とある男のプロポーズの顛末

さて、である。予定ではこの後、屋上である「スカイデッキ」という日本最高峰の屋外展望スポットにてプロポーズをする予定であったが、時間配分をミスって、最終入場の19時半ギリギリまで食事をしていた。
2011-02-09 02:11:35
小走りで受付まで駆けつけたところ、終了しましたの立て札。やべえ。勢いで受付の人に聞く。「もう終わっちゃいましたか? ギリギリ入れませんか??」
2011-02-09 02:13:04
受付の人が奥の人と話をして、戻ってきた。「では、お客様で最後ということで」ありがとう受付のお姉さん! っていうかコレは来てる! この運のよさは成功フラグだろ!!?
2011-02-09 02:14:02
しかし、だ。お姉さんは早口で説明をする。「スカイデッキは安全上、携帯電話と貴重品以外の品はそちらのロッカーにお預けくださいますようお願いいたしております」ええええええええええ
2011-02-09 02:15:26
動揺を隠しつつ屋上へ。夜景めっちゃ綺麗だが風めっちゃつよい、めちゃくちゃ寒い。想像以上に寒い。逆に良かったわ。こんなとこでプロポーズとか心も凍えてしまっていたかもしれなかった。
2011-02-09 02:18:10
夜景を堪能して下る。どうしようかと思ったが、展望台内に人気の少ない窓際の席があるカフェがあったので、そこで決行することに予定変更。人気が少なくなった方がいいかなと思ったので、結構前に森美術館に寄る事に。
2011-02-09 02:21:15
この森美術館、「小谷元彦展:幽体の知覚」という企画展をやってたんだが、これめっちゃすごかった! 衝撃を受けた。これについてもいろいろ語りたいのではあるが、横道にそれすぎるのでまたの機会に。美術館を楽しみ、カフェの窓際席に座る。
2011-02-09 02:25:03
とりとめもない話に受け答えしながら、覚悟を練る。彼女のドリンクがカップの半分を過ぎたら、と切り出すきっかけを図る。「これ美味しいー!」あっという間に半分を過ぎる。準備できるか! 違うきっかけを探す。
2011-02-09 02:28:29
よし、30秒会話がなかったら、切り出そう。無言。無言。10秒。20秒。「そういえば引っ越しのレンタカー借りなきゃね」それ今する話かw こういうときに限って話は続く。
2011-02-09 02:30:10
「わあ!」ハートのリースを見たリアクションは上々だった。「いや、実はこれはおまけなんだけどね。本当に贈りたいのは、言葉」と言って、手紙を取り出した。音読した。
2011-02-09 02:32:11
最後に「ぼくと、一生死ぬまで一緒に居てください。だから、結婚してください」と言ってリースを差し出した。彼女はこういう雰囲気に慣れていないようで、なんのドラマチックなタメもなく即「はいー……」といって受け取った。あっさりであった。
2011-02-09 02:34:26
ま、一週間前に二人でゼクシィ買ってるような出来レースではあったのだがな。しかし荷は下りた。ほっとした。彼女は泣くかと予想していたが、にへらにへらしていた。「なんかにやけちゃうねー」と嬉しそうだった。良かった。
2011-02-09 02:35:57
その後、はしゃぐ彼女の勢いに負けて、恥ずかしながらもリースを持って東京タワーをバックにツーショットを撮ってもらった。真っ赤なハートを中央に支えあうバカップルであった。
2011-02-09 02:37:31
これで終わりかな。その後は普通に帰宅。帰りの電車内で「こういうのって親とか友達とかにどう報告すればいいんだろうね!」とかって嬉々としている彼女を傍目に、私は一日をなんとかプロデュースしきった疲労で眠気に襲われ、ぼうっとした意識の中で笑っていたのでした。ちゃんちゃん
2011-02-09 02:40:17