【ヴァルプルギスの華燭】二日目昼――第一の間

昼フェイズ、戦闘
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リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

今回の催しのあと、できることなら旅にでも出てみようかと思っていたのだが森の外はこんな風になっている、いや、これに近いことになっている場所もあるというのが知れたのは良い経験だったのではと頑張って前向きに考えている。等々考えたのを一旦頭の隅に沈めて、 「ヒトの世のことは分からぬが、」

2016-08-12 14:06:18
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

彼なりに答えを返す。 「そういうことも、あるのやも知れぬの」 ここは森の面影はない。確かに樹々はあるけれど、あれは樹々であるだけだ。ヒトの手でこれに近いものを場所を作り出せるのなら、この場所のようになることもあるのかも知れない。森とここは随分と違いすぎるから、現実味が無いけれど。

2016-08-12 14:07:26
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

…異界でなければ、あるいは夢だろうかと彼は呟いた。昼間に、目を開いたまま見る夢かと。

2016-08-12 14:07:56
マリア・ガルシア @ro_akiyui

「そういうことも、あるのなら」 壊れやすい、壊しやすい、繊細な街。人がどれほどの自信を持ってこのような街を築くようになるのかは分からないが。 「それは我らが絶えた後か、我らを忘れた後か……どちらにせよ、それもまた神のお導き。智慧の民、人の世の至るべき通過点なのでしょう」

2016-08-12 14:54:45
マリア・ガルシア @ro_akiyui

その時はその時。マリアは命に沿うのみである。 「さて、少し長話が過ぎたでしょうか」 一歩下がり、二歩下がり、三歩、四歩と距離を開けて、五歩。人の形を模した二本の足を、マリアは大蛇の尾へ変える。 「本題へ移りましょうか?」

2016-08-12 14:55:18
マリア・ガルシア @ro_akiyui

祈るように手を組み、小首を傾げ。マリアはリーズヴォルプに対峙する。

2016-08-12 14:55:23
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

「ああ。どちらにせよ、至るにはまだ先だろうて」 少なくとも世界の全てがこうなるというのは多分途轍もない時間がかかるんじゃないか、と彼は漠然と思う。逆に案外早いのかも知れないが、結局はその時次第だろう、なんて未来に全て投げ捨てて。 「うん、少し話が過ぎたやも知れぬ」

2016-08-12 15:30:10
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

もう少し話をしたいと思いもするがな、と続け、 「しかしながら、語らうならばまたこの後で」 数歩下がったマリアの脚が蛇に変じたのを見て、ほう、と瞬きをして、す、と眼を細める。蜘蛛の次は蛇か。うん、これは、なかなか。 提げていた角を片手で構える。脚を踏みきる用意は出来ている。

2016-08-12 15:30:31
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

「改めて名乗ろう。朽ちた森の捻れた大樹、リーズヴォルプだ。よろしく頼む」 まずは初撃。思い切り地面を蹴り、勢いに乗せ握った角を突き出す。

2016-08-12 15:31:22
マリア・ガルシア @ro_akiyui

互いの距離が縮まり、突き出された角を紙一重で躱す。腕に熱。掠ったらしい。 「それでは私も」 するりと地面を這う尾は音も無く。すれ違うようにその背後へ。白き大蛇の尾は振るわれる。横薙ぎに、払うように。

2016-08-12 17:51:41
マリア・ガルシア @ro_akiyui

「私はマリア。マリア・ガルシア。ラミアと呼ばれるモノによく似たモノ。よろしくお願いしますね」 狙いは後ろ足。そのどちらかを打つか、折るかしてやろうと、尾は力強く。

2016-08-12 17:51:48
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

手応えは軽い。掠めた程度か、と僅かに散った赤を見て思う。のもつかの間、するりと、蛇が通り抜ける。背後に回られたことを察し、 (しまっ、――) 「――があっ!」 避けるのは間に合わなかった。後ろの片脚が痺れる感覚。

2016-08-12 18:24:23
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

「こ、の――!」 もがくように、方向を定めていない、苦し紛れにも似た後ろ蹴り。当たれば御の字、そうでなくても怯んで距離を取られたなら重畳、その間に身体強化で先の一撃の負傷を回復する腹積もり。

