第15話 暴走 -Berserk- (完結)

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白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

15-Ep-13 航行する艦隊の末尾。綾波は目を閉じ、自分の中に意識を集中する。 すうっ、と『綾香』の輪郭が取り戻り、海が姿を変えていく。 「綾波ちゃん」 「綾香ちゃん」 『二人』は同時に口を開いた。 「「どうしてあんな事を考えたの?」」 そして、寸分違わぬ言葉を口にした。

2016-12-11 10:21:56
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

15-Ep-14 これにはお互い驚いた。『え?』という顔で見つめ合って固まる。 「川内さんを楽にしてあげようなんて考えたの、綾波ちゃんじゃないの?」 「違うよ!綾波にそれを提案してきたの、綾香ちゃんだったじゃない!」 言い分は完全に食い違った。これは一体どういう事か。

2016-12-11 10:24:42
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

15-Ep-15「…綾波ちゃん、その時私の『姿』は見た?」 「ううん、あの時は何でか分からないけど、綾香ちゃんの声だけだった。もしかしてそっちも?」 綾香は眉を顰めた。あの瞬間語り掛けて来た声の主は、二人に互いの声で同じ結末を持ち掛けたという事か?作戦指示通りの川内の死の結末を?

2016-12-11 10:26:35
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

15-Ep-16「綾波でも綾香ちゃんでもないなら、あんな事を言ったのは誰?」 「…分からない」 これは心の中で行われているやり取りだ。そもそもが、このやり取りに誰かが干渉する事など出来るはずがない。まして、お互いを装って二人の思っている事と異なる提案をしてくるなど。

2016-12-11 10:27:47
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

15-Ep-17「でも、ちょっと安心した」 綾波が綾香に安堵したような笑みを送ってきた。 「川内さんの事、綾香ちゃんがそうさせようとしたんじゃないって分かって。あんな提案されて、悲しかったから…」 「ううん…私のほうこそ、今まで綾波ちゃんが考えてたんじゃないかって思ってたから」

2016-12-11 10:28:45
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

15-Ep-18 お互いの想いを再確認すると、意識は現実へと戻っていった。 だが、やっぱり分からない。 綾波は前を進む6人を見て『それは違う』とかぶりを振る。 お互いの心が考えていなかったのなら、あの時綾波の左手を連装砲の引き金に掛けさせた声は、一体どこから?

2016-12-11 10:30:01
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

15-Ep-19 光源の乏しい真夜中の海の上。綾香の胸元に留められた鳶のブローチが、誰にも気付かれる事なく…小さく、妖しく煌いた。

2016-12-11 10:32:27
白樺活性炭濾過物 @bookmark_vodka

__ 第15話 暴走 -Berserk- 終わり 15.5話に続く__

2016-12-11 10:33:32
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