木村草太先生の報ステ(H280524)発言に関連して解散権の制約を考える

基本的に自分の勉強整理用まとめです。比較憲法学、政治学的な視点は基本的にいれていません。「法学部で憲法学として勉強する範囲のまとめ」というところでしょうか。なお、流れがわかりやすいよう時系列は少し入れ替えています。
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ドン・プロタジオ @meisouchizu

何というか、内閣の解散権の問題という古典的かつ現在的なテーマについて、改めて学ばされるきっかけを作ってくれたという意味では、木村先生に感謝かな。 一般人レベルでは、それこそ「解散は首相の専権事項」で、それ以上考えてもいない人がほとんどだと思うし。

2016-05-25 22:26:34
井上武史 Takeshi INOUE @inotake77

自民党改憲案には首相の衆議院解散権が明記されており、それ自体は評価できると思うが、やはり野党時代の改憲案だからというのがあるかもしれない。政権にある時にこの議論をすると「解散権の制約」を盛り込む動きにつながるため、逆に不都合な事態を招く。ここに自民党の改憲への本気度が問われる。

2016-05-25 22:27:05
penben @penben2020

ただ、じゃあ仮に改憲するとしてどっち方向に行くかなあ、というのは考えるところではあるな…。法的な視点としては「どういう要件で解散できるか」を明確にしたいところだが、政治問題をそういう法的要件論に取り込むのはかなり難易度高い。69条限定説みたいなののほうが作りやすい。

2016-05-25 22:31:40
penben @penben2020

あるいは逆に、広い解散権を与えておく代わりにその対抗措置を組み込むか(前回総選挙から何年以内で議員の何割の反対があったときは解散されないとか)。それなら要件論としてはまあまあで、うまくバランスできるかもしれない。しかし結局隙間問題みたいなのが出てくることは避けられない

2016-05-25 22:36:15
penben @penben2020

ちなみに、この種の制度論は、抽象的理念の世界で制度を想定することと、現実の政治情勢を見てそれを前提に動き方を予想して制度を想定することとでだいぶ方向が変わってくるので(実際にはその両極ということは少なく、いずれの要素も適当に盛り込まれるのだが)その点は要注意かなぁ

2016-05-25 22:38:06
penben @penben2020

まあ、選挙制度で改憲てなると、一票の格差問題を触ることになって収拾がつかなくなるということも現実の政治問題としては想定しうるであろう…

2016-05-25 22:42:24
ドン・プロタジオ @meisouchizu

気になった論文としては、芦部説のベースと思われる、宮沢先生還暦記念第四巻所収の深瀬忠一先生の論文(1962)、井上先生ご教示の長谷部恭男先生の衆参同日選特集のジュリストの論文(1986)、大石眞先生の「国政上の習律」論(2006)。ズボラな私は読まずに終わりそうだが。

2016-05-25 22:38:51
ドン・プロタジオ @meisouchizu

少し教科書の類を読んだ限りだと、憲法学の最近の議論としては、内閣の解散権には何らかの歯止めを設けるべきという方向性ではあるのかなと感じた。 その点、高橋和之先生がむしろ「内閣に無制限の解散権を認めたほうがよい」(四人本)と言っている点は、結構注目に値するのではないかな。

2016-05-25 22:54:10