何か具体的な問題に遭遇したときに、とりあえず位相空間論の一般論からアプローチを試みるのは、数学者にとってそんなに不自然ではないですよね。 圏論マンが圏論的証明を考えるのもそれと同じ感覚で、わりと自然なことなんじゃないでしょうか。
2016-05-30 15:45:13私がn-圏論の意義を充分に理解できていないのは、3-圏以上の概念がロジックや数学に有効に利用される例をまだ知らないところに原因がある [∞-圏論は有意義だと思ってるけど、truncatedな状況でどう機能するかはよく理解できていない]
2016-05-30 15:51:02「圏論的証明しか知られていない」わけではないけど,圏論を経由すると本質的に議論が簡単になる例.A が環,B が A-代数で A が PDイデアル(元 x に対して x^n/n! みたいな元をとれるようなイデアル)I を持つとき,B のイデアル J⊃IA の元 y に対して
2016-05-30 21:45:29y^n/n! を無理やり付け加えて「B-代数B'と PD イデアル J'⊃IB' の組の親玉」を作れる.これを PD 閉包という.PD 閉包の構成は古くから具体的な構成が知られているが,その証明はちょっとめんどくさい.ところが,PD 閉包の具体的な形が必要なのはほぼ B が
2016-05-30 21:49:02A の多項式環のときなどの特別な場合だけで,一般には存在だけが分かっていれば十分.そしてその特別な場合は具体的にすぐ構成できるし,存在証明は圏論を使うと(要するにある函手の表現可能性になるので)一瞬で終わる.圏論を使うと,一般の場合の具体的構成を省略でき議論がかなり簡単になる.
2016-05-30 21:52:11(僕は暫く PD 閉包は具体的に構成するものだと思ってたけど,ある日 Stacks Project を眺めていたら圏の一般論であっさり証明されているのを見つけて思わず膝を打った)
2016-05-30 21:53:36@nolimbre ○○閉包って大体モナドな気がするので、多くの場合は○○構造を持つものへの射全体(の同値類)を考えてその中で像を含む最小の○○構造を持つものを取る感じで構成できる気がしますが、PD閉包もそれですかね。
2016-05-30 21:56:14@non_archimedean 圏論のほうの証明をこの場合に書き下せばそういうことになりそうですね.古い証明は,よくある「めちゃ大きい多項式環を作っておいて満たしてほしい関係式で割る」みたいなやつですが,
2016-05-30 22:04:42@non_archimedean PD構造 (射 γ_n: I→I, n≧1 の族) の満たすべき公理に合成 γ_nγ_mに関する規則があるので「満たして欲しい関係式」を書けないのでそこで頑張る必要がある感じです.
2016-05-30 22:05:44@Makizushi_pi 数学者がよく使っているということであって、最初のモデル化は距離空間でも良いしユークリッド空間でも良いし自然に思うかは人によるということだと思います。
2016-05-30 15:51:36いい加減我々はhyper-meta theory(メタな視点に関する理論)なるものを考えないといけないと思うわけですよ。
2016-05-30 15:50:14