[公開読書] HOLACRACY —役職をなくし生産性を上げるまったく新しい組織マネジメント—【第1章〜第3章】
- shirasan41
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ホラクラシーは組織の「ローレーションシップ:role-ationshop(私たちが担う役割同士の関係であり、役割の人同士が互いから望むもの)」を明瞭にする事を重視。ホラクラシーでは組織の目的を追求する為に必要な役割に基づいて組織構造が決まり、後から担当者が役割を稼働するという順番
2016-12-25 20:45:05役割を明瞭に具体的に規定するため、ホラクラシー憲法では役割を次の3つの要素で構成されるものと定めている。 ①実現すべき「目的」 ②自分の管轄の仕事として監督し取り扱うべき「領域」(おそらく1つだが複数の領域にわたることもある) ③実行に移すべき一連の「責務」
2016-12-25 20:50:06「目的」とは、なぜその役割が存在するか、その役割が達成しようとしているゴールは何か、ということ。 「領域」とは、その役割が組織の代表として、独占的な権限を持って制御できるもの、いわば役割の「所有物」であり、他の役割は手を出せないもの。
2016-12-25 20:55:06「責務」とは進行中の活動であり、それを遂行する権限が役割に与えられて、遂行するか、他の何らかの形で組織のためになるように取り計らうことが役割に期待されている。 これら3つの要素が全て揃ってる役割もあるが、最初は目的だけ、または責務が1つだけしかなく、そこから発展していく場合が多い
2016-12-25 21:00:25権限と責務をセットにすると「実際に行う権限のない仕事に責任を持たされる」というありがちな状況を避ける事ができる。 責務とは、1回限りのプロジェクトではなく継続的な活動である事を強調するため、「〜していく」という形で表現する事になっている。3つの要素の交わりは、次章の最後に詳説する
2016-12-25 21:05:05ホラクラシーのガバナンス・プロセスでは、理論上の予測に基づくのではなく、生じてくる実際のひずみに基づき、役割を絶えず明瞭に、向上させていくことができる。定められた様々な役割と、役割同士の関係が本当に明瞭になれば、職場にありがちな多くの不満が解消される。
2016-12-25 21:10:06eメールのCC欄に誰でも彼でも入れる必要はないし、決定を下す前にみんなにお伺いを立てる必要もない。グループで話し合うことももちろんあるが、その場合もコンセンサスを期待する空気はない。なぜなら、どの役割がどの決定を下す権限を持っているか、誰もが明瞭に理解するようになるから。
2016-12-25 21:20:05さらに、皆が自分の仕事に取り組み、一緒に権限を行使していく際、他の人に対して自分が抱く妥当な期待とは何か、逆に他の人が自分に対して抱く妥当な期待とは何かについても理解している。
2016-12-25 21:25:05組織が明瞭になると、本当に権限が分配され、私たち1人1人が時にはリーダー、時にはフォロワーとなる自由を得る。自分の役割を遂行する時は、他人の意見を適宜取り入れる良いリーダーとなり、別の役割が決定権を持ち話し合いを終了して判断を下す場合には、良いフォロワーとなる。
2016-12-25 21:25:59サークル:ヒエラルキーからホラーキーへ ここまでで述べている役割とは、いわば組織の細胞のこと。今度は、全体の組織構造の中で、どのように役割がグループ化され、統合されるかをみていく。ヒエラルキーでは、組織図は逆さまの樹木のようになっていて、1つ1つのつなぎ目が人=役職を表している。
2016-12-25 21:26:07一方ホラーキーは、有機体の中の臓器の中の細胞…のように、円(サークル)が入れ子状に連なっている。ホロンと呼ぶ各部分は、その外側のホロンに従属せず自律性と個々の権限とを保つ全体としての性質も保持。企業組織のホラーキーでは、組織全体が含まれる最大のサークル(アンカーサークル)まで続く
