マンガを展示するということについて、「ルーヴルNo.9~漫画、9番目の芸術~」への指摘

好評を博している『「描く!」マンガ展』の監修を手がけるなどしている マンガ評論家・伊藤剛さん(@GoITO)のツイートより。
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伊藤 剛 @GoITO

「ルーブル美術館について」の、本当の本当に基本的なところの解説だったのです。つまり、BDとルーブル美術館のかかわりについては何もなし。さらに「第九芸術」が誰によって、どういう文脈で言われたのかの解説もなし。ついでにいうと「第八」を「メディア芸術」と訳してたのもまずいと思います。

2016-09-24 00:20:05
伊藤 剛 @GoITO

「メディア芸術」という日本語は、文化庁メディア芸術祭ができたときに作った官製の造語です。media art とはぴったり合いません。しかも「第九芸術」という語が作られたのは…たしか1960年代だったはず(ごめんなさい、いますっと資料が出ませんでした。専門の方、フォロープリーズ)

2016-09-24 00:23:39
伊藤 剛 @GoITO

また、「第9の芸術となった「漫画」を紹介する、ルーヴル美術館の特別展」という文言があります。museum.or.jp/modules/topNew… オフィシャルではないかもしれませんが、あたかも「ルーブルがBDを『第九芸術』という名で『芸術として認めた』」とミスリードしているようです。

2016-09-24 00:26:50
伊藤 剛 @GoITO

くどいくらい言いますけど、美術館のマンガ展示で見開きページをわざわざ左右逆にしたり、泣き別れにして展示する学芸員の方には、紙面上のコマの読み順や視線誘導といった(あえてこの言葉を使いますが)メディウムに規定されたルールをわざわざ破る理由をお聞かせ願いたいです。本当に教えてほしい。

2016-09-24 00:31:50
伊藤 剛 @GoITO

「あしたのジョーの時代展」は、展示総体としては、意欲的な、良い展示でした。「手塚・石ノ森マンガの時代展」は、出展されている原画のセレクトと、二次創作的な企画作品は「神」レベルでした(とくに島本和彦先生の「電光」。あれは泣けた!)。であるがゆえに、残念だったのです。

2016-09-24 00:36:31
土屋誠一 @seiichitsuchiya

伊藤剛さんが「ルーヴルNo.9」展についてお怒りですが、勿論同意ではあるものの、最初の部屋の強制的に映像見せられるところは勘弁してくれと私も思いましたが、周りのお客さんは普通に「うわー♡」と喜んでいたので、まぁ世の中そんなもんだよな、と諦念を抱かざるを得なかった……。

2016-09-24 00:37:38
伊藤 剛 @GoITO

まあねえ、喜んでいるお客さんがいると、「せっかくのところに水を差しちゃ悪いか……」になりますよねえ。。。

2016-09-24 00:38:51
土屋誠一 @seiichitsuchiya

でも、伊藤剛さんが仰っている、マンガの展示の導線ですが、これ、美術でも、西洋絵画などだと左から右でいいし、あんまり導線にこだわらなくても立ち止まって視界のフレームと絵画面を合わせればなんてことないのですが、東洋画、しかも巻物とかで、逆方向に展示されている場合もなくはない。

2016-09-24 00:41:20
伊藤 剛 @GoITO

導線は展示室の形状などの制約がありますので、ある程度止むを得ないことがあると思います。なので私は「見開きをわざわざ並べて、しかも左右逆にした例」に話をほぼ限っています。 twitter.com/seiichitsuchiy…

2016-09-24 00:43:03
伊藤 剛 @GoITO

話をルーブルNo.9展に戻すと、日本ではまだあまり知られていないBDのすばらしさを紹介したいのか、BDとマンガのかかわりを見せたいのか、ルーブルは媒介にすぎないのか(ルーブルを描いたBD,マンガというくくりだった)、はっきりしない、コンセプトのぼんやりした展示だったと思います。

2016-09-24 00:47:41
土屋誠一 @seiichitsuchiya

東洋画が、右から左じゃなくて、その逆のディレクションで展示されていてもオッケーという意味じゃないですよ。勿論絶対ダメなのであって、右から左に視線を動かすからナラティヴがつつがなく進行するのに、逆方向に展示されていると「ネタバレ」になるので、マジでがっかりすることはわりとある。

2016-09-24 00:43:40
土屋誠一 @seiichitsuchiya

この問題については、このあたりの本が良いかと。共著者の永井信一先生は、私の所属セクションの、かつての東洋美術を担当なさっていた先生でもある。面識ないのだが。 " 美術における右と左 中森 義宗 amazon.co.jp/dp/4805751169/… @amazonJPさんから "

2016-09-24 00:46:18
伊藤 剛 @GoITO

「見開き左右逆」の展示に関しては、都現美の手塚・石ノ森展ではなかったかもしれない(あったと記憶しているが……)。ただ、見開きの泣き別れは結構あった。『サイボーグ009』の、ジョーとジェットが落下するシーンだったと思うが、どうしてこんなことをするの? と思った記憶がある。

2016-09-24 00:55:16
伊藤 剛 @GoITO

ただ、明日明後日ルーブルNo.9展に行かれる方は、最初の部屋、ルー・ユイ・フォン『ルーブル横断』(入口からみて右側の壁面)の展示をみてきてほしい。見開きのページが左右逆に並べられ、それを右から左(つまりBDの本のめくり、コマの読み順とは逆)に見るという展示になっているから。

2016-09-24 00:58:10
伊藤 剛 @GoITO

しかもそのうえ、セリフの和訳が原画の下のパネルに置かれていて、さらにそのセリフがどの吹き出しに対応するのか書いてないという……。何回目を行ったり来たりさせられるのだろうと思った。

2016-09-24 00:59:38
伊藤 剛 @GoITO

1ページに一枚のとても雰囲気のある絵も、19ページ、20、21、と並んで、次が23。本ではそこが空白のページか区切りのページになっていたのかもしれないですが、「なんで22ページないの?」と思いますよね。

2016-09-24 01:01:27
伊藤 剛 @GoITO

それから、松本大洋のマンガも、吹き出しの中が空白だったので、初見で読み順はどちらだろうと思ってしまった。ページをみたかぎりでは右→左のようだが、初出をみればわかるだろうと思いキャプションをみたら2016年連載とだけ。セリフは例によって下にあるが、吹き出しとの対応なし。

2016-09-24 01:05:11
伊藤 剛 @GoITO

そうなんですね。手塚・石ノ森展にかんしては、NHKエンタープライズですよね。 twitter.com/seiichitsuchiy…

2016-09-24 01:16:03
伊藤 剛 @GoITO

そうなんですね。手塚・石ノ森展にかんしては、NHKエンタープライズですよね。 twitter.com/seiichitsuchiy…

2016-09-24 01:16:03