ゾウの密猟と象牙取引 三浦英之 朝日新聞アフリカ特派員

つぶやきをまとめさせて頂きました、問題ございましたら対応させて頂きますので、お手数ですが、ご連絡頂けますよう、お願い申し上げます。
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑥激論の末、「違法取引の原因となる市場の閉鎖」という玉虫色の結論に落ち着いた。でも、ちょっと考えて。「違法市場」の閉鎖は当然。少なくともそこにゾウを守るという意思はない。しかしそれらこそが両者共に望んだ結末だったのではなかったか pic.twitter.com/lzPUMM2hTG

2016-10-05 23:41:32
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑦個人的な意見を言えば、中国は今後も表向きでは「市場閉鎖」を宣言し、裏では密輸を続けるだろう。それだけの需要が中国にはある。東アフリカも同じ。密猟撲滅を訴えながら、政府がらみの密猟を続ける。両者の海岸線は極めて長く、政府は十分に腐敗している。ゾウは今後も殺され続ける pic.twitter.com/kDe9ZEuXQe

2016-10-05 23:42:51
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑧一方の日本。今回は「正論」を振りかざし、象牙業界と天下り先の利益を守った。しかし、中国が市場閉鎖を宣言した今、最大の象牙マーケットは日本。どんなに制度が守られようと、密猟が続けば、非難の矢先は日本へと向かう。それをどこまで予期していたか pic.twitter.com/6AtFX7BFzF

2016-10-05 23:45:14
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑨会議の実感。中国は国際政治に長けている。日本はどうか。その近視眼的な方策は島国でこそ通用する理論であり利益だ。世界の風をリアルに感じ、大勢を読んで大胆に動く。そんな政治家や官僚が今の日本には圧倒的に足りない(終) pic.twitter.com/SrK0qDv9LU

2016-10-05 23:46:44
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

①ケニアのサバンナでまた1頭、大きな牙を持つゾウが密猟者に殺された。象牙の密輸大国・中国は昨年末、2017年中に国内の象牙取引を全面禁止すると宣言したが、ゾウの密猟は止まっていない。陸と空からアフリカゾウの今を報告する(写真はツァボ・トラスト提供) pic.twitter.com/K6Ucw5qioO

2017-07-08 22:27:19
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②午前8時。密猟の多発地帯として知られるケニア南東部のツァボ東国立公園。自動小銃で武装したレンジャー7人とサバンナに踏み込んだ。仲間のレンジャーが密猟者と銃撃戦になった際、真っ先に現場に駆け付ける即応部隊の隊員たちだ pic.twitter.com/hWJOEV9ACj

2017-07-08 22:29:43
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

③「危険なので我々より前には出ないで」と隊員が言った。横一列になり、低い姿勢で進む。「足跡がある。東に向かっている」。隊員たちは土の上に残された足跡やたばこの吸い殻などを目印に密猟者が公園内に潜んでいないか調べた。茂みがある場所には銃を向け、安全を確認してから前へと進んだ pic.twitter.com/m9Aq0HiCwp

2017-07-08 22:32:47
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④「ここでは数週間に1度、ゾウの遺体が見つかり、数カ月に1度、密猟者と銃撃戦になる」と隊員は言った。このチームでも3月、2人の死傷者が出た。パトロール中に密猟者と銃撃戦になり、隊長が左肩に被弾。直後に応援に駆け付けた部隊の隊長が心臓を撃ち抜かれて即死した pic.twitter.com/YDus8pejB1

2017-07-08 22:34:57
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⑤「今年に入って同僚がすでに3人も殺されている」と別の隊員は言った。「もちろん怖い。でも密猟が続く限り、パトロールをやめるわけにはいかない。これ以上密猟が続けば、本当にゾウが絶滅してしまう」。象牙をめぐる戦争でアフリカでは今も人間が殺されている pic.twitter.com/QNhMXv9cKi

2017-07-08 22:38:08
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⑥ツァボで暮らしていた大きな牙を持つ巨ゾウ「サタオ2」が密猟者によって殺されたのは今年1月だった。両牙を合わせて計約100キロを超える立派なゾウで研究者や観光客らのシンボル的な存在だった(写真はツァボ・トラスト提供) pic.twitter.com/w2bbIUsmKn

2017-07-08 22:40:14
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑦同公園では2014年、やはり巨大な牙を持つ人気ゾウ「サタオ」が密猟者によって殺された。顔面をえぐられ、牙を奪われた。サタオ2はサタオにちなんで命名された。世界にはもう巨大な牙を持つゾウは30頭以下しか残っていない(写真はツァボ・トラスト提供) pic.twitter.com/DTve0UAXgl

