野生の思考から古事記へ

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未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)ジャン=ピエール・ヴェルナンはレヴィ=ストロースの構造主義を真っ先に取り入れてギリシャ神話の分析などをしていたのだが、彼によるとフランス語で「労働」を意味する言葉「travail」に相当する言葉は古代ギリシャにはなかったとのことです。ここまで読んで、私はこの話どこかで(続く

2016-12-24 13:50:49
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)読んだことがあるなと思った。まず第一にハイデガーである。ハイデガーも古代ギリシャについて、即ち、「ソクラテス以前の哲学者」 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD… について研究し論じていた。とは言え、私は木田元のハイデガーの解説書などを何冊か読んでみたのだが(続く

2016-12-24 13:58:42
未発育都市 @mihatsuikutoshi

NHKテキストに戻ると、「古代ギリシャ人は、半分は「構造」的な世界に生きていた人たちで、「歴史」の世界が入って変質し始めてはいたものの、未開社会の人々と同じ野生の思考がまだ生き残っていました。その古代ギリシャでは、働くことを「プラクシス」と「ポイエーシス」という二つの言葉(続く

2016-12-24 14:05:51
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)で表現していました。プラクシスというのは、普通「実践」などと訳されますが…行為する人間が自分自身の目的のために事物を「使用する」という意味」「それに対してポイエーシスには、事物をそれ自体の目的のため、あるいは使用する人の目的のために「つくり出す」という意味があります」(続く

2016-12-24 14:08:06
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)「ヴェルナンは、労働の概念の中で、このポイエーシスに相当する考え方が、ヨーロッパではだんだん日常用語の中から消えていったことを明らかにしています。これとよく似た考え方をした哲学者がハイデガーです」「レヴィ=ストロースは、労働概念の中にこのポイエーシスの要素を取り戻そう(続く

2016-12-24 14:11:50
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)と考え、それが日本の職人の中に生きているはずだと睨んだのです。彼は日本の職人たちがつくった様々な陶器や塗り物、着物や家具などを注意深く観察しています。…その中に、ポイエーシス的労働の考え方が生きているはずだと思ったのでしょう」「レヴィ=ストロースは、日本で受けた印象の(続く

2016-12-24 14:13:59
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)一つとして、この国の人々は「自然を人間化する」と語りました。…「自然の人間化」は、呪術の思考方法ともアニミズムとも深く関わっています。これが日本文化の特徴の一つを為しているのではないか。「自然を人間化する」ことによって、人間と自然の間に通路が開かれますが、これは(続く

2016-12-24 14:18:23
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)「人間の自然化」を…おそれた西欧とは対照的です」とのことです。日本の「自然の人間化」の有名な例は「鳥獣戯画」(ウサギとカエルが相撲をしているなど)ですね。この絵は「動物を人間に変化させることによって「自然の人間化」を実現しています」(続く

2016-12-24 14:22:26
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)「「自然の人間化」の回路を通ると、自然は敵対的で恐ろしい対象ではなくなり、人間の世界とうまく接続されるようになります。しかし、完全に人間に順化、同化してしまうわけではありません。どこまでいっても自然は自然、人間は人間としての固有性は失われません。ただ両者の間には通路が(続く

2016-12-24 14:24:12
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)できていて、その中間に自然と人間の混成(ハイブリッド)の世界がつくられています。こういう世界観が、日本の表現の根幹にあるのです」「私は以前に『ポケットの中の野生』 twitter.com/mihatsuikutosh… という「ポケモン」研究の本を書きましたが、そこでも(続く

2016-12-24 14:26:44
未発育都市 @mihatsuikutoshi

中沢新一著『ポケモンの神話学 新版 ポケットの中の野生』 amazon.co.jp/dp/4040821165 「子どもたちの「野生の思考」…大ヒット作「ポケットモンスター」の分析により、現代人の無意識と野生に迫ったゲーム批評の金字塔。新たな序文とともに…」 10/20発売。メモ。

2016-10-20 23:55:51
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)このことがテーマとなりました。最近…「ポケモンGO」が世界中を席巻していますが、ポケモンというキャラクター自身が「自然を人間化する」という主題にとり組んでいます。…このゲームが一九九六年に登場したとき、「これはまるで『野生の思考』の世界ではないか」と思ったものです。(続く

