帰無仮説と統計学的仮説検定に関するメモ

このまとめは,以下について記した個人的なメモです。 (1)「帰無仮説」を「採択する」という表現は不適切である。 (2)統計学的仮説検定は検査法の一種である。 続きを読む
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「帰無仮説」を「採択する」という表現は不適切

篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

統計学メモ:「Null hypothesis」とは「帰無仮説」のこと。「Alternative hypothesis」とは「対立仮説」のこと。「帰無仮説」を「棄却する(reject)」ことができれば,「対立仮説」を「採択する(accept)」することができる。(続く)

2013-03-17 20:33:17
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)注意しなければならないのは,「帰無仮説」を「棄却する」ことができなければ,何ら積極的な結論を引き出すことができない,ということ。つまり「帰無仮説」を「棄却する」ことができないことは,「帰無仮説」を「採択する」ことと同値(同義)ではない,ということ。(続く)

2013-03-17 20:36:17
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)それゆえ,「帰無仮説」を「採択する」という表現は不適切であり,用いてはならない表現である。参考資料は次の通り。 oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/blog/… 10945142.at.webry.info/200903/article… detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_de… (了)

2013-03-17 20:38:41

ある命題を背理法で証明する場合,矛盾を導ければその命題は真だと言える。しかし,矛盾を導けなければ,真であるとも偽であるとも言えない。

篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

昨日投稿した統計学メモ twitter.com/CrushedNumbers…twitter.com/CrushedNumbers…twitter.com/CrushedNumbers… に関して追記。背理法と絡めながら,もう一度整理。(続く)

2013-03-18 10:09:30
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)対立仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」である〉を証明せよ,という問題を例に説明する。今回,この証明は「背理法」を用いて行う。(続く)

2013-03-18 10:21:40
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)「背理法」とは「命題Pを証明したい場合,その命題Pの否定¬Pを仮定して矛盾を導く証明法」のことである。「矛盾」とは「Pと¬Pが両方導かれる状態」のことである。(続く)

2013-03-18 10:21:55
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)今回の命題は,対立仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」である〉というもの。そしてその命題の否定は,帰無仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」ではない〉つまり〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉というもの。(続く)

2013-03-18 10:24:29
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)今回の証明では,命題の否定である帰無仮説〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉という仮定を利用した推論によって対立仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」である〉が導かれる,という矛盾を示す,ということが目的である。(続く)

2013-03-18 10:26:55
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)さて,〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉という仮定を利用した推論の結果,対立仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」である〉が導かれる,という矛盾が導かれた場合,どのような結論が得られるのか。(続く)

2013-03-18 10:29:22
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)矛盾を構成する両方の命題(Pと¬P)が共に真であるということはあり得ない。(続く)

2013-03-18 10:32:55
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)今回の場合で言うなら,矛盾を構成する帰無仮説〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉と対立仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」である〉の双方が真であることはあり得ない。(続く)

2013-03-18 10:33:04
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)あり得ない状態が導かれてしまったのは,そもそも命題の否定(¬P)を仮定して推論を始めてしまったからだ。今回の場合で言うと,帰無仮説〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉を仮定して推論を始めてしまったからだ。(続く)

2013-03-18 10:35:51
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)ゆえに,命題の否定(¬P)そのものが,今回の例で言うなら帰無仮説〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉そのものが,そもそも偽だったのだ。(続く)

2013-03-18 10:37:36
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)それは自動的に,命題が,今回の例で言うなら対立仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」である〉が真であるということを意味するのである。(続く)

2013-03-18 10:38:44
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

ところでもし,〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉という仮定を利用した推論の結果,対立仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」である〉が導かれる,という矛盾が導けなかった場合,どのような結論が得られるのか。(続く)

2013-03-18 10:42:31
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)この場合,命題の否定(¬P),今回の例で言うと帰無仮説〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉が誤っていると主張できない。(続く)

2013-03-18 10:50:20
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)なぜなら,「矛盾が導かれる」⇒「命題の否定(¬P)は偽である」という論理は真であるが,その論理の裏である「矛盾が導かれない」⇒「命題の否定(¬P)は真である」という論理は必ずしも真でないからである。(続く)

2013-03-18 10:51:32
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)そして,命題の否定(¬P),今回の例で言うと帰無仮説〈「Value_0」である⇒「=Value_1」である〉が誤っていると主張できないということは,(続く)

2013-03-18 10:52:44
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)命題が,今回の例で言うなら対立仮説〈「Value_0」である⇒「≠Value_1」である〉が真であると主張できない,ということを意味するのである。詰まるところ,矛盾が導けなければ,何ら積極的な結論は出すことができない,ということなのである。(続く)

2013-03-18 10:53:55
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

(承前)これらの説明を見れば分かるように,矛盾が導けない場合,得られるのは「対立仮説」が真であると主張できない,という結論であって,「帰無仮説」を「採択する」という結論は決して得られないのである。(了)

2013-03-18 10:56:37

統計学的仮説検定は一種の「検査法」である。「感度」が高くない検査で検査結果が「陰性」である場合,「除外診断」はできない。

篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「帰無仮説」を「採択する」ことをしてはならないのは,「感度」が「それほど高くない」がゆえに「除外診断」ができないということと,本質的には同じ意味を持っている。

2013-03-24 19:13:49
篠ノ目くぬぎ_CNS @CrushedNumbers

「…信頼区間があまりに幅広い推定は実用的ではありません。これは、『明日の天気は晴れ時々曇り、一時雨か雪あるいは雹、所によっては槍も降り、ひょっとすると飛行機か人工衛星も落ちてくるでしょう』などといった天気予報のようなもので…」 snap-tck.com/room04/c01/sta…

2013-03-24 21:37:59