ロールズ『万民の法』について

@harutaniさんと@katatemaruによるジョン・ロールズ『万民の法』(1999)についての会話
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amtn @katatemaru

いわゆるピンクローター・漫談ですね! -- kenkoba2 http://t.co/8HHWPdw

2011-02-07 14:22:50
amtn @katatemaru

ケンコバのあとは、懐かしきヨギータを見てしまっておる・・・ レポート・・・ロールズ・・・

2011-02-07 14:37:51
amtn @katatemaru

ヨギータ! -- エゲツナ~イ性欲ヤデ! http://t.co/E0Dqmk4 via @youtube

2011-02-07 14:47:42
amtn @katatemaru

ロールズ『万民の法』は、国際間の正義についてものすごく誠実に考えられていると思う。平和を構築するための正義の指針が、各国の文化をなるべく損なわないような形で模索される。が、そこには決定的にグローバル資本主義の観点が足りない。

2011-02-07 15:25:42
amtn @katatemaru

ロールズは、コスモポリタン=世界市民的な見方を退け、万民の法(国際法)をとる。前者は、個人の福祉に関心を向け、グローバルな再分配を(半永久的に)行うことを要請する。他方、後者は、各国内の正義(が実現される制度)に関心を向ける。

2011-02-07 15:33:09
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

そうかなぁ?僕はウォルツァー同様の正戦論のアポリアに嵌ってると思います。RT @katatemaru: ロールズ『万民の法』は、国際間の正義についてものすごく誠実に考えられていると思う。平和を構築するための正義の指針が、各国の文化をなるべく損なわないような形で模索される。が、

2011-02-07 15:33:56
amtn @katatemaru

万民法でのグローバルな再分配は、困窮によって正義の制度が実現されていない国家が、正義の状態に復帰するためにのみ要求される。国際間正義のためには、各国がリベラル(あるいは人権が保証された非リベラル)な社会制度を持てばよく、グローバルな平等主義は必要がない、とする。

2011-02-07 15:36:40
amtn @katatemaru

ロールズは、様々な社会にはそれぞれ固有の善があると考えており、万民の法はそれをリベラルに矯正しようとしてはならないと言う。特殊な善を持つ各国に介入が許されるのは、その国家内で人権が保証されていない場合だけ。

2011-02-07 15:38:54
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

「リベラルな諸国の民衆が戦争をするとすれば,それは,満足していない社会、つまり…無法国家との戦争以外にはあり得ない…自分たちのリベラルな文化の自由と独立を守り,自分たちを従属させ,支配しようとする国家に真っ向から対抗しなければならないからである」ロールズ『万民法』

2011-02-07 15:39:08
amtn @katatemaru

当然問題になるのは、人権の保証の基準が、西洋中心主義的ではないかということだが、ロールズは、人権を超越論的に正当化するのではなく、プラクティカルに要請する。国際間平和のために「人権」が必要となる、という考え。だが、それは本当に西洋中心主義ではないのか、固有の文化を破壊しないのか。

2011-02-07 15:41:38
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

これはつまり、ウォルツァーの「究極の緊急事態 supreme emergency」に通じる。っていうか、ロールズも、これとほぼ一緒であるみたいなことを言っていたと思う。たしか。

2011-02-07 15:42:32
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

で、いつが「究極の緊急事態(ウォルツァー)」なのか、どこが「無法国家(ロールズ)」なのか。結局、判断する国の恣意的な判断に委ねることに繋がらないか。

2011-02-07 15:44:57
amtn @katatemaru

@harutani ウォルツァーの正戦論に添った議論をしているとロールズも言ってますよね。ウォルツァーを読んでいないのでなんとも言えないんですが、ロールズの「万民の法」は全然ダメかっていうとそうでもないと思います。まあ、あまりに常識的なこと言ってるだけのような気もしますが…

