【新機能】作り忘れたまとめはありませんか?31日前まで期間指定してまとめが作れる高度な検索ができました。有料APIだからツイートの漏れはありません!

ヴォイドアクセラレーター#2 加速する時◆2(終)

時が加速する瞬間を見たことがあるだろうか。それは突然崖から身を投げるように、全てを抱え込んで、何もかもを……。 魔力加速装置を巡る開発者の話です。 最初↓ #1 ◆1 http://togetter.com/li/1000723 続きを読む
文学 Twitter小説 書籍 減衰世界
365view 0コメント
このまとめをお気に入りにして応援しよう!
0
ログインして広告を非表示にする
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 20:25:12
_ヴォイドアクセラレーター#2 加速する時◆2
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 20:32:12
_メアレディ……日傘を差した長髪の女吸血鬼。彼女がいまいるのはルーデベルメ工廠ギルドの実験地だ。  帝都の大きな空地を利用した実験区域。元は巨大工場だったという更地にはいくつもの爆発の跡。メアレディはミクロメガスに命じられてここにきた。 41
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 20:37:01
「よろしく頼むよ」  メアレディの隣にいるくたびれた研究者は、ゼミールだ。その両手には奇妙な小手がはめられている。 「こんなに早く完成したと聞いて、ミクロメガス様はお喜びです」  天使のように笑うメアレディ。 「期待してくれよ」 42
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 20:44:31
「それで、ヴォイドアクセラレーターに必要不可欠なものって、何なのでしょうか」  メアレディは天使の表情のまま首をかしげる。ゼミールはまるでいたずらっ子のように牙をむいた。 「教えたら止めるに決まってるからな。さぁ、魔力を加速させるぞ!」  ゼミールは突然小手を掲げる! 43
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 20:50:58
_魔力の風が巻き起こり、土煙を立てた。青空が、視界が霞む。メアレディは止めようとしたが、逆にゼミールは彼女の動きを止めた。 「魔法陣が発動している。ここはおれのルールで動いてもらう」 「なるほど……完璧な性能ですね。お遊びをする理由はなんです?」 44
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 20:56:20
「研究資料はおれの家に全部まとめてある。家ごと寄付する。もういらないからな」 「どういうことです?」 「おれは加速された魔力の先へと行く……」  ゼミールの目はもはやメアレディを捉えていない。その先、ずっと先を見ていた。 「言いたいことが分かってきました」 45
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 21:00:58
_カビのようなものがゼミールの全身に広がっていく。ゼミールは独り言のように解説した。 「生贄が必要なんだ。神の力を借りるからね。電力くらいなら生贄はいらない。けれども魔法陣を制御するとなると、さらに一段階上の権限が必要になる。ヴォイドに身を捧げる必要がある」 46
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 21:04:59
「もちろん毎回じゃあない。最初の1回だけだ。試作型を二つ、この世に残すよ。後は好き勝手やってくれ」  メアレディは眉をひそめて、笑った。 「しょうがないですね、旅の先でも、お元気で」  ゼミールは手を振った。そして……消えた。 47
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 21:09:52
(旅の先か……)  超高速で加速していく魔力の流れの中を、ゼミールは泳いでいた。まるで流星雨を一束にまとめたような光のチューブを、彼は進む。 (これを予知したんだ、見てしまったんだ、あいつは)  助手とはいえ、同じ道を進む同志だった。 48
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 21:15:45
(そりゃあ、時を加速させたくなるよ。きっとあいつは待っている、この光の先で……必ず!)  光の粒子が加速する先に……巨大な暗黒が口を開けていた。 「これが、ヴォイド……」 「そう、あなたが辿り着きたかった場所」 49
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 21:23:29
_見知った声が傍にあった。 「いいや、違うよ」  巨大な暗黒は、まるで暖かいスープのような、優しさに満ちていた。 「二人で、辿り着く場所だ」  そして、二人は加速していった。まだ見ぬ、ヴォイドの深淵へと……。 50
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 21:24:12
_ヴォイドアクセラレーター(了)
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 21:31:08
【用語解説】 【生贄を好む神】 神によって生贄を好むか好まぬかは個人差があるが、大抵は喜ぶ。ベルベンダインは好む方の神で、特に生娘の生贄を喜ぶ。殺された生贄はヴォイドと同化し、ベルベンダインの騎士と呼ばれる配下になる。暗黒の鎧に無数の眼球が開く、異形の天使である
減衰世界 @decay_world 2016-07-21 21:36:07
【次回予告】 願いが叶う泉を観光しに現れた一組の新婚夫妻。井戸の底で二人が見たものは……闇に待ち受ける罠、そして追跡する吸血鬼! 次回「願いが叶う井戸の底で」 全50ツイート予定。実況・感想タグは #減衰世界 です

ブックマークしたタグ

あなたの好きなタグをブックマークしておこう!話題のまとめを見逃さなくなります。
ログインして広告を非表示にする
ログインして広告を非表示にする