百年前新聞によるWW1最大の海戦ユトランド沖海戦実況

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速報◆英ジェリコー大将が、ドイツ艦隊の正確な位置を把握。陣のさらなる展開を命じる。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆独シェア中将が、イギリス艦隊の陣の変形を察知。味方に逃走経路への進路変更を命じる。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆英ジェリコー大将の主力艦隊が、ドイツ巡洋戦艦部隊に砲撃を開始。またたく間に巡洋戦艦部隊は崩壊。「リュッツオウ」は大破。「フォン・デア・タン」は砲撃不能。「デアフリンガー」は中破。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆ドイツ艦隊指揮官、シェア中将が退却命令を出す。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆突如、北海戦闘海域をおおっていた霧が晴れる。イギリス巡洋戦艦「インヴィンシブル」が、明るい空を背景にシルエットをドイツ艦隊の前に浮かび上がらせる。8600の距離からドイツ巡洋戦艦「デアフリンガー」が砲撃。轟沈。1026名が戦死。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆退却を開始したドイツ艦隊が東へ反転。英ジェリコー大将の主力艦隊の北側を横切り、東へ逃走する作戦。しかし、英艦隊の位置は予測より北。ドイツ艦隊の目の前。万事休す。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆独シェア中将が、ヒッパー中将に敵戦列への突入を命令。巡洋戦艦4隻が、イギリス艦隊に向かって突撃。決死の「死の騎行」のはじまり。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆英ジェリコー大将率いる主力艦隊が、突撃してくるドイツ艦隊に向かって砲撃する。ドイツの巡洋戦艦・戦艦は次々に被弾。中破の巡洋戦艦「デアフリンガー」には、さらに14発命中。しかしなおも、海上を走る。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆独ヒッパー中将率いる巡洋戦艦部隊の捨て身の突撃、「死の騎行」のおかげで、シェア中将のドイツ主力艦隊が脱出に成功。しかし、安心するのはまだ早い。イギリス巡洋戦艦部隊が追撃を開始。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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速報◆北海で、日没を迎える。ドイツ艦隊を追撃していたイギリス巡洋戦艦部隊は、味方と敵の区別がつかなくなり、諦める。ドイツ艦隊は逃走に成功。イギリス艦隊は念のため、夜明けまで警戒を予定。長い一日が終わる。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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訃報◆31日、英国駐在の海軍省副官、下村忠助、戦死。34歳（誕生:1881/10/8）。観戦武官として巡洋戦艦「クイーン・メリー」に乗艦していたが、ユトランド沖海戦で撃沈される。少佐から中佐に特進。 ＝百年前新聞社 (1916/05/31)

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【社主のニュース解説】《国際》 本日、北海ユトランド半島沖で英独艦隊が激突しました。交戦した両艦隊は、あわせて250隻19万5000トン。まさに史上最大の海戦となりました。イギリス艦隊を撃滅しようとしたドイツ海軍の作戦が、イギリス軍に漏れていたことから、全面衝突となりました。

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【社主のニュース解説】《国際》 本日のユトランド沖海戦では、イギリス側は14隻沈没、6094名戦死。ドイツ側は11隻沈没、2551名戦死の結果となりました。残存戦力は英24隻に対し、独10隻とイギリス海軍が優勢ですが、ドイツ艦隊は戦力を維持し続けているといってよいでしょう。

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【社主のニュース解説】《国際》 今日のユトランド沖海戦では、戦艦が、高価な割りに、安価な魚雷や潜水艦にもろいという弱点をさらけ出しました。現状で費用対効果の悪い戦艦は、より強力な戦艦の開発競争をうながすものと見られ、ますます今後戦闘に投入しづらくなることと思われます。

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【社主のニュース解説】《国際》 また、本日のユトランド沖海戦においては、巡洋戦艦の問題も明らかになりました。巡洋戦艦は速度を重視した設計のため、装甲不足が目立ち、大破・沈没が増える一因となりました。特に遠距離射撃を防ぐための水平防御に欠けており、今後の開発がまたれます。

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【社主のニュース解説】《国際》 本日のユトランド沖海戦では、英独どちらも、決定的な勝利に欠けたと言えます。我らが軍神・東郷平八郎元帥(68)は、この戦いを「英国に損害がいくら出ようと、ドイツは逃げた。ドイツの負けだ」と評していますが、世界大戦の大勢をゆるがすことはなさそうです。