ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』に「ヲタクの性格は幼稚だけどその幼稚さこそ尊い感情」といったイデオロギーは存在するか?
- highland_view
- 11761
- 21
- 1
- 1
@adenoi_today 私自身の趣向としてはゆうきまさみの漫画版より押井版の方を評価しているというだけであれを成熟と捉えるのかは各々の読者なり視聴者なりが判断すればよろしいじゃないかと思うのですけど。
2016-03-10 18:57:03@Sensyu_Chris やー、私も「千秋さんがそういう見方する理由が分かんない+そういう見方をするのに挙げてる根拠が微妙」って言ってるだけなんで。
2016-03-10 18:58:47@adenoi_today もちろん押井の手掛けた初期OVAと伊藤和典氏のTVシリーズと新OVAにも弱点はありますよ。(いずれも一話完結のコメディ話としてのインパクトが強過ぎて、キャラクターの掘り下げが出来てない)それで、いきばりP2の野明の台詞を吐かれてもあんまりピンと来ない。
2016-03-10 19:03:38@Sensyu_Chris いや別に私は「押井版だってダメじゃねーか」って主張はしてないです。「ゆうき漫画を成熟が描けてないと評するのは理想の「大人の成熟」像が狭くないですか?」という意見。まー「俺はああいうのを成熟と呼ぶのは嫌い」と言われたら何の反論も出来ませんが。
2016-03-10 19:06:49@adenoi_today TVシリーズや新OVAで取りこぼした描写は補完するには小説版を読むしかないんですけど、あいにく私は全部読んでるわけではないので何とも言えんのですけど…
2016-03-10 19:08:53やはり漫画版パトレイバーを攻略するためにはクドカンの『木更津キャッツアイ』は見とくべきなんじゃないかと思えてきた…(何のこっちゃ
2016-03-10 19:12:11@adenoi_today そういうご批判は甘んじてお受けしますけど、それでも文庫版8巻の16話の「とげとげしい三日間」の辺りとか読み返すとチトツライですね…
2016-03-10 19:18:21やはり漫画版パトレイバーに足りないのは野明とイングラムの関係を「ただのママゴト」だと否定する「とらドラ!」の川島亜美ちゃんのようなサークルクラッシャー兼スクールカースト的リアリズムの体現者だったんだなと思う。
2016-03-10 19:25:13「レイバーが好きなだけの女の子でいたくない」
P2野明の「レイバーが好きなだけの女の子でいたくない」って、全く良いセリフとも、モラトリアムとの決別(ある種の成熟)とも思えないんですよね私は。これには野明に全く興味が持てない押井守による「レイバーが好きなだけの女の子」であるという評がベースにあると思いますが、それは正しいのか。
2016-03-10 18:29:48半分ぐらいは嫌がらせのような台詞だと思いますが、例えばマンガ版を無視して劇場版の設定だけ見ても、野明はイングラムに執着していた特車二課を出て、篠原重工のレイバー開発部テストパイロットをやっている。レイバーが好きでないと出来ない仕事なのは確か。だが「好きなだけ」が出来る仕事なのか?
2016-03-10 18:41:29@highland_view あれ「『レイバー好きな自分』に甘えて挫折を経験した泉野明」て描写が何らか無いと成立しない台詞ではあるんですよね。で、そこは二課から出た後に何かあったんやろなって脳内補完するので、個人的にはP2って完全にパラレル扱いで脳内処理してたりしてなかったり。
2016-03-10 18:37:23@adenoi_today そうですね。でも挫折して北海道の実家にいたり、レイバー雑誌の記者とか直接関係ない仕事につくわけでもなく、篠原重工のレイバー開発部の専属テストパイロットをやってるわけなんですよね(この後、レイバー乗るからレイバー乗りは続けてないといけない)。
2016-03-10 19:23:37後藤喜一のロマンチシズム
これはブログで書く予定のパトレイバー記事で書く予定ですが、マンガ版にせよ、劇場版にせよ、特車二課あるいは第二小隊にもっとも帰属意識をもっているのは後藤喜一だと思うんですよね。マンガ版と劇場版の後藤は違う点も多いですが、そこは共通している。
2016-03-10 18:44:54例えば、P2では、後藤だけが特車二課第二小隊で隊長をしてるわけですが、そこにいる「帰っていいですかね?」の現隊員たちとは完全に断絶している。その上で後藤が何か大きなことをやるときに呼び寄せるのは、すでに卒業したかつての第二小隊のメンバー。先の野明の台詞もその過程で発せられる。
2016-03-10 18:48:35かつての仲間と最後の花火を挙げる、みたいなところに、押井守のロマンチシズムを私は感じてしまう。革命の同志というか、最後に「結局俺には、連中だけか」と後藤は言うけど、そもそも劇場版の後藤には最初から「連中」以外の選択肢はない。南雲さん(ナナイ)に振られた今、当然「連中」しかない。
2016-03-10 18:59:01マンガ版の後藤は、担任教師(聖職)でありすぎる問題を抱えているけれど、その代わり、やる気のない現隊員とも断絶せずにそれなりに組織運営をするだろうし、かつての部下を引き返せない非合法活動に誘ったりはしないでしょう。それが良いのか悪いのかというのは別にして、そういう違いはあると思う。
2016-03-10 19:00:27もちろん警察の日常職務を続けていく連載マンガと、劇場版にふさわしい大事件を起こして2時間の間に解決する映画というフォーマットの違いによる影響も大きいはず。だから、物語のあらゆることを個人の作家性という事にしてしまうのもおかしいと思うけどね。2人の後藤の違いに関しても。
2016-03-10 19:03:34P2の後藤は、かつての第二小隊メンバー呼び寄せて、彼らに第二小隊の制服着せて、イングラムに乗せるじゃないですか。もちろん東京の危機にかつての仲間が集まってくる、というのは物語展開の定番ですが、でもこの主体が後藤であるがゆえに、ある種のかつての夢を見るようなロマンを感じてしまう。
2016-03-10 19:12:51劇場版も私は大好きだから、別にそれが悪いわけではない。ただ失われた第二小隊の夢を見たいのは、すでに卒業して他で仕事をしている野明や遊馬ではないんじゃないかな、とは思う。それは後藤だし、押井守だし、もちろん観客の私たちが見たい夢でもある。そういうものとしてすごく好きです。
2016-03-10 19:17:06ちなみにマンガ版の野明たちの成熟に問題があるとは全く思っていなくて、後半のまとめ方は、成熟ではなく、割り切ったものと思っています。その割り切りを一種の成熟と呼べない事もないでしょうが。個人的には大人になるうんぬんは置いておいて「少年マンガ」の主人公として割り切らせた印象です。
2016-03-10 19:29:24だから「マンガ版は成熟を描けていない」という批判はありえると思います。ただ作者も承知の上で成熟を放棄して、素朴な正義感で少年マンガの主人公泉野明を立たせた気がします。(割り切ることで)迷いなく説教して正義を執行できるような存在として。だから太田も遊馬も必要がなくなっていく。
2016-03-10 19:33:02