2016年8月15日

「役に立つこと」と「面白いこと」の間 ~哲学カフェ@café ludensより~

【関連まとめ】 ・「遊び」について ~"café ludens"構想~(http://togetter.com/li/982922
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おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

6日(土)に行われた哲学カフェ@café_ludens、おかげさまで盛会のうちに終了しました。飛び入りの参加も続出して、結局、総勢11名もの方にご参加いただきました。今回は、討論のテーマを参加者から募ったところ、「『役に立つ/役に立たない』とは何か?」となりました。

2016-08-07 23:37:37
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

7月26日に相模原の障害者施設で起きた陰惨な事件はご記憶に新しいことと思います。多くの障害者の尊い命を奪った容疑者は、障害者のことを「税金の無駄」、すなわち社会にとって「役に立たない」存在だと決めつけていたという報道もなされております。

2016-08-07 23:39:36
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

この事件の背景に、「役に立たない」(とみなされた)存在は「生きるに値しない」という、歴史上、ナチス・ドイツが極端に推し進めた「優生思想」の影響も読み取れるのではないかと思います。

2016-08-07 23:43:27
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

今回の事件は言うまでもなく極端な例ですが、「役に立つ」存在には価値があり、そうでない存在には価値がないといった価値観は私たちの社会とは決して無縁ではないはずです。

2016-08-07 23:44:27
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

そのような事件の直後ということもあり、のっけから非常に重いテーマとなりましたが、討論の過程では様々な論点や問題提起がなされました。テーマの選定上、社会的かつ具体的な話題も数多くなされましたが、以下がより「哲学的」(と筆者の感じた)な命題の例です。

2016-08-07 23:44:52
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

・「役に立つ/役に立たない」という二元論は、一対一の個人的な関係から一対他(社会、国家)の関係へと移行する過程でその様相も変わってくるのではないか。 ・「役に立つ」ことは本当によいこと(ばかり)なのか。 ・「役に立つ/役に立たない」というのはそもそも誰が決めているのか。

2016-08-07 23:45:15
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

・子どもたちの遊びは「役に立つ/役に立たない」という二元論以前の世界ではないか(いや、子どもでさえも早くからそうした二元論を意識するのではないか?) ・子どもたちは、遊びの中で、遊びを通じて顕在化する何らかの「効果」(驚き、発見、意外性、思わぬ展開)を楽しんでいるのではないか。

2016-08-07 23:46:38
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

・遊びには「役に立つ/役に立たない」という二元論を越える「効用」がある。(しかし、遊びの「効用」を考えている時点でそうした二元論に絡めとられてしまっているのではないか) 以上は、あくまで討論の一参加者としての筆者の印象に残っている問いや命題になります。

2016-08-07 23:47:09
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

また、終了後に討論の内容を改めて咀嚼する過程でオリジナルの意見を歪めてしまっている可能性もあります。ということで、哲学カフェの最中に飛び交ったアイデアを再現するのは不可能(というか野暮)なことかもしれません。

2016-08-07 23:47:28
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

ちなみに、ファシリテーターの鈴木径一郎氏からは、「『役に立つ/立たない』の世界とそうでない世界との境界はどこにあるのか?」といった趣旨の問題提起 がそれとなく暗示されたのではないかと今にして思うのですが、この点は残念ながら未消化に終わってしまったように思います。

2016-08-07 23:48:08
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

このように議論が未消化に終わるというのも、ある意味で哲学カフェの醍醐味の一つではないかと勝手に解釈しつつ、次回の哲学カフェ@café_ludensまでの日々を過ごすことにいたします。

2016-08-07 23:48:28
おもちゃひろば~Toys' Campus @cafe_ludens

「哲学カフェ@cafe_ludens」の様子、そして終了後に童心に戻って「おもちゃひろば」のゲームに打ち興じる人々。 pic.twitter.com/Ije1yWxykI

2016-08-07 23:58:29
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直立演人 @royterek

哲学カフェのテーマが「『役に立つ/立たない』とは何か?」ということで、真っ先に思い浮かんだ子ども向けのアニメがある。誰もが知っている『機関車トーマス』である。『機関車トーマス』はソドー島という架空の島に張り巡らされたレールの上で働く機関車たちの日常を描いた物語である。

2016-08-08 01:06:31
直立演人 @royterek

ソドー島の主人公は乗客や荷物を運んだりする機関車たちだが、トーマスをはじめとする機関車たちは、つねに「役に立つ」か「役に立たない」かという価値基準の評価に晒されている。そして機関車たちが役に立つか否かを評価するのは、トップハム・ハット卿というソドー島の鉄道会社の社長(?)である。

2016-08-08 01:07:50
直立演人 @royterek

きちんと時間通りに乗客を乗せて目的地に到着したり、然るべき貨車を正確に目的地に運んだり、トップハム・ハット卿の命じた任務を期待通りか期待以上にこなす機関車だけが、「役に立つ」機関車として讃えられる。そしてこうした評価ばかりが話題になる『機関車トーマス』はどうしても好きになれない。

2016-08-08 01:10:28
直立演人 @royterek

こうした「役に立つ/立たない」という評価軸に徹底的に裏打ちされた『機関車トーマス』と何から何まで対照的なのが、やはり子供たちに絶大な人気を誇る『おさるのジョージ』である。 おさるのジョージは人間界で起きるありとあらゆる事柄に好奇心を覚えて、なんでもかんでも果敢に挑戦しようとする。

2016-08-08 01:17:01
直立演人 @royterek

しかし、ジョージは所詮は子ザル、常識や分別がまるでないので、何をやっても出鱈目で、その結果、何もかもを台無しにしてしまう。したがって、この大いなるトラブル・メーカーがソドー島の機関車たちの仲間だったら、とうの昔にお払い箱になっていたはずである。

2016-08-08 01:17:24
直立演人 @royterek

そのジョージはしかし、突飛な思いつきと人間顔負けの行動力で、誰もが予想だにしなかった面白い世界を生み出すことにかけては天才である。ジョージは「役に立つ/立たない」という人間社会の常識的尺度を根底から覆して周囲を冷や冷やさせるが、最後にはみんなを楽しませて愉快な気分にさせてくれる。

2016-08-08 01:19:31
直立演人 @royterek

『機関車トーマス』と『おさるのジョージ』という多くの子どもたちに愛されてきた二大アニメは、「社会化」と「脱社会化」という人の成長過程に大いにかかわってくる二つの局面を象徴しているように思われる。

2016-08-08 01:20:08
直立演人 @royterek

幸か不幸か、人間に生まれついたからには、誰しも成長の過程で「社会的動物」になることを学んでゆく。だが、こうした「社会化」も行き過ぎると、人間が本 来もっていたはずの自由や自発性までも奪い、いつの間にか、ひたすら条件反射的にしか生きられない存在になってしまうかもしれない。

2016-08-08 01:20:30
直立演人 @royterek

『おさるのジョージ』は、『機関車トーマス』の描く「社会化」の過程で往々にして抑圧されてしまう天真爛漫な心の解放を、すなわち「脱社会化」という過度の「社会化」への抵抗を描いているとも言えるのではなかろうか。

2016-08-08 01:20:52
直立演人 @royterek

「役に立つこと」はそれ自体が目的ではなく、他の何か・誰かのために行われる。それに対して、「面白いこと」はそれ自体が目的である。そうした根本的な違いはあるものの、「役に立つこと」が同時に「面白いこと」になることもあるし、「面白いこと」をとことん追求するうちに「役に立つ」こともある。

2016-08-15 22:02:39

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