ポジャギ・フォーク・ストーリー

松谷みよ子『日本の神話』のら書店 http://amzn.to/2ayAWzr の『古事記』を離れたテキスト群の出典をしらべてみる。  個人的に違和感のあった部分しか調べていないので、挙げてない部分や、『古事記』にも提示されている部分もあるかも?
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ほおづきン @kagachi_ecm

(例えば那須田氏の『古事記』などは2つ目の意味で『古事記物語』と呼ぶべきモノなのでは?) また、同様に『太平記』『太閤記』のようなタイトルの方が抄訳・荒筋にそくした翻訳になるはずなのに、これらの訳に「物語」がつかないのは前に指摘した通り。

2016-08-21 08:18:46
ほおづきン @kagachi_ecm

まあ、現在の子供むけの古事記の翻訳が、おしなべて『古事記』という書名であるので、戦後のある段階で古事記を再発見する『古事記物語』ブームというべき古事記の子供むけの訳を『古事記物語』と「物語」をつけておこなう潮流があったのでは?

2016-08-21 08:20:10
ほおづきン @kagachi_ecm

また『古事記物語』ブームは他の古典(『太平記』や『太閤記』)には、影響をおよぼさなかった、なんか『古事記』だけが、特別な〈聖典〉とみなされる。戦後の再発見の流れがあったのでは?それが戦後なのも注目しておくべきである。

2016-08-21 08:20:30
ほおづきン @kagachi_ecm

そういえば今思い出した!『萬葉集物語』 amzn.to/2bFZ3Jz があった。『万葉集物語』というタイトルで伊藤博・他の編によるモノもある。『萬葉集』は物語仕立てにした方が読みやすいのは確か。

2016-08-21 08:27:28

なぜ大胆な改変が可能だったか?

ほおづきン @kagachi_ecm

では、なぜ、松谷は『日本の神話』の中で、一般には『古事記物語』と『古事記』が聖典視されるなかで、『古事記』によりながらも、『日本書紀』『風土記』をサブテキストにできたのだろうか?

2016-08-27 18:13:43
ほおづきン @kagachi_ecm

個人的に見通しとしては、やはり〈中世日本紀〉が影響しているのかもしているのかもしれないと思う。松谷は『現代民話考』はじめ、自治体のごとの民話シリーズの編集・執筆にもあたっている。もちろん『日本の神話』のもとになった『むかしむかし』シリーズもある。

2016-08-27 18:14:07
ほおづきン @kagachi_ecm

松谷が民話の収集・編集に従事していた時を同じくして、地域の寺社の縁起など、聖教類の調査・発見がおこなわれ、国文学的な文学作品のネタ本としての地域の社寺の縁起・神話のような立ち位置で〈中世日本紀〉というジャンルが提唱されるのもこの頃になるのではないだろうか?

2016-08-27 18:14:49
ほおづきン @kagachi_ecm

地域の説話大系がゆたかであるとともに、地域に根ざしたリアリティーとして、中央王権神話である『古事記』のヴァリアントとして、地域の説話群が見えていたのではないか?それはどことなく、歴史の流れの中で着くずされた神話としての〈中世日本紀〉と似ている。

2016-08-27 18:15:57

漢文と口語

ほおづきン @kagachi_ecm

ふと野見宿禰の『日本書紀』の原文をおっていて、気になる表現をみつけた。 「則ち当摩蹶速(たぎまのくゑはや)が脇骨(かたはらほね)を蹶(ふ)み折(さ)く(32頁」 これ口承というか日本語では意味の通りにくい表現だよね。

2016-08-30 19:44:54
ほおづきン @kagachi_ecm

というのは、原文の原文というか漢文の表現を見ると、 「則 蹶折 當摩蹶速 之 脇骨(461頁13行」 一二点をうまいこと表現できないので、分かりにくいが「(S)VO」のカタチになっていて、日本語より漢文の方が読み間違いようがない。

2016-08-30 19:45:41
ほおづきン @kagachi_ecm

思うに、野見宿禰の挿話自体が長い間、漢文で伝えられていたのではないだろうか? ともすれば、2世紀後半から3世紀の日本での漢文を伝えているのかもしれない。

2016-08-30 19:46:09
ほおづきン @kagachi_ecm

というのは『古事記』の神八井耳(かむやゐみみ)の記事の中で、 「なね(に)(102頁」は「那泥〔此二字以音〕(493頁3行」 「わななきて(103頁」は「和那〻岐弖〔此五字以音〕(493頁4行」 (〔〕内は割注、一部、私の読みの試案を示す)

2016-08-30 19:47:01
ほおづきン @kagachi_ecm

と、語調を整える助詞や、動詞が漢語ではなくて音写で表現されている。 これは『日本書紀』と『古事記』の編集方針以上に、より所としたテキストの性質が、漢文と口承の物語のように違っていたのではないだろうか?

2016-08-30 19:47:39
ほおづきン @kagachi_ecm

まあ『日本書紀』と『古事記』のテキストの性質の違いって、いい古されたことなのかもしれないし、確かに神八井耳の記事は乙巳の変と構造的に相似で、どこまで古い記事なのか、よく判らないところもあるので個人的な発見なのかもしれないが。

2016-08-30 19:48:31
ほおづきン @kagachi_ecm

個人的に野見宿禰の挿話が2世紀後半から3世紀段階のテキストだとすると、想像をたくましくすれば、野見宿禰は、あるいは狗奴国のヒミクコのことなのでは? と考えてしまう。

2016-08-30 19:49:40
ほおづきン @kagachi_ecm

なんらかの「征服王朝」の神話を、その後の為政者が、新たに盟主連合に加わった出雲系の唯一人に神話を譲渡することによって、新たな盟主連合の起請文にしたのではないだろうか?

2016-08-30 19:50:37
ほおづきン @kagachi_ecm

最初にあげた1文は、話の途中なので、S(主語)の消失は違和感のない話なのかもしれないが、当麻と葛城系をにおわすもののヤマト王権にとっては〈王権〉の〈血脈〉を担保するためには、かなりヤバい話であったのでは?つまり野見宿禰が当麻蹶速を直接に殺(や)ったとは書きづらかったのでは?

2016-08-30 19:51:27
ほおづきン @kagachi_ecm

まあ、この辺は有名どころの話なので、先行研究があるのかもしれない。気づいたことをメモ的に書いておく。

2016-08-30 19:51:52
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