2017-07-08 22:42:34
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⑧なぜゾウを殺すのか。それは生きるために肉を得るためではない。一部の愚かな人間がゾウの命の一部である象牙を奪い、印鑑や彫り物に加工して所有することで「自己満足」を得るためだ。そのためにゾウは生きたまま顔面を削り取られる pic.twitter.com/8vSpDBXOdu

2017-07-08 22:45:41
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⑨ゾウの激減を受けて国際社会はすべての象牙市場を全面閉鎖する方向へと向かっている。顕著なのは中国だ。昨年12月に「国内の象牙の加工と販売を2017年末までに全面的に禁止する」と発表した。国内の加工業者34社と取引市場143カ所が間もなく閉鎖される方向だ pic.twitter.com/4ZF1FfzDbR

2017-07-08 22:48:43
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑩一方、日本は未だに象牙に固執している。象牙が判子や三味線のばちの材料として使われており、政府は今後も国内取引を継続する方針だ。恐るべき時代錯誤と国際感覚の欠如。私の愛する祖国はいつから冷笑を受ける国になったのか pic.twitter.com/VSlyBpPVUh

2017-07-08 22:52:44
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑪最終日、「スーパーカブ」と呼ばれるバイクに翼を付けたような超小型飛行機に乗って空からゾウの群れを追った。大地を蹴って軽やかに離陸すると、眼下には朝日を浴びて金色に輝く広大な草原と、一列になって水辺の方向へと歩いていく十数頭のゾウの群れが見えた pic.twitter.com/UPs4z0FvUs

2017-07-08 22:56:18
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑫世界はこんなにも美しい。全身でそうつぶやくと操縦席に座ったパイロットが言った。「こんな美しいゾウたちを象牙目的で殺すなんて信じられないよ。象牙をほしがる人間はさ、ゾウが象牙よりも何十倍も美しいことをきっと知らないんだ」 pic.twitter.com/DGMDpQtu99

2017-07-08 23:00:31
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑬ゾウは人間に似ている。怒りや悲しみを感じ、人間には聞こえない低周波で仲間と会話をしながら社会的な生活を営む。妊娠期間は22カ月。繁殖能力が極めて乏しく、だから子どもを大切にする。子ゾウが産まれるとみんなで鼻を寄せ合って匂いをかぎ、群れ全体で子育てをする pic.twitter.com/br92dlhOAF

2017-07-08 23:02:50
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑭群れを率いるのは最長老の雌ゾウ。長年の経験から水やえさの場所を熟知している。寿命は約60年。繁殖適齢期が過ぎても生存し続ける動物は人間以外には希だ。それは多分、生殖を終えた後でもその「智恵」を種の存続に求められているから。私は時々こう想う。人間もゾウのように生きられたらと pic.twitter.com/41O4ZCrzGk

2017-07-08 23:05:01
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑮その日は2時間半、空からゾウの群れを追った。上空からゾウの群れを見つけると、低空に降下して状態を確認する。軽飛行機に窓はなく、冷え切った風が体を冷やした。「一つ、聞いていいか」とパイロットが言った。「日本はいつまで象牙の取引を続けるつもりなんだ?」 pic.twitter.com/g3k68zcJ61

2017-07-08 23:06:40
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三浦英之 「太陽の子」に新潮ドキュメント賞 @miura_hideyuki

⑯アフリカに赴任して成し遂げたいと願ったテーマが二つあった。一つがこのゾウだった。私の小さな情熱はあと少しで途切れてしまうけど、アフリカゾウを救いたい。この雄大な風景を子どもたちに残したい。子ゾウが顔面をえぐり取られて殺されている、それが私たちが暮らしている小さな星の現実だ(終) pic.twitter.com/75ff2FBsOc

2017-07-08 23:10:42
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ただの |ωΦ)ฅです🐾 @emacat_bot

西原 智昭 arsvi.com/w/nt10.htm Facebook facebook.com/tomoaki.nishih… ホタルの宿る森からのメッセージ〜アフリカ熱帯林・存亡との戦い / NPJ news-pj.net/news-all/nishi…

