【虚空からの訪問者】

出会いは運命だ。運命には意味がある
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雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「司令官、報告が…」声に振り向いた瑠奈花とルナを見て吹雪の動きは一瞬止まった。「なんだかお二人、兄妹みたいですね」「そう見える?」「はい、お姉さんと弟って感じです」「…私は20代後半だぞ」 「えっ…え?」ルナ(18歳)は瑠奈花を二度見した。

2016-08-24 20:55:49
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「それより報告とは?」「ああ、そうでした。先程のヲ級が吐きました。敵の大将、港湾夏姫についての情報です」「そうか。私も行く」 瑠奈花はローブを羽織り、吹雪に続いた。流されるがままに、ルナもその後を追う。

2016-08-24 20:56:55
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「そうです!港湾夏姫はあの島でリゾートを満喫するつもりです!」 簡易的に作られた尋問室で件のヲ級は熱弁していた。 「あの〜…そのこうわんなんとかって?」「港湾夏姫は今私達が追っている敵だ」瑠奈花はルナに今の状勢を簡単に説明した

2016-08-24 20:57:58
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「港湾夏姫は突如として現れ、人類の領域に散発的に攻撃を仕掛けてきた。その目的がまさかリゾートとは…」 「まあ、久々の休暇でしたからね。あの方もテンションが上がってしまったのでしょう」ヲ級はうんざりそうに語った。先ほどの言動を鑑みるに、余程こき使われていたのだろうとルナは思った

2016-08-24 20:59:46
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「嘘は言っていないみたいだが、何故お前は港湾夏姫の情報を我々に?」「もう私は港湾夏姫に目をつけられてしまいましたから。今戻ったところで処断されるのみ!鬱憤晴らしに情報を提供して、その後は自分探しの旅にでも出たいと思っています」「苦労なさってたんですね…」吹雪が同情した

2016-08-24 21:01:33
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「わかった。私も無闇に深海の民に危害を加えるつもりはない。情報提供感謝する」「ああ…あなたのような人に仕官したかった…」ヲ級は深々と頭を下げた。 「こいつを案内役に艦隊を編成しておけ。休暇で羽目を外す気持ちはわからんでもないが、それで周りに危害が及ぶなら看過できん」

2016-08-24 21:03:12
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「はっ!」吹雪達は短く敬礼すると、散り散りに去っていく。 「あの、その深海棲艦っていうのは、悪いヤツですか?」「ん?まあ…この場合は悪者と捉えてもらって構わんよ」「そう、なら私にも手伝わせてください」「君がか?」

2016-08-24 21:04:47
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「ううん、正確には」ルナは首を横に振り、ベルトに付けられたボールを瑠奈花に見せた 「この子達だけど。これでも腕に覚えはある子達ばかりよ」曰く、各地の地方リーグを制し、その名を刻んだポケモン達だと。自身に満ちたその目を見て、瑠奈花はただ一言だけ言った。「期待している」

2016-08-24 21:05:36
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「ふぅーっ」 島を制圧した港湾夏姫はパラソルを地面に刺し、お付きの深海棲艦に扇で扇がせながら寝そべり身体を焼いていた。 「こういうの憧れだったのよねー。深界のリゾート地は薄暗くてだめだわ」 港湾夏姫は麦わら帽子を深く被って顔への日射しを防ぐ

2016-08-24 21:07:28
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「あー…ジュースが無くなってる。持ってきて」お付きの深海棲艦にグラスを渡す。その深海棲艦と入れ替わりで見張りの兵士が慌てて駆け付けた。 「港湾夏姫様!艦娘がこちらへ攻めてきました!」 港湾夏姫は気怠そうに身体を起こした。 「ふーん、もう来たの。案外早いわねえ」

2016-08-24 21:10:29
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「き、鬼神だ!綾波がいるぞー!」「うわあぁぁ!休暇どころじゃねえ!」リゾート地の雰囲気は一気に戦場のそれと化す。 港湾夏姫は特に動じず、何もしなかった。やがて、綾波、吹雪を筆頭に雪花艦隊の艦娘が港湾夏姫の元へやってくる。

