稲川淳二のつぶやき怪談　2016年9月27日投稿分

稲川淳二 @Junji_Inagawa

朝晩がめっきりと涼しくなりましたね。 移りゆく季節を感じながら、心地好く眠れています。 みなさん、お変りないでしょうか。稲川淳二です。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

気が付けば、もう９月も末ですね。 毎年の事ですが、 “さあ！全国ツアーの永―い夏が始まった” と思ったら、瞬く間に過ぎてゆきます。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それは恐らく、 ファンのみなさんからと嬉しい時間を過ごしているからなんでしょうね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

どの会場でも、みなさんから熱い応援をいただいて感謝しています。 本当にありがとうございます。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それが、私のエネルギーになっているんですね。 残る公演も、ひとつひとつ大切に精一杯努めさせていただきます。 会場でお会いしましょうね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それでは、「つぶやき怪談」そろそろ始めましょうか。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

怖ーい噺で、秋の夜長を楽しんでください下さい。 何が起こっても、責任はとれませんけど。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

関東の何カ所かにね、昔から 「覗きの淵」だとか 「覗きの井戸」って言うのがあるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

これは、どういう事かって言うと、 あの、草木も眠る丑三つ時にですよ、 一人で行って、井戸なり池なりの淵に立ってね、 中を覗き込む。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

すると、その水面にね、 自分の姿が映れば、これ問題無いんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

だけど、自分の姿が映んない場合には、 もうあと命が、僅かしかない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

間もなく亡くなる、っていう事なんだそうですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

要するに、もうすぐ死ぬ人は、 そこに姿が映んないって事ですよね。 そういうのがあるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

これね、丁度夏の頃の話なんですがね、 神社の祭りでもって、仲間が四、五人集まった。 楽しく盛り上がってる。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その祭りが終わってね、さぁ、帰ろうとなったんですが、 このまま帰るのも、つまんないな、という事になった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「何かないかな？」 って言ったら、一人が、 「皆でもってひとつ、覗きの池へ行ってみようか！」 という話になったんだな。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

まあ、肝試ししよう、って事ですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

皆も、面白いから、 じゃあ行こうか、って、行った訳ですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

で、行ったのが、古い立派な寺。 境内がね、凄い広いんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その広い敷地の、ずーっと奥、 鬱蒼とした木の中に、古い、小さな池があるんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

これが、「覗きの池」なんですね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

じゃあ、順番どうしようかって、順番決めた訳だ。 お寺の入り口にはね、常夜灯があるから、 少し明るいけれども、中はって言うと、 大きな木がいっぱいあって真っ暗。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

一応、月は出てるけど、 月明かりって言ったって、ちらちら見えるだけ。 あとは暗い闇なんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

順番が決まって、 「あー恐いな」 って言いながら行く訳だ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

タッタッタッ て。 やがて姿が見えなくなった。