『エクソシスト』原作に秘められた謎から、世論を操る『戦争広告代理店』、貧しさと同調圧力の怖さを描いた『破船』まで、「こわいもの」のスゴ本オフ

2016年5月28日に渋谷のHDE社のオープンラウンジをお借りして開催した「こわいもの」のスゴ本オフの実況まとめです。
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スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

ちかさんがオススメした、『エスター、幸せを運ぶブタ』が面白そう。ゲイカップルに飼われる「ミニブタ」が実はミニではなかった……という話だが、笑いだけではなく涙腺にもキそうやな #スゴ本オフ

2016-05-28 14:20:42
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

今回のスゴ本オフのテーマは、「こわいもの」なんだけど、ホラーに限定されていないところが怖くて面白い。「自分が怖いと思っている何か」をうまく表現している物語がどんどん飛び出てくる。饅頭だったり結婚だったり、「自分自身」も有り。 #スゴ本オフ

2016-05-28 14:23:22
根岸智幸 @zubapita

原さん登場。まず、有名な映画「エクソシスト」の原作『エクソシスト』(創元推理文庫)。映画の神父の闘いは原作では後半の話で、原作ではエクソシストを頼むまでの葛藤を描かれている。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 14:47:30
根岸智幸 @zubapita

(承前)神父は実は精神病理の専門家で、ほとんどの場合は精神病理の治療で治ると信じていて、なかなか悪魔払いをやろうとしない。この精神病理じゃないか?という視点で読んでいると、これは実は悪魔ツキじゃなくて少女の二重人格の問題じゃないかと思えてくる。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 14:47:32
根岸智幸 @zubapita

(承前)最後は悪魔払いをやって、3人が死ぬ。死者のうち2人は神父。それに対して少女の家族は何も謝罪せずに引っ越していく。もしこの事件が悪魔つきが原因じゃなかったとしたら、死んだふたりの神父の立場は?と最後まで釈然としない。実はそこが怖い。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 14:47:35
根岸智幸 @zubapita

(承前)原さん2つめは映画『シャイニング』。スタンリー・キューブリック監督作品だけど原作好きな人や原作者にはかなり叩かれた作品。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 14:47:37
根岸智幸 @zubapita

(承前)映画で一番有名なのは、主人公のジャックが同じ言葉を延々繰り返しただけの原稿書いていたことを妻が発見してジャックが狂っていたことに気がつくシーン。このシーンは原作にはない。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 14:47:39
根岸智幸 @zubapita

(承前)この狂ったジャックが書いた同じ言葉を繰り返した原稿を実際に出版したものを持ってきました。この映画が原作ファンに嫌われるのは、途中からキングの原作を無視して、主人公のジャックが描いた物語になっていたから。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 14:47:41
根岸智幸 @zubapita

(承前)そういう視点で見直すとまた怖さが違ってきます。(了) #スゴ本オフ

2016-05-28 14:47:43
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

「こわい」といえばキング、キングといえば「こわい」の代名詞。キング原作、S.キューブリック監督『シャイニング』のご紹介。二つはまるで違う作品のよう。映画版の見どころ面白さを教えていただく。続いて『クージョ』のご紹介。全てを語らないところが凄い。 #スゴ本オフ #スゴ本オフ

2016-05-28 15:02:20
根岸智幸 @zubapita

犬猫紅茶店の安藤さん登場。原さんのシャイニングからキングつながりでクージョ』スティーブン・キング(新潮社)。可愛いセントバーナードが狂犬病に犯されてしまう話。スティーブン・キングが凄いのは怖さを細かく説明せずに怖さを感じさせること。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:09:34
根岸智幸 @zubapita

(承前)動物も怖いという感情があって、閉じ込められると騒いだり。でも、我々人間は想像力を働かせることでさらに恐怖する。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:09:36
根岸智幸 @zubapita

(承前)キングは、その読者の想像力を駆使することで、狂ったセントバーナードが母親と小さな男の前に現れたとき、どんな恐怖が起きるのか、という恐怖を増大させる。安藤さんのもう1冊、『ドキュメント 戦争広告代理店〜情報操作とボスニア紛争』高木徹(講談社)。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:09:39
根岸智幸 @zubapita

