#完全ノープラン艦これ与太話 【アンセム・オブ・プロジェクト・サタン　丙：ブラック・オンスロート】

春魔解丼 @vespiking

もう1隻の駆逐艦は頭部が半分吹き飛び、また全身にも大量の鉄骨、艦載機などが突き刺さっている。随伴空母の爆発に巻き込まれたか。ナムアミダブツ……。「装甲空母に駆逐艦。ワンカップベイの大鳳と、春風だ」那智は冷静に死体をあらためる。「いずれも相応の手練だ。警戒するぞ」 #KZNPLN

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「……初春総司令は、付近にはいないようですね」「果たして逃げおおせたか、或いはネギトロに混じってアブリ・スシになったか。何れにせよ協力などは期待できんだろうな」その時だ！付近で再び爆発！明らかに大火災の根源だ！「総司令が近い！行きましょう！」 #KZNPLN

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下層外部は今や全域が炎に包まれ、ヒケシの大部分が壊滅し、各艦艇が入り乱れた混戦状態に突入していた。「ウオオーッ！」長波はドリルカラテ・トビゲリで炎を散らし、一直線にヘルズゲートへと向かう！「キエーッ！」「グワーッ！」その横あいから火炎放射が浴びせられる！ #KZNPLN

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ドリルカラテ乱気流で火炎の直撃を避けた長波は熱に耐えかねトビゲリ中断！「速吸＝サン！ナイスですよ！イヤーッ！」そこへカラテ魚雷が殺到！「ブッダエイメン！」テングオメーンを装備した防空駆逐艦が長波を空中で掴み、ジェット噴射できりもみ飛行回避！ #KZNPLN

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「何だかよくわからんが助かったぞ！」「私は防空天狗。かの補給艦をたぶらかす悪魔を、そして伏魔殿に潜む偽神をこそ滅ぼす為に生まれた者。悪魔の犠牲者をこれ以上増やしてはならない……」「本当によくわからんが、とにかくありがとう」長波はこの者への詮索を止めた。 #KZNPLN

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「イヤーッ！」攻撃後の隙をつき、速吸の背後へ朧が回り込む。速吸は火炎放射の出力を引き上げ、その反動で背面から体当たりをしかける。「キエーッ！」「グワーッ！」朧の船体が強く打ちのめされる。だが！「ウ、ウグゥーッ！？」呻き声をあげたのは速吸だ！おお、彼女の背を見よ！ #KZNPLN

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速吸の背には巨大なハサミを持つ殺人ズワイガニが、マンリキめいた力で喰らいついているではないか！「グワーッ！コノーッ！」振り払わんとする速吸の腕は虚しく空を切る。手が届かない！殺人カニはこの人体工学的死角を、誰に教わるでもなく知っている。狩りのためだ。自然の知恵！ #KZNPLN

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「速吸＝サン！そんなカニ焼いちゃえ！イヤーッ！」「アババーッ！」ピュリプレゲトンは手加減したカトンを速吸の背に飛ばした。速吸も当然無傷ではないが、カニは……無事！「バカナーッ！」海底火山の火口で生きるある種のカニは、凄まじい高熱にも耐えるという。自然の神秘！ #KZNPLN

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「イヤーッ！」だが、おお、ナムアミダブツ……。いかな自然の寵愛をうけたカニの生命力であろうと、ニンジャのカラテの前では茹でたカニ料理に等しい。ピュリプレゲトンのチョップを受けたカニはあるじの髪色に似たカニミソを散らし、死んだ。「カニ＝サン！ああ……」「アブナイ！」 #KZNPLN

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コンマ1秒前、朧のいた地面に弾痕が穿たれる。防空天狗はすんでのところでこれを察知し、朧を引き倒していた。「ド、ドーモ」「……」防空天狗のオーメンの下の顔が少し笑った気がしたが、朧は気のせいだと思った。朧に彼女の素顔を知る術はないのだ。――天狗に抱えられた長波は！？ #KZNPLN

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長波は既に跳躍していた。砲弾の主に向かって！「イヤーッ！」「イヤーッ！」ドリルカラテ空中回し蹴りを回避したトランゴタワーは長波とタタミ3枚分の距離をあけ、竹林上空をクモの巣めいて走る多数の足場のひとつに着地した。「ヘヘヘェ！大将首でも落としに来たか！ヨクバリ！」 #KZNPLN

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トランゴタワーの輪郭は闇の中でおぼろげに霞む。「ヒヒヒ、いいぞ。アタイを潰してどうなるかな？答え合わせといこうじゃあないかッ！」闇が震え、トランゴタワーは音もなく長波の頭上にいた！「イヤーッ！」響くカラテシャウトは長波のものだ。背後に振られたパンチは空を切る。 #KZNPLN

