微分形式は近代的微積分に埋め込みDSLとして実現された無限小計算である、という話

理学部だと「微分形式ちゃんと理解してると偉い」みたいな風潮があるんですが(ありませんか)、勉強するのが大変なのに物理で使えるようにはなかなかならない問題があると思います。どうして「応用」が難しいのかについてのまとめ。
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dif_engine@ワサラー団 @dif_engine

微分形式は、要するに普通の微積分で埋め込みDSL(domain specific language)として実現された無限小計算なのだなと思うようになった。オイラー風の微分形式を扱っているかのように操作できるが、実際にはすべての操作が多変数の通常の微積分として実行される。

2017-01-02 20:47:59
dif_engine@ワサラー団 @dif_engine

(現代風の)微分形式をまじめにやるために必要な多様体論の範囲は比較的狭いが、それでも真面目にやろうとすると多変数の微積分のしっかりとした復習が必要になる(人が多そう)。

2017-01-02 20:50:05
dif_engine@ワサラー団 @dif_engine

ところが、微分形式をさらに物理学に応用しようとすると、「面素を表す法線ベクトル」のような、(たとえば数学部の学生セミナーで言ったら怒られそうな)曖昧な概念を現代風微分形式の言葉に置き換えないといけない。

2017-01-02 20:52:18
dif_engine@ワサラー団 @dif_engine

このような翻訳を自在に行うためには、まず物理で言ってる(多少曖昧な)微分形式が実際に何を言おうとしてるのかということをきちんと理解する必要がある。しかし、現代的微分形式の理論は、少なくとも部分的には、そのような努力を軽減するために作られたものではなかったか…?というモニョりがある

2017-01-02 20:54:43
dif_engine@ワサラー団 @dif_engine

…このようなことを考えた起点は、森毅の「微分形式は無限小の形式化だ」みたいな言葉。このエレガントな言葉の意味が長年わからなかったけど、『微積分に埋め込みDSLとして実現された無限小計算』なんかよりずっとエレガントですよね。

2017-01-02 20:59:22