2016-08-24 21:12:00
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「見つけましたよ!港湾夏姫!」「ふふ、いらっしゃい」比叡が先頭に出て、槍を構えた 「私達が来る事はわかっていたと思いますが…その割にはあっさり通してくれましたね」「ふん、最初から拒むつもりはなかったわ」港湾夏姫はパラソルを投げ捨て、砂中から港湾種特有の巨大な艤装を姿を出現させる

2016-08-24 21:14:08
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「何故なら…せっかくの休暇を邪魔しにくるようなふざけた艦娘をまとめて叩き潰すためよ!」「そのために被害に遭った人々がいる。その時点で擁護はできませんね」綾波は冷静に言い返した。 「擁護なんて要らないわ。ここで私がお前達全員を倒すのだから」「やれるものなら!」

2016-08-24 21:15:45
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

互いに物々しい雰囲気になった、その時! 「ちょーっと待ったあ!」対峙する両者の間に突然大きな鳥が飛来!その背からルナが降り立つ 「ほう、お前はあの時の」「私はルナ!このバトル、私が引き受けた!」ルナは腰のボールを2個手に取る 「危険ですよ!」「大丈夫!こう見えて強いのよ!」

2016-08-24 21:18:15
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

ルナは綾波の警告を無視して、2個のボールを投げる! 「目と目があったら勝負の合図!さあいくよ!私の相棒達!」片方のボールから繰り出されたのは、腕に小さな石の付いた腕輪を付けたポケモン、リザードン!そしてもう一つのボールからは!((Wasshoi!!))

2016-08-24 21:21:17
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

鋭いシャウトと共に飛び出したゲッコウガは、港湾夏姫に二度目のアイサツをした。((ドーモ。港湾夏姫=サン。ゲッコウガです。過日の雪辱、果たしてくれよう。))

2016-08-24 21:21:52
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「アイエエエ!?ニンジャ!?」「ニンジャナンデ!?」港湾夏姫を囲う深海棲艦達はしめやかに失禁した。ゲッコウガのソウルが放つ限りなくニンジャに近いアトモスフィアがNRS(ニンジャリアリティショック)を誘発したのだ。

2016-08-31 22:21:31
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「狼狽えるな!」港湾夏姫は部下を一喝した。「よく見ろ。ただのカエルだ。どこの世界にカエルのニンジャがいるというのだ」 ((奴らビビってやがる。大したことなさそうだな)) ((相手は未知の敵。油断は禁物ぞ))ゲッコウガとリザードンは冷静に港湾夏姫を睨む

2016-08-31 22:22:09
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「ふ、面白い。魔物を操る戦士か。ならばまずは、この攻撃を受けてみよ!」港湾夏姫は二基の主砲で二体を狙う。リザードンは空へ逃げるが、ゲッコウガは不動だ。「いい的だ。食らえ!」主砲が火を吹く!その瞬間、ゲッコウガの姿が一瞬にして消える!「何?」((イヤーッ!))「グワーッ!?」

2016-08-31 22:23:11
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

鋭いチョップが港湾夏姫の首を打つ!何が起こったのか?もし貴方がニンジャ動体視力の持ち主であるならば目にできたはずである。砲弾が当たる直前、ゲッコウガは自らの影に溶け込み、一瞬にして港湾夏姫の背後に潜り込んだのだ。暗黒カラテ奥義が1つ、カゲ・ウチである!

2016-08-31 22:23:43
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

「オノレ!イヤーッ!」港湾夏姫はボン・パンチを繰り出す!ナムサン!その拳はゲッコウガをすり抜け、空を切る。「なんだと!?」ゲッコウガの身体は幽霊めいて半透明だ。なんということか!「どうなっている!?」((イヤーッ!))ゲッコウガはミズ・スリケンを二連続投擲!

2016-08-31 22:24:48
雪花艦隊英雄伝 @DD_LUNAKICHI

放たれた二つのスリケンは二基の主砲の砲塔に命中した。砲塔がひしゃげ、砲撃能力を失った。ゲッコウガの身体は元の姿に戻っていた。「ゲッコウガの特性は変幻自在!使った技のタイプに合わせて体質を変化させることができるのよ!」「ええい、こざかしい!」ルナは右手を掲げた。上空にはリザードン!

2016-08-31 22:25:41