2016-08-12 18:24:38
マリア・ガルシア @ro_akiyui

振り抜いた尾に感触。追撃せんと更に振おうとした尾に、今度は衝撃が走る。蹴られた、と認識した時には既に尾を引き、距離を取っていた。本能的な行動だった。

2016-08-12 19:43:03
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

振り上げた脚に蹴りの入った感触。すぐ後ろを振り返って向き直り、身体強化で脚を治す。直ぐとはいかずとも、動くに支障のない程度には。 「……強烈な一撃よ、うん、効いた」 先ほどと並ぶ一撃は1日ぶりである、が、その以前にはあっただろうか。 次は食らってやらぬぞ、と再度角を構え、走る。

2016-08-12 20:13:58
マリア・ガルシア @ro_akiyui

リーズヴォルプの身体が駆ける。マリアは素早く後方へ下がり、視線を巡らせる。物が多い。街路樹、鉄塔、金属の鳥。 速さでは負けるだろう。彼が失速するのは期待出来ない。足を強く打ったにも関わらず走れていることからして、無策で正面からぶつかり合うのが得策とも思えない。

2016-08-12 21:03:54
マリア・ガルシア @ro_akiyui

となれば、距離が縮まる前に、何か、何か—— ——視界の端に、走る四角い鉄の箱、一つ。 マリアは歩道を逸れ、道路へ移る。横断した先で、大蛇の尾を一閃。狙いはリーズヴォルプではなく、走る箱。

2016-08-12 21:04:07
マリア・ガルシア @ro_akiyui

鉄の箱が尾の衝撃により投げ飛ばされる。リーズヴォルプにぶつかれば一番良いが、威嚇としてその身体を一瞬でも止められればそれで良い。

2016-08-12 21:04:23
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

後退するマリアを追いかけ走る。道を渡るのを更に追いかけようとして、 「…な、!?」 重い音と共に飛来する巨大な岩(ではないとは分かるが、名称を知らない)。彼女が尾で跳ね飛ばしたのか、と気付くのは後。 直ぐには立ち止まれない。後退も難しい。となれば。 どうにか横へ跳んで避ける。

2016-08-12 21:42:46
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

避けたものの、勢い余って地を転がった。衝撃に呻いて、それから何だ今のはと跳ねる心臓を宥めながら立ち上がる。あれはさすがに、正面からぶつかるとひとたまりもない。 ……つまり彼は追っていた標的から視線を切った。彼は追うことにやや不慣れであるのだった。それが隙に繋がるとは知っていても。

2016-08-12 21:43:18
マリア・ガルシア @ro_akiyui

動きが止まり、視線が逸れる。この好機を逃す手は無い。マリアは尾を足に変え、助走をつけて跳び上がる。中空にて足を大蛇の尾に変化。そうしてマリアは落下の勢いをそのままに、その尾をリーズヴォルプへ向け叩きつける——!

2016-08-13 00:32:04
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

たた、たん。軽い足音を耳が捉えた。今のは、地を蹴った音か! 顔を上げる。上から大蛇の尾が降ってくる。回避は間に合わない、間に合わないなら。 腕と脚を強化する。上げた腕を交差させ、真正面で尾を受け止める。衝撃。強化していなければ間違いなく腕も脚も使い物にならなくなっていた。

2016-08-13 18:33:50
リーズヴォルプ @varp_m_rizvolp

「ぎ、い、……こ、のぉ!!」 このままでは埒があかない、と踏みしめていた前脚を跳ね上げると同時、両腕も思い切り、吹き飛ばすように振り上げる。

2016-08-13 18:36:17
マリア・ガルシア @ro_akiyui

叩き潰してやろう、と。その勢いでやったつもりであったが、尾は殺すに至らず。受け止められてしまえば、空中に浮く術などないマリアは力の方向に従うより他に無い。跳ね上げられた前脚、振り上げられた腕。マリアの身体はその反動で吹き飛ばされる。

2016-08-13 18:57:41
マリア・ガルシア @ro_akiyui

地面に落ちるのは背中から。辛うじて受け身の真似事をしたが、真似事は真似事だ。両腕で上半身を支え、身体を起こす。背中に痛みが走る。ぐっ、と奥歯を噛み締めた。

2016-08-13 18:57:45