2016-11-18 23:58:07

ホタルの宿る森からのメッセージ第56回「アフリカの野生生物の利用(3)〜マルミミゾウことはじめ」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/42027
ホタルの宿る森からのメッセージ第57回「アフリカの野生生物の利用(4)〜ムアジェの悲劇」その1 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/42733
ホタルの宿る森からのメッセージ第58回「アフリカの野生生物の利用(5)〜ゾウ肉食と保全への覚醒」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/43547
ホタルの宿る森からのメッセージ第59回「アフリカの野生生物の利用(6)〜野生ゾウの頭数減少と人間による象牙利用」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/44513
ホタルの宿る森からのメッセージ第60回「アフリカの野生生物の利用(7)〜密猟の現場で」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/45468
ホタルの宿る森からのメッセージ第63回「アフリカの野生生物の利用(8)〜日本の象牙利用」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/46982
ホタルの宿る森からのメッセージ第64回「アフリカの野生生物の利用(9)〜日本の象牙利用」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/47024
ホタルの宿る森からのメッセージ第65回「アフリカの野生生物の利用(10)〜文化遺産か自然遺産か」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/47037
ホタルの宿る森からのメッセージ第66回「アフリカの野生生物の利用(11)〜文化遺産か自然遺産か」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/47098
ホタルの宿る森からのメッセージ第67回「アフリカの野生生物の利用(12)〜野生生物は資源なのか」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/47157
第68回「アフリカの野生生物の利用(最終回)    ~野生生物は資源なのか」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/47177

第84回「マスメディアの課題~アフリカ熱帯林におけるマスメディアとの体験より(1)」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/52925
第85回「マスメディアが目指すのは“事実”よりも“新奇・好奇”なもの~アフリカ熱帯林におけるマスメディアとの体験より(2)」 / NPJ
http://www.news-pj.net/news/53625

リンク NPJ/憲法・人権 関連ニュースサイト 『コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から』 / NPJ-憲法・人権 関連ニュースサイト NPJ-News for the People in Japanは憲法・人権・共謀罪関係を中心に情報発信を行う市民メディアです。 1 user 162

コンゴ共和国 マルミミゾウとホタルの行き交う森から

現代書館

装幀 伊藤滋章

西原智昭 著
判型四六判 上製 256ページ
定価2200円+税
ISBN978-4-7684-5823-5

中部アフリカのコンゴ共和国で、いま何が起きているのか――。熱帯林に生息するゾウやゴリラなどの生態調査、環境保全に携わる中での内戦や森林伐採業との対峙、貨幣経済の浸透が先住民に与える影響など現場のリアルを伝える。

[著者紹介]
西原智昭(にしはら・ともあき)

1989年から25年以上、コンゴ共和国やガボンなどアフリカ中央部熱帯林地域にて、野生生物の研究調査、国立公園管理、熱帯林・生物多様性保全に従事。国際保全NGOであるWCS(Wildlife Conservation Society;ニューヨークに本部)のコンゴ共和国支部・自然環境保全技術顧問。NPO法人アフリカ日本協議会・理事。京都大学理学部人類進化論研究室出身、理学博士。

詳細はhttp://www.arsvi.com/w/nt10.htmを参照。現在の最大の関心事は、人類による自然界・野生生物利用と人類の文化遺産の維持とのバランスに向けた方途や、先住民族の今後のあり方への模索である。

著書に、翻訳『知られざる森のゾウ――コンゴ盆地に棲息するマルミミゾウ(ステファン・ブレイク原著)』(現代図書、2012年)、共著「森の先住民、マルミミゾウ、そして経済発展と生物多様性保全の是非の現状」『アフリカ潜在力 第5巻 自然は誰のものか――住民参加型保全の逆説を乗り越える』(京都大学学術出版会、2016年)、共著「アフリカの野生生物の問題はアフリカだけの問題ではない」『「アフリカ」で生きる。――アフリカを選んだ日本人たち』(カナリアコミュニケーションズ、2017年)、共著「メディアが目指すのは「事実」よりも「新奇・好奇」なものなのか――アフリカ熱帯林におけるマスメディアとの体験より」『FENICS 100万人のフィールドワーカーシリーズ第6巻』(古今書院、2017年)など。

[編集担当者より]
日本から遠く離れている国だが、実は1989年のワシントン条約で象牙の国際取引が禁止されるまで、コンゴ共和国に生息するマルミミゾウの象牙は印章の材料として日本が大きな需要を占めていたという。
失われていく原生林、その中で生きる動物や先住民の間に、さらなる開発の波が押し寄せる。環境保全業もまた、当事国にとっては外部からの介入であるという葛藤を抱えながらも、自然との共生の道を探る著者の姿に静かな感動を覚える。

【目次】

プロローグ 
 
1 熱帯林とゴリラとの出会い
2 虫さん、こんにちは
3 森の中で生きるということ
4 熱帯林養成ギプス、内戦、そして保全業へ
5 新たな旅立ち~森から海へ
6 森の先住民の行く末
7 ブッシュミート、森林伐採、そして象牙問題へ
8 海洋地域での漁業と石油採掘
9 日本人との深い関わり 
10 教育とメディアの課題
11 ぼくの生き方?これまでとこれから

エピローグ

[おすすめの類書]
『タイの象は生き延びられるか』
『アジアの森と村人の権利』