2016-12-24 14:28:22
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)現代日本人の中に「野生の思考」と同じものがまだ生きていて、しかもそれがデジタル産業の中で活躍しているのです」

2016-12-24 14:29:32
未発育都市 @mihatsuikutoshi

というわけで、まだ途中だけど、連ツイが長くなったので、一旦、終わり。(腹減ったし)

2016-12-24 14:30:06
未発育都市 @mihatsuikutoshi

ちなみに、このNHKテキストの第4回の後半では前述の「混成(ハイブリッド)」とは対照的な「ディヴィジョニズム(分割主義)」の話が出てくる。レヴィ=ストロースによると、これが日本文化の特徴であるとのことで、ここが最も私には目から鱗でした。連ツイ、終わり。

2016-12-24 14:32:18
未発育都市 @mihatsuikutoshi

読んだ。勉強になった。というか、縄文中期の「火焔土器」がカッコいい。/ クロード・レヴィ=ストロース part1 『月の裏側』 堆積丘としての日本 uedanobutaka.info/official/2016/… pic.twitter.com/APgL5gBuG3

2016-12-25 13:22:21
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未発育都市 @mihatsuikutoshi

少し引用(メモ)すると、「土着の人たちだけの特権である、内側から文化を知ること、これは人類学には決してできません。しかし、人類学は土着の人たちに、彼らが身近すぎて知ることがなかった全体の眺め、いくつかの図式化された輪郭に還元された眺めを提供することは少なくともできるのです」(続く

2016-12-25 13:25:46
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)「日本文化は両極端の間を揺れ動く驚くべき適合性を持っているという。日本の織物師が幾何学形と自然を写した絵柄を好んで取りあわせる。…あい反するものを隣合せにさえする」「日本文化の明敏さは、極めて論理的な仕方で、必ずしも日本で生まれたものではない神話の主題を上手に繋ぎ合わせる」

2016-12-25 13:28:22
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)「日本式ディヴィジョニズムと呼ぶ。それは観念的なものでなく、感性的なものであることを強調している。感性的ディヴィジョニズムであるのだ。料理では素材や味を混ぜ合わせることが少なく、大和絵においては線と色彩を切りはなし、音楽においては西洋音楽とは異なり、和音の体系がない」>RT

2016-12-25 13:29:59
未発育都市 @mihatsuikutoshi

日本文化の特徴とされる対照的な「混成(ハイブリッド)」と「ディヴィジョニズム(分割主義)」の関係はどうなっているのだろう? と思って検索して調べてみたのだけど、おそらく後者は前者の一形態なのではないかと思われる。

2016-12-25 13:31:15
未発育都市 @mihatsuikutoshi

ちなみに、後者の「ディヴィジョニズム(分割主義)」には19世紀の絵画の新印象派 ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0… の色彩分割描法の意味もある。例えば、ジョルジュ・スーラの点描画では色を絵の具を混ぜずに点に分割して描いている。

2016-12-25 13:34:24
未発育都市 @mihatsuikutoshi

メモ。/ 火焔土器 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB… 火焔土器が初めて出土したのは1936年らしい。場所は新潟県長岡市の馬高遺跡。火焔土器は縄文時代中期を代表する縄文土器。でも、縄文(縄の回転による施文)による装飾はほとんど見られない。

2016-12-25 13:43:01
未発育都市 @mihatsuikutoshi

土器は焼いてつくるのだが、その土器のデザインが火焔型(炎の形)というのはとても洒落ている。(そうじゃないw

2016-12-25 13:45:36
未発育都市 @mihatsuikutoshi

というか、 土器は基本的には調理器具でしたね。後でまた連ツイすると思うけど、昨日、連ツイしたNHKテキストの中沢新一著『レヴィ=ストロース『野生の思考』』の第4回「「野生の思考」は日本に生きている」の後半の「食事の体系」にこう書かれている。「レヴィ=ストロースの神話研究では(続く

2016-12-25 13:51:41
未発育都市 @mihatsuikutoshi

続き)「食事の体系」に重要な位置があたえられます。それによれば食事は、自然から文化への移行を決定づけています」「かまどや土器の鍋は、自然から文化に移行するための重大な変換装置です。そのためかまどの火の回りは、神話的な発想が集まって出てくる場所になります」とのことです。

2016-12-25 13:53:40
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