こじらせたリーマン20160912-20160918
- tsutsujishika
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「んで、なんでそんな噂流したんすか?」 お詫びにと貰ったマスカット味の飴を口の中で転がす。 「経理の松野君から聞いたのよ」 「……へえ~。…………は?」
2016-09-13 18:01:19とりあえず走って経理部に行ったが、残っているのは先輩だけだった。他は帰ったらしい。 「おおどうした松野。息切らして。書類の出し忘れでもあったか?」 「いや、なんでも、ないっす」 くっそあいつ。どういうつもりであんな話を!なんとなくムカっときて走ってきたが、いないのでは意味が無い。
2016-09-13 18:08:01例によって小説の更新をチェックすると、メッセージボックスに赤いアイコンがついていた。先日送った感想に、返事がきたのだ。まさか、反応がもらえるだなんて思っていなかった。
2016-09-13 23:00:15読んでみると、反応が来るとは思っていなかったのはあちらも同じなようだった。感想に対するお礼と、読んでくれる人がいてうれしい、といったことが綴られている。
2016-09-13 23:01:23『あの二人が幸せになれるかどうかは、僕にもわかりません。僕が作者なのにこんなことを言うのは変だと思われるかもしれないですが、本当に、わからない。これからのことは彼ら次第なんです。二人がほんの少しだけ勇気を出して、お互いに気持ちを伝えられれば、きっと全てが変わるのだと思います。』
2016-09-13 23:03:06書いた人でも、わからない。創作において、キャラが一人でに動き出す、とはよく聞く話だ。そういう意味で、わからないのだろうか。彼らが今後、どう動くか。
2016-09-13 23:04:02僕は二人の気持ちを知っているから、すぐに言えばいいのに、なんて思う。でも彼らはお互いの心を知らない。当然だ。人の気持ちなんて、口にしなければ伝わらない。相手が自分のことをどう思っているかわからないから、怖いんだ。
2016-09-13 23:05:08前に兄さんが言っていたことを思い出す。「人は大きな感情の前に、皆臆病になる」。その通りだ。彼らの恋は、彼らにとってもっとも大事なもので、重たいもので。相手に拒絶されることを想像したら耐えられない。重荷になる事が怖い。だから、打ち明けられないんだ。それは僕も、同じだった。
2016-09-13 23:06:01お返事ありがとうございます。彼らの幸せを誰よりも願っています。そんな文面を書いて送信ボタンを押す。続きを楽しみにしている、と最後に記しておいた。
2016-09-13 23:10:07三連休のどこかで会えないか、と上の弟からメッセージがきていた。あいつからメッセージなんて珍しい。何故か文末に猫の絵文字がついている。多分こいつ絵文字の使いどころをわかってない。
2016-09-13 23:17:01