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その時既にトランゴタワーは長波の脚部に向け、水平蹴りを放っていた。「グワーッ！」大腿部を蹴り抜かれ、バランスを崩す長波のマウントをトランゴタワーは既に奪っている！「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「イヤーッ！」「グワーッ！」「グワーッ！？」 #KZNPLN

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爆発が起こり、ラッシュをかけていたトランゴタワーが吹き飛ぶ！「……よし、よくやった」「総司令！」不知火が壁面をキックで登り、素早く駆け寄る。「全く、無茶苦茶な奴だ」側面からVT信管ランチャーを叩き込んだのはランドグリーズだ。何たる即席かつ最低限伝達による連携か！ #KZNPLN

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空中で不可思議なもやを纏ってウケミし、足場下の鉄筋をモンキーめいて跳び渡るトランゴタワーを阿賀野の機銃掃射が阻む。「チィーッ！」トランゴタワーは闇の中からギョライ・ダートを投擲し牽制するが、躱される。違和感。先ほどから、命中率と回避率がワンランク落ちている。 #KZNPLN

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「ハァーッ！ハァーッ！」「使え」ランドグリーズは違法高濃度バケツ液を長波に投げ渡した。長波は呼吸を整え、ぐらつく足へバケツ液を注射する。「グワーッ！」「話には聞いていたが、命知らずな奴だ。貴様一応司令官だろう」「……」長波は俯いたままだ。「貴様、何を焦っている」 #KZNPLN

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トランゴタワーはしばし攻撃を止め、立体的に動き続ける。眼下では合流したピュリプレゲトン、ヘルズゲート、速吸の3隻が長波らと交戦。「イヤーッ！」阿賀野の弾幕を嫌って回避した先に、長門。コンパクトだが破壊力のあるショートフック。だが狙いに若干のズレ。難なく回避。 #KZNPLN

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拳を振り抜いた隙を即座にキャンセルし、ハイキック。常人の動きではない。筋肉の賜物だ。こちらは正確にトランゴタワーの即頭部を狙う。直撃すれば首を刈られ死ぬだろう。腕の装甲でガードし、相応のダメージを受けながら吹き飛ばされる。こちらの命中は阿賀野のそれとは違う。 #KZNPLN

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長門のそれは弾着観測に近い連撃だ。奴の筋肉はそれ自体が考える頭脳であり、観測する目であり打ち砕く砲なのだろう。筋肉が届く範囲内において長門の命中率はトランゴタワーの回避率を上回る。だが阿賀野や長波はどうだ。連中は上回っていない。肉薄するのみだ。距離を問わず。 #KZNPLN

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「ピュリプレゲトン＝サン！ニューカマーどもを焼き殺せ！全員だ！それが手っ取り早い！」トランゴタワーの指示を受け、ピュリプレゲトンが嬉々として炎を放つより先に、阿賀野が動いた。その指向性をトランゴタワーは見逃さない！「そうか。そいつか！イヤーッ！」 #KZNPLN

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不可視の弾丸めいたトランゴタワーが一直線に、早霜へ飛ぶ！「イヤーッ！」不知火はカタナでこれを受けるが、撥ねるように早霜の頭上へ！「くッ……そォォッ！」長波はドリルカラテ上段回し蹴りで早霜の頭上を薙ぐが、既にトランゴタワーの影は無し！何処へ？下だ！ #KZNPLN

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ランドグリーズのチョップを回避し、鉄板足場の下に潜り込んだトランゴタワーは床板を貫くハイキックで早霜の真下から出現。「ウオオオオーッ！」長波のドリルカラテ裏拳を弾く。間違いなく精度が落ちている。やはりこの女！「イヤーッ！」ピュリプレゲトンのカトンが遅れて到達！ #KZNPLN

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「私も燃やしたい！イヤーッ！」「イヤーッ！」追撃の火炎放射を阻んだのは朧と防空天狗の連携だ。「貴様の相手は我々だ！」「キーッ！」長波は乱気流でカトンを散らし、高波がその影からアンブッシュをしかける！「イヤーッ！」空を切るカラテ！高波はさらに踏み込む！ #KZNPLN

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「高波＝サン！」長波は反射的にそれに追従した。「ウオオーッ！」だが！「グワーッ！？」音もなく頭上からの一撃！トランゴタワーだ！高波はこれを迎撃せんとするが、回避される！「無駄だ無駄だァ！」そのまま早霜へ！「イヤーッ！」再び不知火のインターラプト！ #KZNPLN

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トランゴタワーはこれを読んでおり、強打を見舞ったが、不知火には通じていない。ムテキ・アティチュードめいた何らかの防御系ジツか。反動跳躍しようとするが、跳躍力が得られない！「イヤーッ！」義手を振り抜くランドグリーズ！「グワーッ！」ヒット！だが浅い！ #KZNPLN