忍殺テキストカラテ『アポカリプティカル・デス・ロード』#1

当アカウントにてツイート形式掲載したニンジャスレイヤー二次創作作品の#1まとめです。
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TALES made by Hancho @BUNKER_NINJA

3人とともに車に乗ろうとするサンダースティックはサツバツナイトに言った。「ここから北上しサルガモリ・ウォーデザートへ来るがいい、サツバツナイト=サン。死と滅びを振りまくパレードが始まる。煌びやかなる晴れ舞台で、おれは貴様を迎え討ち、主を祝福するハナビとなる。英雄として名を刻む」

2016-09-04 00:49:07
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ドルン、バルロロロ……。終末論者じみた退廃ニンジャの一団は土煙と共に北へ向けて去って行った。彼はふてぶてしい三毛猫の写真がプリントされた缶詰を見つめた。蓋を開け、メンポを外し中身を口に流し込むと、バイオアジ魚肉で水増しされた無機質なバイオカツオのフレーバーが口内に広がった。

2016-09-04 00:52:17
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フジキドは立ち上がる。南から冷たい風が吹き、彼の漆黒色マフラーをたなびかせた。その裾で火の粉を散らす赤燈色が眩さを取り戻し燃ゆる様は、彼の行く先の過酷さを予見しているかのように見える。北へ。日本最後のリアルニンジャは、今まさに新たな戦場へ向けて一歩踏み出そうとし、足を止めた。

2016-09-04 00:55:08
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サツバツナイトのニンジャ聴覚は遥か後方から近付くエンジンの駆動音を拾っていた。振り返った先からやってくる車体はツヤ消し黒塗装されている。日本やキョートで造られたものではない?彼も初めて目にする車種だ。剥き出しの心臓部めいて唸るスーパーチャージャー……いや、待て。あれは何だ?

2016-09-04 00:58:04
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【今回の更新はここまでです。お疲れ様でした】

2016-09-04 00:59:14
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【アポカリプティカル・デス・ロード】#1 続き

2016-09-04 14:45:29
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(これまでのあらすじ:イモータルスカルというニンジャが率いる終末退廃ニンジャ集団を滅ぼすためドサンコ・ウェイストランドに程近い荒野にやって来たサツバツナイト。油断ならぬワザマエをもつ尖兵・サンダースティックを退け、彼らを追うためサルガモリ・ウォーデザートへ向かおうとした矢先に…)

2016-09-04 14:49:00
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【実況行為は #hanchotale045 にて推奨オラー重点】

2016-09-04 14:50:23
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ドルン、バルロロロ……。終末論者じみた退廃ニンジャの一団は土煙と共に北へ向けて去って行った。彼はふてぶてしい三毛猫の写真がプリントされた缶詰を見つめた。蓋を開け、メンポを外し中身を口に流し込むと、バイオアジ魚肉で水増しされた無機質なバイオカツオのフレーバーが口内に広がった。

2016-09-04 14:51:26
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フジキドは立ち上がる。南から冷たい風が吹き、彼の漆黒色マフラーをたなびかせた。その裾で火の粉を散らす赤燈色が眩さを取り戻し燃ゆる様は、彼の行く先の過酷さを予見しているかのように見える。北へ。日本最後のリアルニンジャは、今まさに新たな戦場へ向けて一歩踏み出そうとし、足を止めた。

2016-09-04 14:58:08
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サツバツナイトのニンジャ聴覚は遥か後方から近付くエンジンの駆動音を拾っていた。振り返った先からやってくる車体はツヤ消し黒塗装されている。日本やキョートで造られたものではない?彼も初めて目にする車種だ。剥き出しの心臓部めいて唸るスーパーチャージャー……いや、待て。あれは何だ?

2016-09-04 15:01:24
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サツバツナイトの眼に、旧式のスーパーチャージャーの陰に人間が一人、見せしめめいてボンネットとルーフを跨いで括りつけられているのが見えた。黒塗りのビークルが近付いてくるごとにその像がはっきりとし……彼は括りつけられている者が見覚えのあるニンジャだと分かった。

2016-09-04 15:04:46
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「ウオオーッ!よせ、文明人!げにも穢らわしき鉄の獣によくも俺を…」かつてニンジャスレイヤーであった彼は、あの香油を塗った長い乱れ髪、鋼のメンポ、そして革のベルト以外上半身に何も纏っていない蛮人然としたニンジャの名を知っている。ビークルがサツバツナイトの目の前で急停車した。

