日常の風景を写真に撮る場合でも、対象物をうまく絞り込んでよけいなものが映り込まないようにして、ライティングをちょっと工夫するだけで、自分でも驚くくらい美しい非日常の風景を切り取ることができる。
2011-02-16 12:38:57静止画の場合はそれでも一枚の写真を見ながらあれこれと想像を巡らせる心のゆとりがあるが、動画で一連の流れに編集したものは、立ち止まって考えるゆとりを見るものに与えさせない。
2011-02-16 12:40:14なので、動画を見ている間はその人の集中力や判断力はその動画を見る行為に奪われてしまうという宿命を持つ。この状態を指してあるテレビ関係者は「我々は(視聴者の可処分時間を奪う)時間泥棒ですから」と表現する。
2011-02-16 12:42:03特に効果的なBGMと組み合わせた場合の映像の威力は他のどんなメディアよりも強い。
2011-02-16 12:45:12その中でも人間のナマの表情には特別に人の感情を惹き付ける力がある。
2011-02-16 12:45:55ここからは映画「ブロードキャスト・ニュース」のネタばれ。ストーリーはワシントンのTV局の敏腕女性プロデューサー、ジェーンを巡る恋の駆け引き。
2011-02-16 12:48:00ウィリアム・ハート演じるイケメンアンカーマンのトムはある日、ニュース番組で女性にインタビューをするが、その際に女性の話を聞きながら感情移入をして大きくうなずく感動的なシーンがジェーンの目に留まる。
2011-02-16 12:50:06そのニュース番組自身は全米に大きな感動を巻き起こすのだが、ジェーンはトムがインタビューの際に同行させたテレビカメラが一台であったことに気づく。
2011-02-16 12:51:03つまり、インタビューを受けている女性が身の上話を語っている場面ではカメラは女性を向いている。それを聞いているトムの表情を撮ることはできない。
2011-02-16 12:51:57ところが放送で流れた編集では、女性の身の上話を聞きながら、トムが大きく相槌ををうつシーンが出てくる。一連のインタビューが終わったときにカメラマンが「さっきのあんたの表情、真に迫っていてとてもよかったよ」と言ったのを聞いて、
2011-02-16 12:53:29…トムがとっさに「そうか、じゃあその時の表情をもう一度やってみるから撮ってみてくれ」と依頼する。最終的には編集によって二人のインタビューのやり取りがとても感動的なシーンとして全米に流れる。
2011-02-16 12:54:25イケメンで辣腕のアンカーマン、トムに惹かれはじめていたジェーンはその事実を知ったとき…(続きは映画で)
2011-02-16 12:55:12ブロードキャストニュース(米1987年) http://bit.ly/elwhfh
2011-02-16 12:56:39