〔「【溶融燃料の石棺化】白紙にして声を聞け」福島民報論説の紹介と、個人的考察〕

東電東日本原発事故の処理方法として、「石棺化」という言葉が選択肢として初めて示されたところ、福島県内から反発の声が多数上がりました。その代表として、最大地方紙「福島民報」の論説文を紹介し、個人的考察を加え、まとめました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

『福島民報』論説 【溶融燃料の石棺化】白紙にして声を聞け ( 2016/07/15 08:51 カテゴリー:論説 ) minpo.jp/news/detail/20… 以下、引用紹介し、個人的考察を加える。

2016-07-15 21:33:18
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

1 東京電力福島第一原発の廃炉技術の研究・開発を担う原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)は、新たな戦略プランで溶融燃料を建屋内に閉じ込める「石棺」方式に初めて言及した。 @karitoshi2011

2016-07-15 21:33:47
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

2 溶融燃料の状況が次第に明らかになり、困難とはいえ取り出し技術の開発を進めようとする段階での「石棺」方式の記述にどんな意図があるのか。 @karitoshi2011

2016-07-15 21:34:27
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

3 周辺市町村の首長が怒りの声を上げているのに対して、NDFは「検討の事実はない」と打ち消しに走っている。それならば、戦略プランを白紙に戻した上で、地元の意見を聞くべきではないか。 @karitoshi2011

2016-07-15 21:35:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

4 新たな戦略プランは「石棺」方式について、長期にわたる安全確保に難点があるとしながらも原子炉建屋の補強などによる当面の閉じ込め確保に効果があるとした。 @karitoshi2011

2016-07-15 21:35:59
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

5 溶融燃料の取り出しが大前提だが、今後明らかになる内部状況に応じて柔軟に見直しを図ることが適切とした。戦略プランの文面は、分かりにくい表現の中に、県内への固定化につながりかねない新たな選択肢を紛れ込ませた印象を強く受ける。 @karitoshi2011

2016-07-15 21:36:37
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

6 「石棺」方式は、30年前にソ連時代のウクライナで起きたチェルノブイリ原発事故で取られた対策だ。放射性物質の拡散を防ぐため、原子炉周辺をコンクリートで覆った。老朽化で崩落などの懸念があるため、「石棺」を新たなシェルターで密閉する作業が進められている。@karitoshi2011

2016-07-15 21:37:29
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

7 福島第一原発については、政府が示している廃炉工程表に基づき、溶融燃料が最終処分場に運び出され、更地となって終了するというのが県や地元市町村、地域住民の共通認識だ。原発事故前から県は原発の使用済み核燃料の速やかな持ち出しを求めてきた。@karitoshi2011

2016-07-15 21:38:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

8 事故によって溶融燃料となっても基本的な考え方を変更はしていない。避難指示解除後の住民の帰還、まちづくりは溶融燃料が福島第一原発内にないことが前提となっている。「石棺」で溶融燃料が長期保管される状況が続けば影響が出かねない。@karitoshi2011

2016-07-15 21:38:46
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

9 4月にいわき市で開かれた初の国際廃炉フォーラムの記者会見で、NDFの山名元理事長は溶融燃料の取り出しについて「全部取り出すのは基本。その信念は変えない。(チェルノブイリ原発のような)石棺では何の答えにもならない」と発言していた。@karitoshi2011

2016-07-15 21:39:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

10 わずか3カ月後、戦略プランは方針転換とも受け止められるような内容となった。どのような議論の過程を経て、「石棺」に言及する戦略プランが決定されたのか。全く理解できない。(安斎康史) @karitoshi2011

2016-07-15 21:39:45
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

以上、引用終了 福島民報( 2016/07/15 08:51 カテゴリー:論説 ) minpo.jp/news/detail/20… @karitoshi2011

2016-07-15 21:40:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

以下、考察1 論説執筆者や,関係する記事を書いた記者、ニュースにコメントした首長たちは、引用7に書いた「廃炉工程表」の通りに「廃炉作業が進んでいく」という「共通認識」に基づいて言葉を発している。が、その「廃炉工程表」には、何の科学的裏付けも存在しない。@karitoshi2011

