ラノベ作家・笹本祐一氏「電子書籍に関して考える」

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笹本祐一 @sasamotoU1

音楽プレイヤーの場合は据え置き型にはじまり、現在のiPodに至るまでに音質、携帯性に関わる様々な改革があった。ビデオについても、画質の向上や利便性などさまざまな変革があった。DVDからブルーレイへの買い換えをマニアが許容するのは、出した金の分だけ画質が向上するからである。

2011-02-08 12:31:28
笹本祐一 @sasamotoU1

ところが、本はその携帯性と利便性において電子書籍と未だにいい勝負をしている。電子書籍デバイスひとつの中に何千冊もの書籍データが収められるのは圧倒的な強みだが、読み取りやすさ、扱いやすさ、寿命に関しては電子書籍デバイスはまだ本に対するアドバンテージを得ていない。

2011-02-08 12:33:10
笹本祐一 @sasamotoU1

電子書籍デバイスの読み取りやすさ、扱いやすさに関しては技術的問題だけど、寿命及びもとデータに関する利便性は供給側、つまり現時点では出版社や本屋の問題なのよねえ。

2011-02-08 12:38:39
笹本祐一 @sasamotoU1

電子データとして本を配信することに関しては、現時点でもiTune程度の商売は期待出来ると思う。んじゃ寿命や供給の利便性についてはどうなるか。今日買ったデータを将来の心配なくいつでも読めるかどうかは、供給側と同時に最新プレイヤーを買い換え続けるかって自分の問題にもなる。

2011-02-08 12:40:53
笹本祐一 @sasamotoU1

今持っているケータイやPCを10年後も使ってるとはおもないけれど、それに代わるものは10年経っても20年経っても使ってるだろう。今でさえメディアプレイヤーで文字を読む機能はあるんだし、10年後にもまたメディアプレイヤーは持ってるだろう。

2011-02-08 12:42:56
笹本祐一 @sasamotoU1

てな事考えると、デバイス側の進歩は技術の進歩に伴っていずれ本物の本を追い越すだろう。既に、電子辞書は紙の辞書を越える利便性と市民権を得ている。となると、後は寿命や規格を含む供給側の問題、つまりどれだけ今の客に安心して本と同じように電子書籍を買って貰えるか、売れるか、って話になる。

2011-02-08 12:46:04
笹本祐一 @sasamotoU1

現物の本だって紛失や損傷の心配がない訳じゃない。「この本は間違いなく買ったんだが、本棚の中から掘り出す手間を考えると新しく買った方が早い」ってんで確信犯でだぶり買いするなんてのはあんまり珍しくない話である。

2011-02-08 12:49:06
笹本祐一 @sasamotoU1

電子書籍だと、買った本のリストを簡単に揃えてだぶり買いを防ぐのみならず、「この新刊は出たら買う」って登録しておけば発売と同時に配信される、なんて状況も期待出来る。「この作家の本は必ず買うから予告して」なんて登録しておけば、出版社も人気を読みやすくなる。

2011-02-08 12:52:06
笹本祐一 @sasamotoU1

てな事考えると、電子貸本屋、あるいは有料会員制図書館なんてのがけっこういい解なのかなー。この辺りになると出版商売の概念から変えなきゃならないから、出版社大変なんだろうなあ。

2011-02-08 12:54:05
笹本祐一 @sasamotoU1

てな事を、電子書籍に関してはぐーるぐる考えております。結論はなし。ていうか、たぶんこれはずっと考え続けていかなきゃならない問題だろう。なんせ電子書籍ってのはグーテンベルグの活版印刷以来のメディア変革なんだろうから。

2011-02-08 12:57:46
笹本祐一 @sasamotoU1

そして、電子書籍なんて商品が出てくる前から、我々はインターネットによって「大量の情報を居ながらにして消費する」状況にすっかり慣れちゃってるんだから。

2011-02-08 12:58:39