ポジャギ・フォーク・ストーリー
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文献一覧
【文献一覧】 【底本】松谷みよ子『日本の神話』のら書店(2001年新装版) amzn.to/2ayAWzr 『古事記』の上巻をもとに『日本書紀』、『風土記』、地域の伝承などを大胆に取り込んで、いわば〈現代の神話〉を構成している。
2016-08-06 19:23:34また、『古事記』のヤマトタケルや時系列にのらなかった『風土記』逸文などを付加した決定版もある。 『決定版』講談社(2010年) amzn.to/2ayALUW 麗装版なので、無理して『決定版』はすすめない。児童文庫に別の訳者の完訳、抄訳もある。
2016-08-06 19:24:02底本に欠けている、後半部分は、 松谷みよ子『日本の神話(2) ヤマトタケル・赤神と黒神・わににくわれたむすめ』講談社・松谷みよ子のむかしむかし amzn.to/2ayBqWi もある。図書館に架蔵されている場合もあるので、選択肢の1つとして。
2016-08-06 19:24:32【文献(1)】 福永武彦『現代語訳 日本書紀』河出文庫(2005年) amzn.to/2ayDg9O 『日本書紀』は岩波文庫、古典文学全集など原文とともに講談社学術文庫のような完訳もあるが、比較的、平易な大人向けの現代語訳として福永訳をしめしておく。
2016-08-06 19:25:03【文献(2)】 吉野裕『風土記』平凡社ライブラリー(2000年) amzn.to/2ayE3r0 平凡社東洋文庫の廉価版として平凡社ライブラリー。大人向けの現代語訳なので、読み聞かせには十分な下読みが必要。 索引が充実していて地名比定も有用。
2016-08-06 19:25:33比較的、最近の出版になる文庫版の原文として 中村啓信氏『風土記(上) 現代語訳付き』角川ソフィア文庫(2015年) amzn.to/2ayDFsV 現代語訳つきなので、読み聞かせにつかえなくもないが、原文があると煩雑になるので参考程度に。
2016-08-06 19:26:09【文献(3)】 福永武彦『古事記物語』岩波少年文庫(2000年新版) amzn.to/2ayDTAd 陵墓や続柄を欠くが、子供むけの『古事記』の完訳。これと底本、橋本治氏訳:講談社が定番の3本。
2016-08-06 19:26:47角川ソフィア文庫や青空文庫に鈴木三重吉訳の『古事記』もあるが、差別語を含む逸話が全カットされていたり、判型の関係で、必ずしも読み聞かせにはすすめない。 最近の子供むけの抄訳に集英社みらい文庫がある。
2016-08-06 19:27:22異同一覧
底:29頁、(1):50頁、参考(3):33頁。 『古事記』ではスサノヲが天岩戸の後に出雲に下る手前でオオゲツ姫にあって五穀の縁起が語られるが、松谷版『日本の神話』では、『日本書紀』の一書の9(岩波文庫では第十一、58頁)を借りて「うけもちの神」を語る。
2016-08-06 19:28:15底:55頁、(1):85頁。 材木になる樹種の縁起をスサノヲにもとめるのは『日本書紀』の一書の5(岩波文庫では第五、100頁)によることになるのでは?
2016-08-06 19:28:41底:59頁、(2):165頁(訳が難読でこなれてないので、十分な下読みが必要) 出雲国意宇郡の「国引き神話」を『出雲国風土記』から援用する。
2016-08-06 19:29:14底:95頁、(2):97頁。 播磨国揖保(いひぼ)郡揖保里粒丘(いひぼをか)の新羅のアメノヒボコとオホクニヌシの逸話。 オホクニヌシはアメノヒボコに心をゆるさず、海上での宿泊をもとめ、オホクニヌシが飯粒をこぼす。
2016-08-06 19:29:48底:98頁、(2):104頁 播磨国宍禾(しさは)郡比治(ひぢ)里奪谷(うばひだに)のいわれ。 オホクニヌシとアメノヒボコが谷を、うばいあう。
2016-08-06 19:30:31底:99頁、(2):106頁。 播磨国宍禾(しさは)郡御方(みかた)里。 オホクニヌシとアメノヒボコが3条(みかた)の、つづらを、なげあったことから御方里。ヒボコは但馬国・出石(いづし)へ。
2016-08-06 19:30:58底:100頁、(3):195頁。 実はアメノヒボコは『古事記』中巻に新羅国王として登場する。 新羅時代のアメノヒボコの逸話を『古事記』から援用する。
2016-08-06 19:31:24底:103頁、伝承。 nikkenren.com/about/shibiru/… この逸話だけ、原典にたどりつけなかった。兵庫県但馬地方・出石の地域の伝承「瀬戸の岩戸びらき」だと思われる。『播磨国風土記』に伊頭志(いづし)君麻良比(まらひ)という人物も。
2016-08-06 19:31:46底:114頁、(2):107頁。 播磨国神崎(かむさき)郡堲岡(はにおか)里。 オホクニヌシとスクナビコナが、くだらない、あらそいをする。
2016-08-06 19:32:24底:116頁、(2):377頁(岩波文庫310頁) 伯耆国相見(あひみ)郡餘戸(あまりべ)里粟嶋。 『釈日本紀』に引用された伯耆国風土記の逸文(第一類)
2016-08-12 10:52:24解題
松谷の『日本の神話』を評価するのに、村岡花子の『赤毛のアン』から、石井桃子の『ギリシア神話』を経て、松谷の『日本の神話』にたどり着くような、翻訳の児童文学の系譜の、ともすれば最後の輝きとして評価できるのかもしれない。
2016-08-12 12:06:09また、〈中世日本紀〉や本居宣長の『古事記伝』のように、その時代の歴史的背景を背負って、編まれた〈神話〉として、評価できなくもないだろう。いわゆる松谷の『日本の神話』を〈現代の神話〉として、読み解く試みである。
2016-08-12 12:06:35個人的には、もっぱら後者なので、いずれあらためて前者の専門家が「現代民話」の1セクトとしてでも、松谷の『日本の神話』が評価されるときがあるのでは?(個人的に不勉強で知らないだけなのかな?)
2016-08-12 12:07:11