2016-07-15 21:41:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察2 そもそも、原発事故が深刻化した理由は、原発で使用している燃料が、一度制御不能に陥って、溶けてしまう事態に陥れば、制御できるように戻す方法が、技術的に存在しない。燃料の温度を落とし、核反応を抑えることはできても、崩壊熱の発生を失くす技術はない。@karitoshi2011

2016-07-15 21:41:51
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察3 今回の事故では、確認されているだけでも、原子炉3基がメルトダウンを起こし、その中の2基では爆発も発生している。2号機からも大量の放射性物質が外部に流出したことが分かっている。そして、詳細については、未だに不明だ。 @karitoshi2011

2016-07-15 21:42:34
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察4 私自身が、政府官僚との公式の質疑応答の中で、「事故で原発から外に出た核種の種類と、放射性物質の総量について、日本政府は少なくとも今のところ、計算さえするつもりがない」という回答を得ているが、事故の実態について、日本政府は事故の詳細を知ろうとしていない。

2016-07-15 21:43:09
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察5 起きている事故の詳細を知ろうともしない、不誠実な政府が、「廃炉工程表」に関してだけ、被災地や被害者との約束を守る、などということは、私には信じられない。今回の「工程」で最も困難なことが、燃料の所在確認と、燃料の取り出しだから、尚更だ。@karitoshi2011

2016-07-15 21:43:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察6 「工程表」を実現する事にまじめに取り組もうとするなら、できるだけ早く、「原子炉内にあった燃料がどこにどのように移動、拡散し、現在はどこにどのような状態で存在するか」を知るための技術開発を全力で実行しなければならない。まだ、地球上では開発されていない技術だからだ。

2016-07-15 21:44:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察7 私が知る限り、日本政府は「事故原発から燃料を取り出すための技術開発」に、真剣に取り組んでいるようには見えない。いくつかのグループが、限られた予算の中で、限られた部分の技術開発を細々と行っているだけで、まるで「何もしていないわけじゃない」という「言い訳」のようだ。

2016-07-15 21:44:53
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察8 「工程表」によると、「廃炉作業」終了は、最長で40年以内に達成するということになっている。が、40年ではセシウム137の2回目の半減期さえ来る前で、多くの放射性核種は、1回目の半減期にさえ達していないので、人間が直接、燃料だったものに近づくことさえできない時間だ。

2016-07-15 21:45:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察9 電子系の機器は、放射線が強い場所では稼働できないので、歯車やベルトなどを組み合わせた機械を、さらに遠隔地から操作する以外には、燃料だったものに近づけない。技術開発をしていないわけではないが、40年で、細かい作業を達成できるところまで技術が進むとは思えない。

2016-07-15 21:46:24
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察10 そもそも、原発を日本で使うと決めた時点で、「今後の科学技術の進歩で、これからの課題はすべて解決する」という、無責任な前提が語られていたことを考えると、今の無責任な未来へのツケ回しは、日本の核開発の正当な後継の立場に立っているとも言えるのだが。@karitoshi2011

2016-07-15 21:46:57
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察11 核燃料の取り出しが不可能だ、ということと、事故原発の地下部分を地下水や海と完全に遮断することが不可能だ、ということを、私は繰り返し指摘してきた。もはやそれは、私の個人的な主張ではなく、多くの人が認めざるを得ない事実になっている、と言えるだろう。

2016-07-15 21:47:40
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察12 「それは、約束が違う」と言いたくなる地元関係者の気持ちは、私にも痛いほどよくわかっているつもりだ。だけど、私は、次のように言わなければならない。「福島県民の圧倒的多数は、原発と、放射性物質の扱いづらさをなめていたのだ」と。元になど、戻せない。泣いても叫んでも。

2016-07-15 21:48:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

考察13 「約束」をする時に、最初から守るつもりなどない人間も、世の中にはいるものだ。まして、その「約束」を守る義務が「組織」にある場合、「約束」を結ぶ個人は、いざとなったら組織内の別の人間に責任を押し付けて逃げるつもりでいることなど、さほど珍しいことではない。

2016-07-15 21:48:54