(承前)90年代にボスニア紛争で、ボスニア側についた米国の広告代理店の話。安藤さんはサッカーが好きでセルビア人のストイコビッチが好きだからセルビアの立場から戦争を見ていたが、CNNなどはセルビアを悪者に仕立てようしていた。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:09:41
根岸智幸 @zubapita

(承前)まるで今の北朝鮮のような扱いだった。この本はいかにボスニア側がセルビアを悪者にするために広告戦略を駆使したかを描いている。典型的なのは「セルビアは民族浄化をしようとしている」というキャンペーンを組んだこと。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:09:43
根岸智幸 @zubapita

(承前)これで世界はセルビアを戦争犯罪者として攻撃していく流れになっていった。この本はNHKの番組の取材が元になっている。でも、この本に書いてあることも信じていいのか? と何も信じられなくなるのが怖い。(了) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:09:45
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

『戦争広告代理店』のご紹介。名古屋グランパスファンだったので、ストイコビッチの視点からセルビアを見ていると、ボスニア紛争が何かがおかしいと感じた。セルビアが悪者にされ、セルビアさえ爆撃すれば、ボスニアが救われる「ストーリー」を刷り込むというネガティブキャンペーン。 #スゴ本オフ

2016-05-28 15:06:08
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

『戦争広告代理店』で情報操作手法を知るにつれ、この本そのものも信じられなくなる。人は「ストーリー」を信じたがる。起きたことの原因が示されると、それを信じたがる性質がある。だからニュースは「ストーリー」ありきで、それに沿うように「証拠」が集まり「編集」「演出」される #スゴ本オフ

2016-05-28 15:15:08
根岸智幸 @zubapita

onoさん。1冊目『ロウフィールド館の惨劇』ルース・レンデル(角川文庫)。なぜ家政婦は一家4人を惨殺したのか?を描く倒叙ミステリ。惨殺されるまでの話がずーと続いていく。一家4人が親切で親切すぎて主人公が隠したいことを暴いてしまう。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:22:16
根岸智幸 @zubapita

(承前)でも読み直してみると、その秘密は暴かれても殺すようなことではない。でも、「暴かれたくない」という気持ちが強くなりすぎて、殺してしまう。でも殺したことを全然悔いていない。たぶん主人公が一番辛いのは裁判でその秘密が明かされてしまう。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:22:18
根岸智幸 @zubapita

(承前)たいしたことではないけど、本人にとっては必死。最初は親切にする側が無神経だと思ったが、2度目は秘密にこだわる側に思い込みが怖かった。onoさん2冊目『いま見てはいけない』ダフネ・デュ・モーリア(創元推理文庫)。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:22:20
根岸智幸 @zubapita

(承前)ヒッチコックの「鳥」や「レベッカ」の原作で有名な作家の短編集。表題作も映画になっている(赤い影)。「十字架の道」というキリストのゴルゴダの丘の道に観光旅行に行った田舎の人達が、その途中いろんな秘密を暴かれてしまう。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:22:22
根岸智幸 @zubapita

(承前)どうでもいい秘密なのだけど、本人だけは必死。いわゆるゴシックロマンスの書き手なのだけど、意地の悪い視点が面白い。人間観察がうまく、でも対象におぼれないある意味厳しくて冷たい作家だなあと思います(ほめてます)。(了) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:22:24
根岸智幸 @zubapita

@oyajidonさん。1冊目『イニシエーション・ラブ』乾くるみ(文春文庫)。1980年代が舞台。A面、B面とかレコードの時代。当時のヒット曲が章のタイトルになっていたりする。当時のミステリー系の賞で6位になった作品で今でも売れている。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:41:07
根岸智幸 @zubapita

(承前)エイズが流行する前の、若い世代が何も気にせずにできていた幸せな世代のどこにでもあった恋愛風景を描いたミステリ。よく言われるように最後のページを読むとまた読みたくなる。2冊目。『禍家』三津田信三(光文社文庫)。マンガを文字にしたような作品。(続く) #スゴ本オフ

2016-05-28 15:41:09
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