『100日後に退職する47歳』完結後の「47歳」さんは今?実体験に基づく日々の裏側を聞いてみた
Twitterには日々、多くの漫画が投稿されている。その中でこの夏から秋にかけ、ひときわ話題を呼んでいた作品がある。「元アプリ開発者47歳」(@tome_ura)さん作の『100日後に退職する47歳』がそれだ。
100日後に退職する47歳
1日目 https://t.co/4J6NK8mI8Y
— 元アプリ開発者47歳@100日後に退職する47歳 (@tome_ura) 2021年7月13日
IT企業に起こりがちなデスマーチから抜け出し退職するまでを描いた本作は2021年7月23日にTwitterに投稿され、10月23日に「100日目」を迎えて完結。漫画はTogetterでもまとめられ、40万PV以上のアクセスを集めた。
「退職」というエンドがわかっているにも関わらず、主人公の「47歳」さんの置かれた環境や職場の人間関係に「見ていて胃が痛い」「地獄しかない」「現実味がある」と多くの読者をざわつかせてきた。
100日目に47歳さんが職場を後にして物語は完結したが、その後どうなったのかも気になっている人は多いだろう。トゥギャッチ編集部がコンタクトを取ったところ、今作についての裏話やその後について答えてくれた。
『100日間』は47歳さんが経験したリアルな日々
100日間のエピソードは実際のところ、いつ頃の話なのでしょうか。
細かいエピソードは、最近5年くらいの間に自分の周りで起こったことを元に、多少脚色などもして漫画にしました。退職については3年くらい前に行った転職活動と、今年に入ってから行ったいろいろな活動を元にしています。
リアルタイムにしてしまうといろいろな方にご迷惑がかかるかもしれないので、あまり直近で起こったことを描くのは避けました。
2日目を描くか決めていなかった
エンジニアの方だけでなく、異業種の読者からの反響も大きかったですね。
フォロワーさんが400人くらいの状態で1日目をアップしたのですが、最終的にフォロワーさんが6万人を超えて驚いてます。
そもそも1日目をアップした段階では2日目を描くかどうか決めていなかったので、100日間続けられたのは読んでいただき、コメントをくれたみなさんのおかげです。
反響が大きくなるにつれてプレッシャーも出てきましたが、多くの人に自分の作品を読んでもらえたのはとても嬉しいです。
ご家族は漫画のことや反響はご存知ですか。
娘(10歳)はいろいろなユーチューバーの方とフォロワーの数などを比較して、反響の大きさをある程度理解してくれているようです。
妻はツイッターやってないので、夫の活動にあまり興味ないようです...。

「ブラック企業」と言われて
読者から「47歳さんの会社はブラック企業だ」と言われていましたが。
一般的に会社は良い面も悪い面も持っていると思うのですが、今回、悪い面に注目して表現したのでそのように見られたと思っています。
ただ、ご指摘のようにブラック企業的な要素も結構もっているのは事実です(笑)。が、去年までは納得できる評価をもらっていたので、そんなに辛くはなかったです。
会社の説明次第では退職しない選択も
99日目では「お金も欲しかったんですけど褒めて欲しかったんですよね」とありました。もしも「褒めて」くれていたとしたら…説明次第では退職しなかった、ということはありますか。
残業代に関しては、元々の年棒にみなし残業代が含まれていたので気にしていません。ボーナスに関しては仮にゼロでも、会社の説明次第では退職を決意するといった結果にならなかったと思います。
世の中の経営者の方々に、社員はこのように感じているということが伝わればうれしいです。

さて、最も気になる47歳さんの現在。「映画化しませんか」という声もかかっていたが…
今後、お仕事の状況は…?
漫画の通り退職しましたが、以前の同僚がツイッター経由で誘ってくれたので、その方の会社に転職予定です。ツイッターいろいろ有用です...。
これからもTwitterに作品を投稿されますか?
最終日の後のツイートにも書いたのですが、この内容でも100日間毎日(途中2日休みましたが)更新するのは予想以上に大変でしたので、今後の作品発表のスタイルは検討中です。
電子書籍版『100日後に退職する47歳』発売決定
Twitterに投稿された100日間に加え、退職後の出来事を描き下ろし漫画10ページをまとめた電子書籍が11月8日に発売される。1日目から100日目までを総まとめ・振り返りたい人はぜひ。

書籍情報
作者:TOME(元アプリ開発者47歳)
価格:440円 (400円+税)
出版社:ブリック出版URL:https://booklive.jp/product/index/title_id/10004365/vol_no/001