やべ」 パックが割れた。

2016-05-16 22:20:13
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL #さにわ温泉旅女子編 「あの、ごめんなさい……」 「ちょっと待て、壊したのは俺だろうが」 「でも、兼さんに勧めたのはあたしだし……」 普段の元気は何処へやら。宿の従業員に謝る主はすっかりしょげちまった。【男士同士の対戦禁止】技官が注意書きを張り付けている。

2016-05-18 15:03:10
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 「あの、それなら。私が誘ったも同然ですし」 「いや。加減せず打ち返したのは俺も同じだ」 二組揃って詫びを入れる羽目になり、周囲で暇つぶしをしていた奴等の視線が集まる。見世物じゃねーぞと言ってやりたかったが、余計な真似は主の立場を悪くする。黙って頭を下げた。

2016-05-18 20:01:57
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL わざとじゃねぇし、怪我人も出てない。壊れ物の弁償って形で話は丸く収まった。だが主はらしくなく大人しくなっちまったままで、そのまま連れて帰るのも迷っちまう。 「えぇと……手段を考える必要は、あったわけですけど。でも、兼さんも切国さんも、格好良かったですね」

2016-05-18 23:10:34
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL かけられた言葉に引っ張られたのか、ぴょこんぴょこんと動き出した。不可解に思える言動に驚かされる事もままあるが、それが理不尽で横暴な振る舞いに繋がる訳じゃねえ。一度元気が出てくれば何時も通りの姿でほっとする。雑談を始めたのは止めないで、暫く付き合う事にした。

2016-05-18 23:16:39
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 売店の前でふと足を止めた豆香は、飾られた土産品を眺め始めた。小柄な彼女が楽しげに物色する姿は、どこかあどけなさを感じさせる。 「主はん、仕事でもないのに酌なんてせんでもええんと違いますか」 「お酌?……ああ、虫のおにいさんにいっぺん注ぎましたなあ」

2016-05-21 14:45:02
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 小柄な主の背に、近侍として同行する明石国行が控え目ながらもはっきりとした声で言葉をかけた。周囲を慮ってか、のんびりした口調は普段と全く変わりないが。不快を隠すその心中を知ってか知らずか、主はあっさりと言い放った。 「あんなん、気ぃ使ううちに入れへん」

2016-05-21 14:50:56
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 自分らの主がただ可愛らしいだけでない、細やかな気配りの出来る女性であることを明石国行はよくよく知っているのだが。場を丸く収めるためとは言え、他所の審神者と冗談を交わしていたのは正直あまり面白くない。 「ほたちゃん達へのお土産、何にしたら喜んでくれはるやろ」

2016-05-21 14:55:23
格子縞✿再々録作業中 @kousijima

@tkhime_TL 「菓子でええんと違いますか」 明石国行は憮然とした面持ちで、主である豆香に返答するとその傍らで周囲をぐるりと見渡した。小さな背丈にあどけなく見える顔、そしてあれだけの気遣いだ。どれだけ世の男共から魅力的に見えるか、自覚して警戒して欲しいところである。

2016-05-21 15:07:15
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