2016-12-25 21:26:15ホラーキー内のサークルと役割の1つ1つは、真の自律性と権限を保持した全体性を持つまとまりであると同時に、より大きな存在の一部として本当の責任も負っている。しかし、それぞれのサークルは自律しているといっても、サークルの決定や活動は他のサークルから独立しているわけではない。
2016-12-25 21:35:05なぜならサークルはホロン=それ全体で機能する組織だが、より大きなサークルの部分でもあるから。裏を返せば、完全独立なサークルはシステムに危害を及ぼすという事でもある。より大きなシステムを無視する細胞が癌になるのと同様。だからホラクラシーでは各サークルが守るべき責務と制約も規定してる
2016-12-25 21:40:05ホラクラシーで、組織を更生するのは役割と機能であった。ホラクラシーは「誰が誰に命令を下すか」という単純な権力関係で人を結びつけるのではない。全体システムの中で、仕事がどこに位置付けられるかという観点で組織を築き、その仕事を行う様々な存在(人やサークル)の間に明瞭な線引きをする。
2016-12-25 21:45:06ホラクラシーはフラット組織?階層的?ノー。ホラクラシーでいうサークルとは、部署の名称を変えたりプロジェクトチームをサークルと呼ぶ事ではない。サークルは役割のグループ。更に言えばサークル自体が大きなひとつの役割。実現すべき目的と実行すべき責務を持ち、場合によっては管轄する領域がある
2016-12-25 21:50:05サークルの仕事は、タイプも規模も様々。特定のプロジェクトを実行するもの、部署や事業分野を管理するもの、特定のサポート機能を遂行するもの、事業活動全体に取り組むもの、狭い分野を専門にする小さなサークル、比較的大きなサークルで完全に自律した複数のサークルを内包するものまでいろいろ。
2016-12-25 21:55:05例1:何かのサービスを提供する組織。サービス提供に関わる複数の役割をグループ化し、1つのサークルにする。さらにこのサークルそれ自体を他のサークルとグループ化し、より大きなサークルとして、セールス、マーケティング、サポートなどサービス提供に並行する他の機能と統合することができる。
2016-12-25 22:00:20例2:起業したての小さな会社。1つの役割が担う責務が複雑になり、きちんと実行する為に分割する必要が出た時。例えばマーケティングという役割があったとして様々なニーズに応える必要が出てきた時、何人かで分担する事になる。こうしてマーケティングという役割はサークルに発展、仕事が分割される
2016-12-25 22:05:05リードリンクとレプリンク:管理職は不要 サークルにサブサークルが含まれる場合は必ず、スーパーサークルと各サブサークルを結ぶ2つの特別な役割が設けられる。これは「リンク」と呼ばれており、結ばれるサークルの境界線をまたぎ、細胞と外の世界とのパイプ役のような機能を果たす。
2016-12-25 22:10:05「リンク」の役割=仕事は、それがつなぐ両方のサークルのガバナンスとオペレーションのプロセスに参加し、フィードバックとひずみの処理が、サークルの境界線を越えて流れるようにすること。リンクは2種類ある。1つは「リードリンク」、もう1つは「レプリンク(レプ=レプリゼンタティブ=代表)」
2016-12-25 22:27:32リードリンクは、スーパーサークルから指名される。スーパーサークルのニーズを代表してサブサークルにも籍を置く。スーパーサークル全体の視野に立ち、全体の目的、戦略、ニーズに合うようにサブサークルを調整する機能を担う。
2016-12-25 22:27:41レプリンクは、サブサークルのメンバーから選出される。サブサークルを代表してスーパーサークルにも籍を置く。レプリングの仕事は、スーパーサークルをサブサークルにとって健全な環境にする事であり、そのためにサブサークルの重要な視点をスーパーサークルのガバナンスとオペレーションに反映させる
2016-12-25 22:27:55リードリンクもレプリンクも、それぞれの機能を遂行するため、結ばれたサークル両方のガバナンスとオペレーションに参加できる。サークルとそれに内包されるサブサークルをこのようにリンクすることで、階層ごとに順ぐりに行われ、組織のホラーキーの隅々に行き渡るまで続けられる。
2016-12-25 22:28:03