混合診療の基本的な問題点理解

「なぜ保険診療と保険外医療を併用することが出来ないのか」について、あやふやな向きも少なくないと思い、まとめておいた。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

TPPは農業関税よりも、政府調達や医療分野の方が問題として重要になってくると思うのだが、そこらへんはあまり話題にならないのは少し気になるところ。 医療分野についてはjacom.or.jp/nousei/tokusyu…など。たまに話題になるのは主に混合診療や薬価決定だろうか。

2016-10-22 15:31:15
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

確かに、農業保護の話は、関税の高低の話に擦り変わりやすく、TPP賛成派も反対派も話しやすいのかもしれない。 しかし医療に関しては、「薬価決定機関に製薬会社を入れる」といった迂遠な話が多くてわかりづらいだろうし、混合診療に至っては何が問題なのかさっぱりの人も多いはずだ。

2016-10-22 15:35:56
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

混合診療に反対している代表的な圧力団体は日本医師会だが、問題が複雑なせいで、彼らの説明はわかりにくいものになっている。(最悪の場合、彼らも何が問題なのかきちんとわかっていない可能性が...) ということで、混合診療の本質的な問題について少し論じてみる。

2016-10-22 15:48:56
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

混合診療は名の通り保険医療と保険外医療の併用を認めることだ。実務的には、診断までは保険医療が担い、治療において保険外医療が担うという代物になる可能性が高い。現在では、保険外医療の併用をする場合、それまでの保険内医療(診断)も保険適用を外れることになる。

2016-10-22 15:51:04
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

一見、医療利用者からすれば非合理的なものに見える(逆に、混合診療が合理的なものに見える)のだが、この制度を「医療開発者」から見るとかなり違う側面が現れてくる。 医療開発者からは、混合診療許可は「保険適用にするための手続きコストや保険適用による価格抑制がなくても、

2016-10-22 16:16:24
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

政府が診断までは費用を持ってくれる」という産業補助めいた構造になる。これは「保険適用を目指さなくても良い」という誤った誘因を与える。その結果、保険医療の範囲と、医療を通じた社会的余剰が小さくなる。 この問題は、企業の利潤最大化点と社会的余剰最大化点が解離しているから起こる。

2016-10-22 16:18:06
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

もし混合診療を認めるとしても、緊急性が高く、保険認可を待てない場合に限り、正当な手続きを課した上で、例外的に認めるという形になるしかないだろう。その際、採用される保険外医療も、有効であれば必ず将来的に保険適用されなければならない。 先進医療制度は既にそれに近い制度である気がするが

2016-10-22 16:24:45
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

こう考えると、混合診療には、保険外医療が診断(in保険医療)という公共インフラにフリーライドしている構造も見て取れる。 その結果、保険外医療(の比率)が、理想水準よりも過大になってしまうので、保険外医療を適切な水準に抑えるためには、診断の公共的負担を外す必要がある。

2016-10-22 21:29:34