「福島第一原発事故後の米国北西部で小児甲状腺癌が増加」という3年前の主張、ちょっと調べたら2重の嘘でした

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以下は続報2件の検証のご紹介

nao @parasite2006

シャーマン・マンガーノコンビはその後2013年file.scirp.org/pdf/OJPed_2013… と2015年file.scirp.org/pdf/OJPed_2015… にも論文を出しているものの、それぞれ英文で素晴らしい動画とブログ記事の検証が行われているので以下に手短かにご紹介。

2016-10-29 22:57:32
nao @parasite2006

2013年論文file.scirp.org/pdf/OJPed_2013… はカリフォルニア州限定で先天性甲状腺機能低下症の発生件数を検討。カリフォルニア州では先天性甲状腺機能低下症のスクリーニング検査として生後5-7日の新生児の血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)量を測定し(続く)

2016-10-29 23:06:00
nao @parasite2006

(続き)測定結果が29 μIU/mlを越えればスクリーニング陽性と判定して精密検査を勧め、精密検査の結果診断が確定した人数を確定例として報告している。ところが著者らは29 μIU/ml越えを「確定例」、19 μIU/ml越えを「ボーダーライン例」と勝手に決めて(続く)

2016-10-29 23:16:42
nao @parasite2006

(続き)次のグラフの上2本の曲線を描き、2011年3月17日-12月31日までの部分の値が高いのは東京電力福島第一原発から大気中に放出された放射性ヨウ素が米国太平洋岸に到達して住民が被曝したためだと主張。(ボーダーライン例の人数がやたら大きいので縦軸が途中で切られているのに注意) pic.twitter.com/AbpE6kcAwB

2016-10-29 23:30:54
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nao @parasite2006

検証動画youtube.com/watch?v=DOreFp… の作者Ian Goddard氏はカリフォルニア州保健局に問い合わせて論文中の説明が事実に反すること(29 μIU/ml越えだけでは先天性甲状腺機能低下症の診断は確定しない、19 μIU/ml越えに医学的意味はない)を確認

2016-10-30 00:00:13
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Ian Goddard氏の検証動画は画像が非常にわかりやすく、しかも冷静な語り口ですので、英語に抵抗のない方にはぜひ一度ご覧いただきたいものです。また検証に使用した論文や資料が全部動画の説明文にリンクされているのも、非常に参考になります。ちょうど1年前、福島の甲状腺検査結果を1巡目のデータが出揃う前に強引に解析した岡山大・津田敏秀氏の論文が出た時に公開された氏の検証動画の紹介まとめがこちらです。

まとめ 岡山大・津田敏秀氏の論文の問題点を解説した英語YouTube動画"Fukushima Thyroid Cancer?" 岡山大・津田敏秀氏の論文(2015年10月5日プレプリント公開) http://journals.lww.com/epidem/Abstract/publishahead/Thyroid_Cancer_Detection_by_Ultrasound_Among.99115.aspx の問題点を解説した英語のYouTube動画(2015年10月22日公開) https://www.youtube.com/watch?v=Ztg29UGIO2s の音声部分を@hirokiharoki さんが抄訳して下さいました。動画と並べてご覧いただければ幸いです。 16811 pv 406 20 users 60
nao @parasite2006

さらにカリフォルニア州保健局の担当者からスクリーニングを受けた人数と診断確定した人数のデータpic.twitter.com/8kCwFcV9v1 の提供を受けてスクリーニングを受けた人数10万人あたりの確定例発生率を求め、3本目の曲線を追加twitter.com/parasite2006/s…

2016-10-30 00:08:14
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nao @parasite2006

2010年以前の分と合わせて全体の傾向を見てみると、カリフォルニア州の先天性甲状腺機能低下症の確定例の発生率は福島第一原発事故の前後で大きく変化してはいないことがわかるtwitter.com/parasite2006/s…

2016-10-30 00:11:35
nao @parasite2006

2015年の論文file.scirp.org/pdf/OJPed_2015… ではさらに、米国太平洋岸5州で5種類の先天異常(無脳症、口蓋裂または口唇裂、ダウン症、胃壁裂および臍帯ヘルニア、二分脊椎/髄膜瘤)の2011年4-12月の発生率が前年同時期と比べて上がったと主張したものの(続く)

2016-10-30 00:26:36
nao @parasite2006

(続き)スウェーデン、ウプサラ大学のMattias Lantz氏のブログ記事numbersopinions.blogspot.jp/2015/04/anothe… の検証グラフであっけなく轟沈。

2016-10-30 00:29:32
リンク numbersopinions.blogspot.com Another take on S&M - congenital malformations It did not take a long time after the Alaska hoax , Janette Sherman and Joseph Mangano (S&M) are back again, this time with a peer reviewed...
nao @parasite2006

1枚目のグラフは太平洋岸5州とそれ以外の州、全米平均の先天異常発生率の2007-2013年の変化を見たもの。一度下がっていたのがまた元に戻っただけ。 pic.twitter.com/DzRRRDIoUy

2016-10-30 00:36:38
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nao @parasite2006

2枚目のグラフは太平洋岸の5つの州の発生率の変化を別々に折れ線グラフにし、それ以外の州(点線)と比較したもの。カリフォルニア州(四角)を除きどの州も上がり下がりが激しい。 pic.twitter.com/9xBXxIK1kS

2016-10-30 00:42:52
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nao @parasite2006

3枚目のグラフは5種類の先天異常を合算せず、別々に発生率を出して時間変化を追ったもの。論文では2010年と2011年のデータしか示していない。 pic.twitter.com/zge7uvFmRh

2016-10-30 00:47:46
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nao @parasite2006

ここまで見ていただければシャーマン・マンガーノコンビはいつも自分の主張に都合のいいデータだけを拾っているのであって、このトリックは彼らが捨てた部分のデータと合わせて全体を見渡せば簡単に見破れることをお分かりいただけたことと思います。彼らの言うことに耳を貸せば判断を誤るだけです。

2016-10-30 00:55:58
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