常若(とこわか)ディスタンス
- kagachi_ecm
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【註】 天台方:(真言宗に対して)天台宗サイド。 四海:東西南北の4つの海をしめすことで国土全体。 領掌:手中に収めること。自分のものとして支配すること。
2016-11-06 15:53:11甲 口伝 穆王説話・慈童説話 cf.「竜馬進奏事」『太平記』
口伝によると周(しゅう)の穆王(ぼくおう)の時に、驥(き)・「馬盗」(たう)・驪(り)・驊(くわ)・騮(りう)・「騄」(りょく)・駬(じ)・駟(し)という8匹の天馬(てんま)がいたという。または、1匹にして8匹の、よい部分(相)を兼(か)ねそなえていたという。
2016-11-06 15:53:49【註】 周:中国の王朝。日本ではウガヤフキアエズの頃とされていた。 穆王:周の王様。 「馬盗」:秣(m136) 「騄」:角(m138)
2016-11-06 15:54:21これは二十八宿(にじゅうはっしゅく)のうちの房宿(そいぼし)の精(霊)(せい(れい))のもとで怪(異)(かい(い))をなすともいう。穆王は、これに乗(の)って四荒八極(しこうはっきょく)まで行けないところがなかった。
2016-11-06 15:55:01【註】 二十八宿:東洋占星術で星空を東西南北で28に分割する考え方。 房宿:房。さそり座付近で東方にあたると考えられている区画。 四荒八極:4つの荒れた場所(荒野)と4つの、はての場所(極地)。
2016-11-06 15:56:30ある時、西天(さいてん)へ十万里の山河(さんが)を一瞬で飛びこえて、中天竺(ちゅうてんじく)の舎衛国(しゃえこく)にいたった。
2016-11-06 15:56:56【註】 中天竺:(釈迦のいた頃の)インドの中央あたり。 舎衛国:迦毘羅衛国(かびらえこく)の西北の国。南部に祇園精舎がある。
2016-11-06 15:57:38時に釈尊(しゃくそん)が霊(鷲)山(りょう(じゅ)せん)で『法華(経』を、お説きになっていた。王は馬からおりて、会座(えざ)に参加して、仏に、おじぎをして、ひきさがって、みんなと一緒に座った。
2016-11-06 15:58:08【註】 釈尊:釈迦如来・釈迦牟尼世尊。仏教の開祖。 霊山(りょうぜん):霊鷲山に同じ。摩訶陀国(まがだこく)にあるとされる。釈迦が『法華経』を説いたことで有名。舎衛国と微妙にズレる。 法華経:釈迦が説いたとされる、お経。観音菩薩が諸難をすくい、願いをかなえるという。
2016-11-06 15:59:15仏は(王に)お問いになっていうには「汝(あなた)は、どこの国の人ですか?」。王は答えて、もうします「我(わたし)は、これ震旦国(しんたんこく)王である」と。
2016-11-06 16:00:44仏は、かさねて、お問いになります「いいでしょう。今、この会場にきました。我(わたし)は治国法(ちこくのほう)を持っている。汝(あなた)は受(う)けた持(も)ちたいと思いますか?どうでしょう?」
2016-11-06 16:01:56その時、世尊(せそん)は漢語を使って(『法華経』の)四要品の中の8句の偈(げ)を穆王に、お授(さず)けになられた。今の『法花(経』の中に経律(きょうりつ)の法門(ほうもん)があるという。深秘の文が、これである。(穆)王は震旦に帰って、深く心底に秘めて、世(間)には伝えなかった。
2016-11-06 16:06:51【註】 世尊:釈尊のこと。 四要品:『法華経』の重要な4つの部分。 偈:短い詩。 経律:仏の説いた教えと生活の上の、きまりごと。 法門:教えの内容によって分かれる仏教内のグループ。
2016-11-06 16:07:39この時、慈童(じどう)という子供(童(わらわ))が王の寵愛(ちょうあい)によって帝(みかど)の、かたわらにひかえていた。ある時、この童は君が位をないがしろにして(慈童を寵愛する)あまりに、誤って、帝の、お枕の上を越えてしまった。
2016-11-07 19:55:29群臣(ぐんしん)が議(論)(ぎ(ろん))していうには「罪科(ざいか)は浅くない。そういっても、(この)事は誤っての出来事であるので、死罪(しざい)を1等ゆるして、遠流(おんる)にさせるべきだ」と(王に)申しあげた。
2016-11-07 19:57:00