第14話 「エンドウ沖の残火」 パート2

脳内妄想艦これSS 独自設定注意
0
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-20 __「浜辺で待機中に襲撃されました。相手は深海棲艦…では無いです」 雑にセーラー服に袖を通し、後ろ髪にヘアバンドを留め直してから改めて周りに転がる鉄塊を見回す。その数4『匹』。 「これはまた少々難儀な相手ですよ、提督」

2016-10-21 07:55:39
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-21 …鉄の蜘蛛は、皆一様に金属の脚をひくつかせて死んでいた。

2016-10-21 07:55:49
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-22 ギィイイ…と軋んだ音を立て、砂気を巻き上げながら扉が開く。 階段が続く限りフロアを下り、配管の走る狭い通路を抜けた先に、やはり目的の部屋はあった。 「ここだわ…」 ライトの灯りで照らされる発電機。恐らくこの施設の電力供給を担っていたであろう部屋だ。

2016-10-21 07:57:09
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-23 4本の灯りが視界を確保し、壁沿いに機械を照らしていく。 しかし、発電機自体には損傷は見られない。 「なんで止まったんでしょう…ひゃっ!?」 設備停止の原因に頭を巡らせていた綾波のライトに、ふいに人影が映り込む。 …見間違いではなく、実際に人のようだ。骸ではあるが。

2016-10-21 07:57:16
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-24「この仏様は…」 雲龍が白衣の男性の死体の近くに寄って調べてみると、背中側から銃弾で心臓を撃ち抜かれているようだった。 だが、その手は施設の電力供給を司るメイン電源レバーをガッチリと握りしめたまま。 電力供給を断ったその刹那、背後から撃ち抜かれたとみて間違いない。

2016-10-21 07:57:24
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-25「…電源を落とす必要があったのかしら」 硬直した手をレバーから解放し、死体は部屋の角に安置する。 「…森の中の、謎の施設」 綾波がふっ、と思い出したように浜風に耳打ちする。 「そういうゲームあったよね。ホラーのやつで」 「いや、確かにありましたけど…」

2016-10-21 07:57:35
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-26「で、そういうゲームだとさ…」 雲龍が電源レバーに手を掛け 「仕掛けを動かすと、わーって敵が来るんだよね」 ガチャン、と引いた。電源供給がONになる。 ジジ…低い音を立て、発電室の電灯が点滅の後、灯る。 通路の電灯が、格納庫の電灯が、機械の電力が、復旧していく。

2016-10-21 07:57:53
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-27「…死体のひとつ動くかと思ったじゃないですか」 不要になったライトを切り、浜風が呆れた目で綾波を見る。 「何無駄話してるの。探索の本番はここからー」 ガシャァアッ!! ー五十鈴の言葉は派手な破砕音で中断された。 上階から聞こえたその音に全員がビクッと肩を震わせる。

2016-10-21 07:58:08
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

14-2-28「だから、言ったじゃん…」 素早く武器を構え、4人は部屋の入口扉を凝視する。 鉄が鉄を細かく打つような音が、扉の向こう側から無数に迫ってきていた。

2016-10-21 07:58:25
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

__ 第14話 エンドウ沖の残火 パート2終わり パート3に続く__

2016-10-21 07:58:38