ヘイトスピーチ規制法審議に対するモーリー・ロバートソン氏の感想

2016/5/13に参議院を通過(先議)した「ヘイトスピーチ規制法」に対するモーリー・ロバートソン ‏@gjmorley 氏の一連のツイート
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<前提>

2016/5/13に参議院本会議において、いわゆる「ヘイトスピーチ規制法(正式名称は「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」)」が与野党賛成多数で可決されました。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/vote/190/190-0513-v014.htm

参議院議員・山田太郎は当法案に反対した。

これを受けて

モーリー・ロバートソン @gjmorley

興味深く読みました。日本社会で「ヘイトとは何か」が明示的に議論されてこなかった私的には賛同します> 山田太郎参院議員の「ヘイトスピーチ対策法案」反対理由 - Togetterまとめ togetter.com/li/975309 @togetter_jp

2016-05-15 19:09:02
モーリー・ロバートソン @gjmorley

ぼく自身、片方ではアメリカ人ハーフ、東大合格ハーバード卒業、大手メディアでの輝かしい経歴によって持ち上げられる一方で、政治的な見解が不一致だと「日本から出て行け」に始まる排斥を受けます。「一歩手前」で日々活動しています。礼賛も差別も両方受けるユニークな立場から言わせてもらえば…

2016-05-15 19:12:23
モーリー・ロバートソン @gjmorley

現在審議されている法案は時期尚早だという印象です。在日コリアンに向けられたひどいヘイトスピーチを抑止する効果はありますが、差別の序列で「日本人より上」に置かれた人間に対する攻撃にはあまり効力を持ちません。その差別的な人種序列から日本人の意識を解き放つ力もない。

2016-05-15 19:15:08
モーリー・ロバートソン @gjmorley

日本社会に学歴信仰や欧米へのコンプレックス、「脱亜入欧」から始まるアジアへの蔑視は今日、多くの日本人の無意識に沈着しています。70年代あたりだったかに差別撤廃の政治闘争が激しかったのですが、それがもたらしたのは議論なき沈黙とより深く潜った差別意識。

2016-05-15 19:17:10
モーリー・ロバートソン @gjmorley

様々な差別を受ける側の属性を持つ人々が自由に意見を言えるムードもできていません。特定の差別に対して「うちが窓口だ」と主張する過激な団体や個人が野放しになっており、どんどん話がねじれていきます。ダイバーシティとは、それぞれの属性を持つ人がマジョリティーを含めて自由に発言できる文化。

2016-05-15 19:19:20
モーリー・ロバートソン @gjmorley

けしてヘイトを受けて我慢する必要はありません。抗議行動や訴訟も必要になる場合があります。恫喝が自己目的化すると、ますますマイノリティーへの警戒心や嫌悪感を育ててしまいますが。差別はなくならないが、抑止は可能。今は拙速な法制化より議論を成熟させた方がいい、というのがぼくの意見です。

2016-05-15 19:22:25

なお、めんどくさいことに、本議案に対しては山本太郎議員も反対。