「こんぴら」!?「ことひら」!?表記の揺れは何故生まれたのか―金比羅と金刀比羅―

ガンジス川のワニの神Kumbhīraは、「金比羅」と書きます。四国の香川県琴平町にある「こんぴらさん」(金刀比羅宮)は、四国の海の守り神として知られ…あれ?そうすると、「ことひら」の「と」の発音はどこから来たの?
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

金毘羅と金刀比羅って、同じものらしいんですけど、表記の揺れは何故生まれたのでしょうか?四国のこんぴらさんは、琴平町にあり、金刀比羅宮という名前。

2016-08-30 01:09:06
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@baisetusai 明治の分離令で、とネットに書かれていましたが、琴平という地名は各地にあり、江戸時代以前からあるような気がしました。

2016-08-30 01:13:24
巫俊(ふしゅん) @fushunia

琴平地名の1例: 琴平山古墳(三重県名張市の6世紀の古墳) この前方後円墳の前方部に「琴平社のほこら」があるそうです。 写真は後円部です。 pic.twitter.com/kjuchJ5SUs

2016-09-06 01:15:14
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

@fushunia ちなみに、『古事記』に出てくる黄泉の世界の出入り口「黄泉比良坂」(よもつひらさか)は、「ぴらさか」と読まれていたようです。沖縄では、坂のことを「ピラ」と呼び、またアイヌ語でも「ピラ」(崖)なので、これは相当に古い言葉のようです。洞窟=横穴式石室のイメージも。

2016-09-06 02:07:17
巫俊(ふしゅん) @fushunia

琴を「こん」と読ませることを許容したら、「琴平」で「こんぴら」と読めますね。藤堂明保の字書には「ごん、きん」しか読みが無かったですが。インドのKumbhīraの訳なら、「金毘羅」はともかく、「金刀比羅」の刀はどこから出てくるのか???

2016-08-30 01:18:22
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@baisetusai ウィキペディアに「宮比羅(くびら)は(中略)宮毘羅、金毘羅、金比羅、禁毘羅とも書く」とありました。「禁」の字を当てる例があるなら、「琴」(きん)の当て字なのかもしれないですね。

2016-08-30 01:21:24
国家鮟鱇 @tonmanaangler

@fushunia 「琴平」という地名が先にあって金毘羅が祀られていたけれど、明治になって「ことひら」に戻したというのが公式見解っぽいですね。本当かわからないけど。ただ香川には琴弾八幡宮があるから地名説は捨てがたい。興味あるのでいつか調べてみたいです。

2016-08-30 07:10:33
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@kenichiro_obana ありがとうございます。韓国語ではすべて発音が同じなのでしたか。とすると、琴平は日本語「ことひら」に由来するのではなく、仏教関係の渡来語彙(金毘羅と同じ)に由来するということになりますね。

2016-08-30 23:57:13
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@tonmanaangler フォロワーさんから「金 = 禁 = 今 = 琴 = 금」だとの指摘を頂きました。宮比羅 (ガンジスの鰐の神Kumbhīra)は金毘羅、禁毘羅とも書き、「こんぴら」のルーツになるようです。琴平の「琴」も金毘羅の「金」のようです。

2016-08-31 00:10:32
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@tonmanaangler 釈迦の弟子「カッピナ」も金毘羅と書かれることがあるそうで、色々と混ざっていそうな気配もありますが、琴平も「こんぴら」のことで、「ことひら」と読むようになったので、「金刀比羅」といった違う表記が生まれたように思いました。

2016-08-31 00:13:32
橘盧伽 @Magnezone462

@fushunia 隋音ではそれぞれ krim krìm krim grim になりますね。按ずるに,元は「金毘羅」と書かれていたものが字音の近似から「琴毘羅」とも書かれる様になり,「琴」が訓読されて「ことひら」となって,……

2016-08-31 00:14:01
橘盧伽 @Magnezone462

@fushunia ……後に「ことひら」を訓読み的に書いたのが「琴平」,また「金毘羅」と書こうとした際に「こ『と』ひら」から一種の誤修正を加えたものが「金刀毘羅」なのではないかと思いましたが,どうでしょうかね。

2016-08-31 00:16:01
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@Zyengio ありがとうございます。琴の漢字音が金と違うので、悩みました。

2016-08-31 00:15:38
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@Zyengio 「こんぴら」と「ことひら」は、琴平町にこんぴらさんがあることなど、明らかに関連しているように見えるのに、ネットには発音の成り立ち(別れ)が書いてなかったです。しかし、何事も考えてみるものですね。色んな方からご教示を得て、視界が開けてきました。

2016-08-31 00:18:51
尾花 健一郎 ♻️ @KenichiroObana

@fushunia 「和琴 (わごん)」という古い言葉もあるので「琴 = クン・コン」はよさそうですが、それよりも「ビーラ・ピラ」にわざわざ「平」の訓をあてるのは何か不自然な感じがします。

2016-08-31 08:33:34
尾花 健一郎 ♻️ @KenichiroObana

@fushunia やはり「金毘羅・金比羅」とは別に「琴平 < クッ-ピラ (岩-崖)」という古い地名があり、明治の神仏分離に際して「金毘羅(コンピラ)宮では仏臭い」ということで、もとの字面を残しつつ万葉仮名風の「金刀比羅(ことひら)宮」と改められたのではないでしょうか。

2016-08-31 08:34:06
尾花 健一郎 ♻️ @KenichiroObana

@fushunia ちなみに「刀」の一字を加えたのは、古くから刀剣類が多く奉納されてきた神社なので、「一刀を納める」という心だと思われます。

2016-08-31 08:35:00
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@kenichiro_obana 正確に理解していないのですが、上代以前の日本語では「ひら」は「ピラ」と発音されていて、9世紀以降~戦国時代までは「ふぃら」と発音したと考えられているようです。

2016-09-06 00:11:45
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@kenichiro_obana 東京大学史料編纂所のサイトでデータベース検索をすると、平安前期の『常暁和尚請来目録』に、「承和6年(839年)9月2日」の日付で、「金毘羅童子威徳要法一巻」とあり、確認できる限り、金毘羅の言葉は9世紀前半には、日本に伝わっていたようです。

2016-09-06 00:17:46

金毘羅童子については、予備知識ゼロですが、
「 右の金毘羅童子は、 これ釈迦の化現なり。 経に云はく・・・」
「 大苦悩を受けて、この時如来、密かに自身を化し、金 毘 羅 童 子を作(な)す。外道諸魔を調伏し、 悪の世の中を・・・」
と続いていまして、何だか、迫力がありますね。

巫俊(ふしゅん) @fushunia

@kenichiro_obana detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_de… ヤフー知恵袋の回答ですが、「慈覚大師円仁の「在唐記」(842)に、 [pa]という音節は、日本語の「ハ」に相当するが、それよりももっと唇音らしく発音する、という記述が ある」とありました。

2016-09-06 00:21:36
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@kenichiro_obana 「在唐記とほぼ同時期に作られたと推定され ている古今和歌集所収の歌に、 「~うぐひすの ひとくひとくと いとひしもをる」とあり、その「ひとく」は「人来」に鶯の鳴き声である「ピーチク」を掛けたものと解釈されること、などから推定(再構)されている」

2016-09-06 00:22:30
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@kenichiro_obana とありました。この説を援用すると9世紀になっても「ピラ」と発音されていたことになります。 また別のサイトでは、『在唐記』の記述は、当時の京都日本語の発音が「ふぁ」であることを示すとし、唇を閉じて「ふぁ」と発音すると梵語paに近くなるとありました

2016-09-06 00:28:39