2016-09-04 15:07:54
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「……ウォーペイント=サンか」急停車の勢いで巻き上げられた土埃にサツバツナイトの姿が曇る。「……何者だ、貴様。俺を知っていると……いや、待て」ウォーペイントは訝しんだ。「いつぞやの血の色のニンジャか」「私が分かるのか」サツバツナイトは至極冷静に答えた。土埃が晴れる。

2016-09-04 15:14:05
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ウォーペイントは得意げに鼻を鳴らした。「ニオイで分かったぞ。だがしかし、貴様の魔力が随分と変質しているのも感じるが」「……改めまして、ドーモ。サツバツナイトです」「ドーモ。ウォーペイントです」ウォーペイントは四肢を縛られた状態で大の字のままアイサツを返した。

2016-09-04 15:19:43
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「……して、オヌシは何故そのような体勢なのだ」サツバツナイトが尋ねると、ウォーペイントは思い出したように四肢を動かそうとする。「そうなのだ、これを外してはもらえんか。屈辱だが、卑劣なる文明人の手にかかり斯様な…」「アンタが俺のクルマを物色してたからだろーが」車中から声がした。

2016-09-04 15:20:48
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サツバツナイトの位置から反対側のドアが開き、運転手らしき人物が出てきた。このウォーペイントというニンジャと頻繁に顔を合わせている訳ではないが、ここまで簡単に拘束を許す程度の使い手ではなかった筈だ。サツバツナイトは半歩下がり、アイサツする。「ドーモ。サツバツナイトです」

2016-09-04 15:23:59
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出てきた運転手の男もまた、ニンジャだった。耐重金属上下ジャージの上から、ソウル生成由来と思しき刺々しいエッジが羅列する赤銅色のブレーサーやレガースガードを四肢にそれぞれ装着している。メンポには、牙めいた意匠。彼のメンポはバキリと音を立て、噛み合わされていたかのように展開した。

2016-09-04 15:26:59
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「ドーモ、はじめましてサツバツナイト=サン。ソイルファングです」ソイルファングと名乗った男の姿は異様だった。彼一人だけが砂嵐に見舞われたかのように、黒い短髪は土砂を被って土気色にまみれ、装束の隙間から細かい砂粒のような粒子が漏れ出ては荒野の夜風に溶け消えていく。

2016-09-04 15:30:37
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土砂……ドトンに関するニンジャ・クランであろうか?フジキドは自分自身が今までに出逢ったニンジャ達のソウルとはまた異質なカラテを感じ取った。……彼の内に未だかのナラク・ニンジャがいたならば、ソイルファングに憑依したニンジャソウルの正体を容易く看破していたことだろう。

2016-09-04 15:35:09
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少ししてから、ソイルファングは車内を睨んだ。「オイ、カナエ。お前もアイサツしろ」「はァい」心底気怠げな若い女の声。サツバツナイトのいた側、後部座席の方から華奢な左腕が伸びてドアを掴む。その手の薬指には、シックな指輪がはめられていた。褐色の肢体が窓から這い出る。

2016-09-04 15:39:17
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「横着するな」「だってェ。……ドーモ、デスバンテイジです」夫の小言に顔をしかめる女ニンジャの装束はセーターの上から謎めいた包帯を緩く巻いているだけだった。「で、何スかこいつ。何故にこんなサップーケイな場所で突っ立ってるんですかよ?」 女はやや不機嫌そうにサツバツナイトを指差した。

2016-09-04 15:42:00
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「私はこの辺りに巣食うニンジャ集団について調べ、殺しに来ただけだ」デスバンテイジのシツレイ気味な態度をサツバツナイトは奥ゆかしく流したのち答えた。「ヒュウ」殺す、というワードにデスバンテイジは眠たげだった目を見開き、口笛を吹く。「おい、これを解け!」ウォーペイントがもがく。

2016-09-04 15:45:22
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「ここで話もなんですし、乗ってください」ソイルファングは後部座席を示した。「恩に着る」サツバツナイトは小さく頷き、ウォーペイントを一瞥してからソイルファングを見た。ソイルファングも頷き、蛮人ニンジャの錠を外してやってから4人はクルマに乗り込んだ。クルマは唸りを上げ、走り出した。

2016-09-04 15:48:23
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……「イモータルスカル、というニンジャとその一味について何か知っているか」サツバツナイトが切り出した。旧いスーパーチャージャーが立てる轟音の中でも、彼の声を3人が聞き逃すことはない。「おお……髑髏を信奉する邪教徒共の王。邪悪神の名よ」後部座席で隣に座るウォーペイントが呟いた。

2016-09-04 15:52:18