「プレスリリース:一般の熱エンジンの効率とスピードに関する原理的限界の発見」と内燃機関の理論効率の関係
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【プレスリリース:一般の熱エンジンの効率とスピードに関する原理的限界の発見】 白石+齊藤+田崎のプレスリリースを出した。今時めずらしい、ものすごく基礎的で渋い話だけど、長い目で見て重要な仕事だと思っています。 解説は読みやすいはず。 keio.ac.jp/ja/press-relea…
2016-10-31 17:43:19非平衡統計力学(孤立量子系の研究は除く)の仕事もいくつかしたけれど、今のところ、この白石+齊藤+田崎がベストだと思う。 論文は↓からなら誰でも無料で読めます。 arxiv.org/abs/1605.00356
2016-10-31 17:48:24@Hal_Tasaki 田崎先生、ただいま慶応のリリースを読んだのですが、熱エンジンの例として発電機が挙げられているのに、ちょっと違和感を感じております。発電機を動かすのが熱エンジン(タービンや内燃機関)なハズですが、如何でしょうか?(熱電変換のゼーベック効果はエンジンとは…)
2016-10-31 18:05:23@Hal_Tasaki 物理的にその解釈が正しいのであれば、異論はありません。工学と物理学は違うのだ、という説明で必要十分だと思います。工学クラ的にはたぶん異議あると思います。発電機の軸を回すから電気ができる、軸は熱機関でも水車でも風車でも回せる…という。法律上も以下同文です。
2016-10-31 18:12:28@ElekiTan なるほど。確かにそうか。その部分が「発電機」なのですね。検討がたりませんでした。ともかく共著者に伝えておきます。ありがとうございます。 ちなみに、この理論は内燃機関にはそのままでは使えません。熱源を利用するものなら基本的になんでも使えます。
2016-10-31 18:21:42@Hal_Tasaki 差し出口、ご寛恕ありがとうございます。内燃機関はアウトとすると、一般になじみがある中ではレシプロの蒸気機関、タービン機関など、ということでしょうか?
2016-10-31 18:24:18@ElekiTan 実は細かい知識がないのですが、そういうところだと思われます。むしろ原子力発電所のほうが(高温の熱源から電気を取り出す装置は)素直に熱機関と見ることができるのでしょうか?(逆質問ですみません。)
2016-10-31 18:28:30@Hal_Tasaki 原発は、蒸気タービン機関で発電機を回しています。旧来の火力発電所と同様、汽力発電(軸の回転力を蒸気タービンで得るもの)です。最近のLNG火発はガスタービンを回しているので、内燃?みたいな感じです。kepco.co.jp/energy_supply/…
2016-10-31 18:41:27@Hal_Tasaki 文字数オーバーで追加です。火発の仕組みはこちらです。要するに原発も火発も、お湯を沸かす熱源以外に違いはありません。kepco.co.jp/energy_supply/…
2016-10-31 18:43:33@ElekiTan ありがとうございます。 ガスタービン方式以外はわれわれの理論の枠組みに入るようです。原子力発電の仕組みは知っていたので火力も同じようなものだと思って書いてしまいましたが、ガスタービンはダメですね。また、「発電機」の定義はおっしゃるとおりですね。
2016-10-31 18:48:43@Hal_Tasaki なるほど、やはり外の熱源から熱を吹き込まれるような仕組みについてが、今回のご論文の射程ということですか。現在、発電界隈ではガスタービンの高効率化(=高温化)が最もホットで、ついで廃熱の二次利用でいくつタービンを回せるか勝負(コンバインドサイクル)です。
2016-10-31 18:55:23@ElekiTan プレスリリースの改訂ができるのかどうかわかりませんが、ともかく共著者と話してみます。たいへん勉強になりました。ありがとうございます。
2016-10-31 18:57:54@Hal_Tasaki ご参考までに、発電所の効率とタービン部分の温度の関係は一般にこのように言われております。 twitter.com/ElekiTan/statu…
2016-10-31 18:58:02【熱機関発電所の効率#2】火発の送電端効率は40%台半ば、最新の高効率化タイプは約60%までUPします。原発は最高30%ぐらいです。これは熱機関の原理通り入力温度の高低により、汽力火発は600-800℃、ガスタービン火発が1100-1600℃、原発は300℃と違いは歴然です。
2016-10-22 12:00:48@ElekiTan おお、明快です。ありがとうございます。 ガスタービンの場合は、温度だけではなく、内燃機関的であることも関わっているのですね(そちら方向への理論の拡張も可能だと思っています)。
2016-10-31 19:01:51@Hal_Tasaki 正直、ガスタービンというのがいろいろ難しいようで(勉強が届いておりません)、プロのエンジニアの間でもアレコレの議論があるそうです。トルク、軸のスピード(rpm)、効率のトレードオフは「●●流」のような秘伝があるとか(^_^;)
2016-10-31 19:10:06エンジンのパワー(操作スピード)と効率の間に普遍的なトレードオフがあるという結果を示した我々の論文について、プレスリリースが出ましたkeio.ac.jp/ja/press-relea… 論文そのものはすでにPRLにアクセプトされており、本日(アメリカ時間)オンライン公開予定です。
2016-10-31 22:50:59今回の結果を一言で要約すると「今回の結果は、「エネルギーを無駄なく利用したい」という要望と、「短い時間で多くのエネルギーを得たい」という要望とが両立しないことを示しています」というのが分かりやすいと思う。熱力学等では取り扱えなかった「時間」の概念を組み込んだ、質的に新しい結果。
2016-10-31 22:54:16先程のプレスリリースの論文が先程オンライン出版されましたjournals.aps.org/prl/abstract/1…
2016-11-01 00:30:20ぼくは数理物理学者としてのこれまでの人生の間、何度も何度もシュワルツ不等式を使ってきたが、この論文での使い方はこれまでに最高の「会心のシュワルツ」。数学も物理もピタリとはまって、でてきた結果も強力で美しい。こういうのができると快感。 twitter.com/perfect_inside…
2016-11-01 01:36:22ぼくはこれまで多くの論文はの中で多くの記号を命名してきたけれど、この論文の重要な不等式(改良版白石・斉藤不等式)に登場する本質的な量をΘと名付けたのはかなり会心の命名。筆頭著者が↓の人なんだよ。 twitter.com/perfect_inside…
2016-11-01 01:39:26