2011-02-07 15:45:25
amtn @katatemaru

01年以後の世界を生きてる人間にとって、それがむしろ重要ですよね。RT @harutani いつが「究極の緊急事態(ウォルツァー)」なのか、どこが「無法国家(ロールズ)」なのか。結局、判断する国の恣意的な判断に委ねる

2011-02-07 15:46:50
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

そうなると、正しい戦争を限定するはずの正戦論の本質そのものと矛盾しやしませんかと。ウォルツァーの「究極の緊急事態 supreme emergency」では「何をしてもいい」のであれば、「正戦」の条件の精緻化は無意味化する。ロールズは、都市爆撃も核兵器保有も認めているしね。

2011-02-07 15:47:00
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

「第二次世界大戦中、・・・イギリスが孤立した状態にあり、ドイツの圧倒的な力をうち負かすためにそれ以外の手立てが見当たらなかったような段階なら、ドイツ諸都市への爆撃も、おそらくは正当化可能であったと言えるだろう。」(ロールズ『万民法』)

2011-02-07 15:49:36
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

「無法国家が存在する限り、無法国家を寄せつけず、無法国家が核兵器を手に入れて,リベラルな民衆の諸国や良識ある民衆の諸国を相手にすることがないよう、ある程度の核兵器は保持する必要がある」(ロールズ『万民法』)。

2011-02-07 15:50:23
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

えーと、それじゃ、ドイツ軍が圧倒的に攻勢だった頃、もしアメリカかイギリスが原爆を完成させていたなら、ロールズの理論からすれば,原爆は使用されてもよいことになってしまいません?いーんでしょうかロールズ先生?

2011-02-07 15:51:39
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

ちなみに、ウォルツァーは「究極の緊急事態」、ナチスのような極度に危険な勢力に対しては、戦争は「国境の回復で終わらずにその政権の交代を迫るまでの制圧」でなければならず、また「通常許されないような非戦闘員に対する無差別攻撃も許される」といっておりますが、良いんですか?ロールズ先生。

2011-02-07 15:54:58
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

こうなるとシュミットがいうように、政治を道徳化すれば、政治は善による悪の殲滅を目指すものとなり、まさに野蛮な暴力行為へと後退してしまう(「政治の道徳化」による「政治の野蛮化」)。さらに、非交戦国には中立義務を捨て去るよう、要求がなされる。結果、国家間戦争は国際的内戦へ転化する。

2011-02-07 15:58:31
amtn @katatemaru

@harutani ただ、敢えてロールズを擁護するなら、ロールズは(1)戦時の政治家の資質に言及したり(2)アメリカを批判してもいるで、正戦論のアポリアに気づきつつ、いろんな条件でアポリアをカバーしようとしているのではないでしょうか。(理論的欠点をカバーできてるかは微妙ですが)

2011-02-07 16:02:26
amtn @katatemaru

[本]'11読書日記10冊目 『万民の法』ジョン・ロールズ http://d.hatena.ne.jp/ima-inat/20110207/1297074092

2011-02-07 19:21:29
谷本晴樹 Haruki Tanimoto @harutani

.@katatemaru うーん、正戦論のアポリアにロールズが気づいていたかどうか、評価が分かれそうですね。ただ、ロールズ的「条件」を満たしたとしても、多分、問題の解決には繋がらないと思う。それはロールズが「暴力」の質的変化に鈍感だから。

2011-02-07 22:49:57
amtn @katatemaru

@harutani 正戦論のアポリアは脱せなさそうですが、ロールズはリベラルで正義が実現されている国家は戦争を忌避する可能性がかなり高いと論じ、また、アメリカはそうした正義が実現されていないがゆえに侵略をする、と論じます。

2011-02-07 22:56:32
amtn @katatemaru

@harutani 戦争は悪ですが、実際に戦争を行うとき、そこでは必ずや政治家が判断しなくてはならなくなります。戦時行動を討議によっては決定できない。ロールズは「正しい戦争」を規定しようとしたのではなく、どのように戦争を防止するのかに焦点をあてようとしているのだと思います。

2011-02-07 23:04:39